綴らない詠唱シーンに価値など無い「ソード・オラトリア ダンジョンに出会いを 求めるのは間違っているだろうか外伝」レビュー

評価★☆☆☆☆(12点)全12話

あらすじ 迷宮都市・オラリオを舞台に、最強と名高い女剣士、アイズ・ヴァレンシュタインの冒険を描く引用 – Wikipedia


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綴らない詠唱シーンに価値など無い

本作品はダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかの
スピオンオフ作品のアニメ化。
監督はOVAと同じ鈴木洋平、制作はJ.C.STAFF。

見出して感じるのはそそられない冒頭だろう。
OVAのときもそうだったが、1期に比べて「アクションシーン」の
質が明らかに落ちており、
冒頭で描かれるメインキャラの戦闘シーンが心底つまらない。

本来は1話の冒頭の大事なシーンで見ている人を
惹きつけなければならない大切なシーンだ。
しかし、動きの面白さよりも演出で誤魔化した戦闘シーンは
妙に遅く印象にも残らない。

TVアニメ1期では戦闘シーンもこの作品の魅力だった。
ある意味、この作品は王道かつまっすぐなストーリーだからこそ、
その王道を盛り上げるために戦闘シーンが作り込まれており、
盛り上がる戦闘シーンが有るからこそ王道のストーリーが面白いと感じられた。

しかし、スピンオフではこの戦闘シーンがつまらない。
監督が演出家としての経験が長いので仕方ない部分もあるのかもしれないが、
「演出だより」になっている部分が多く、
単純にアニメーションとしての動きの面白さが感じられず、
見かけだけは派手だが、派手なだけで淡々とみてしまう。

テンポも悪い。
1話は実力はあるがダメな魔法使いの話なのだが、
強いモンスターを前にすると恐怖や緊張でなかなか詠唱しきれない。
その詠唱しきれない様をずーっと見せられる。
さっさと詠唱しきれよ!と思わず見てる側がツッコミたくなるほど苛立つテンポだ。

結局、詠唱しきらないのでフラストレーションもマックスに貯まる。
他のシーンでも1テンポ、いや3テンポくらい遅いシーン描写が多く、
本来は盛り上がるシーンが盛り上がらずグダグダになってしまっている。

同監督のOVAではセクシーシーンにはフェチズムを感じるこだわりを感じた。
しかし、なぜかこのスピンオフではそんなこだわりを一切感じない。
ただキャラクターを脱がしてるだけでフェチズムを一切感じない
適当な「脱がせておけば良いんだろ」感の凄いセクシーシーンの数々は
時間の無駄なだけだ。

とあるキャラのいわゆる「妄想シーン」もあるのだが、これもテンポが崩れる原因だ。
憧れのアイズ・ヴァレンシュタインに対し憧れる彼女はなにかあるたびに妄想するが、
前述したとおり、フェチズムを感じないセクシー要素のある妄想シーンでは
面白みのようなものもなく、キャラの可愛さもない。
ただ尺の無駄遣いをしているだけだ。

はっきりいってスピンオフに出てくるキャラクターに魅力がない。
本編のように「紐」な神様の可愛さを味わえるわけでも、
主人公の成長する様を見れるわけでもない。
無口かつ無表情なアイズとそんな彼女のパーティーのメンバーは
見ている側に感情移入の余地がなく、愛着もわかない。

本来描くべきは本編の主人公が憧れる「オレツエー」的な
アイズ・ヴァレンシュタインの凄さや、
「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか 」という作品の
キャラクターを味わえるような要素のはずなのだが、それがない。

主人公の居ないデレや照れのない「アイズ」というヒロインは可愛げがなく、
そんな彼女に憧れるエルフの少女もいわゆる「百合」的な魅力がない。
彼女よりも「ロキ」という神様によるセクハラ的接触のほうが
百合的な面白さを出せており、彼女の中途半端な百合要素は面白みがない。

ストーリーも本当に薄い。
テンポが悪いだけではなく内容も薄く展開の切り替えも遅いため、
他のアニメなら10分や15分で描くような内容を
30分に引き伸ばしてるような感覚になるほどの引き伸ばし具合で、
作品の欠点ばかりが目立ってしまっている。

スピオンオフなだけに本編へのからみも当然有る。
というよりも本編の裏側でこういうことがあってましたという感じで描くのだが、
本編のストーリー進行に合わせているせいかストーリーの進行が遅く、
本編の内容を覚えていないとわからない要素も多い。

これで本編終了後の三ヶ月とか1年位後ならば本編を覚えている人も多いだろうが、
流石に二年以上前に放映された作品の内容の細かい部分まで
覚えているのは、原作やこの作品のよっぽどのファンでなければ厳しいだろう。
本編で出ていたキャラも当然出るのだが何の説明もなく出て来るキャラも多いため、
覚えていないと「これ誰だっけ?」となってしまうキャラも多い。

本編の主人公である「ベル」が出る話は面白い。
彼が出ると無表情なアイズもヒロインとしての魅力が出てくるため、
可愛さが出てくる。
だが、彼は殆ど出ないのでたまにしかヒロインの可愛さを味わえない状態だ。

全体的に見てグダグダなスピオンオフ作品だった。
本編の裏側を描くような視点のストーリーは面白くは有るのだが、
あまりにも内容が薄く、その薄い内容をグダグダなテンポで見せてしまい、
迫力のない戦闘シーンが余計にダラダラな雰囲気を漂わせてしまっている。
キャラクター数も多いのだが多いだけで掘り下げが浅く、
スピンオフのスピンオフみたいな状態になってる話もある。

戦闘シーンさえマシならもう少し見れた作品かもしれない。
尽く緊迫感もない戦闘シーンは炭酸の抜けたコーラのように、
見ていて何もたぎらない。
演出は派手だがほんっとに派手なだけでスカスカだ。
最終話の一瞬の白黒演出もほんっと
演出家出身の監督が好きそうな演出で逆に笑ってしまった。

原作に比べるとストーリーは結構改変しているようだ。
下手したら原作とは真逆になってるシーンがあるようで、
序盤の魔法使いのムダに長い詠唱シーンの後に結局、詠唱しきらないシーンなど
原作ではきっちりと詠唱しきって魔法を発動しているシーンのようだ。

ちょっと色々と改変しすぎた結果、ストーリーが薄味になってしまって、
作品全体の面白さも変な方向に引き伸ばされ、
常に盛り上がらない感じになってしまった感がある。

個人的には何というかスピンオフはOVAあたりでテンポよくやって、
素直に本編の2期をやったほうが
良かったのではと感じてしまう作品だった。

魔法の詠唱シーンも多かったが、
その詠唱シーンが無駄に長いだけでテンポを悪くしてるだけだった。
もうゆーっくりと呑気に詠唱するもんだからグダグダの極みだ。
最終話で敵が早口で詠唱しててメインキャラがびっくりしてたが、
普通あれくらいの早口でやらないと意味が無いだろう。

鈴木洋平監督には今後、演出家として
「聖剣使いの禁呪詠唱」あたりで詠唱の演出の1つで面白さを
変わることを学んでほしい(笑)

綴るっ!