「失格紋の最強賢者」レビュー

1.0
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評価 ☆☆☆☆☆(8点) 全12話

あらすじ とある世界に魔法戦闘を極め、賢者とまで呼ばれた者がいた。賢者ことガイアスは最強の戦術を求め、世界に存在するあらゆる魔法や戦術を研究し尽くしたが、まだ倒せない強い敵はいると感じ、最終的に導き出された結論は「自分の紋章は魔法戦闘に向かない」という、あまりにも残酷なものであった。引用- Wikipedia

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なろうRTA

原作は小説家になろうで連載している小説作品。
監督は秋田谷典昭、制作はJ.C.STAFF

転生

1話冒頭、強そうな主人公が誰に向けてなのか
わざわざ「紋章」に付いて説明してくれる。
なんでもこの世界には生まれ持った「紋章」というものがあり、
そんな紋章で才能に限界がある。

主人公が持っている「第一紋」は生産に特化したもので
本来は攻撃魔法に使うものではなく、彼はさらなる力を求めて転生する。
この流れが1分ほどで描かれる。超速転生である。
ソシャゲでいえばリセマラのような感覚であっさりと転生し、
しかも転生後のシーンではあっさりと転生して12歳になっている。

かなりの怒涛の展開であり話について生きづらい。
少し調べた所、1話の段階でコミカライズ3巻分、
原作のライトノベルで1巻分も進めている。恐ろしい速度だ。

恐らくは3人の「ヒロイン」を早めに出すための展開なのはわかる。
しかし、あまりにも早すぎる展開は原作、コミカライズを読んでいない人には
ついていきづらく、キャラクターの台詞もやや早口になってしまっている。
昨今、アニメを倍速視聴している人も多いようだが、
別に私は倍速視聴をしていないのに倍速視聴してるかのような感覚だ。

1話の段階で成長限界を感じた賢者が転生し、12歳まで成長しし、
王都に上京する道中で襲ってきた魔物を倒したかと思えば、
たまたま入った武器屋で困っていた女の子のためにものすごい魔剣を作る。
ここまでの流れをわずか8分たらずでやってのけている。
怒涛のストーリー展開だ。

テンプレテンプレ…

なろう原作アニメは昨今、多くの作品が制作されているが、
この作品はそんな中でも「目新しさ」というものがまるでない。
主人公の紋章は転生直後の時代において「失格紋」と呼ばれており、
そんな失格紋のせいで周囲の彼に対する目は厳しい。

しかし、そんな厳しい目とは裏腹に主人公はとんでもないことをしていく。
本来は生産に向いていないはずの紋章なのにとんでもない魔剣を作り、
学園に通うための入学試験が始まったかと思えばそこでもイキりまくる。
「俺なんかやっちゃいましたか?」という台詞こそ言わないが、
そんな台詞が聞こえてきそうなほど主人公は無自覚にチートな能力を見せていく。

ヒロインもチョロさが郡を抜いている。
二人のヒロインのうちの一人はほぼ出会った段階で主人公に惚れており、
どこかでみたことのあるようなキャラデザのヒロインには
「可愛さ」も殆ど感じない。

1話の怒涛の展開のせいで多くの視聴者を失ってしまっただろうなということが
わかるほど、1話のクォリティがあまりにも低い。
特に原作を読んでいなくともわかるカットがひどすぎる。

入学試験を通過したら、才能の凄さで特別講師に任命され、
無詠唱魔法をみんなに教えることになり、
学園に入学して一ヶ月がたち、いきなり他校との試合が始まり、
対戦相手が魔族だったことが発覚し、そんな魔族を倒す。

本来なら3話はかけそうなストーリーを1話に圧縮している。
どこかでみたことのあるようなキャラ、
どこかでみたことのあるような設定、
どこかでみたことのあるような展開、
ありきたりなテンプレ要素も丁寧に見せれば面白くなりそうな部分があるが、
この作品には丁寧さなんてものはない。

モノローグ

1番気になるのはモノローグの量だ。
1話冒頭からそうだが、世界観や設定の説明を自然に説明することが
この作品はまるでできていない。
主人公の誰に向けてるのか一切わからないモノローグによる説明で、
説明しているシーンがあまりにも多く、設定の説明をモノローグでしかできていない。

その説明自体もまるで面白くない。
主人公が人間に変装した魔族と戦う際にこんなことを心のなかで言う。

「魔族の弱点は首!」

おそらくはほとんどの生き物において首をはねられたら死ぬのは当たり前だ。
そんな誰にでもわかるような弱点といえるかどうかわからない弱点を
わざわざモノローグで説明してくれるのがこの作品だ。

そんな説明をわざわざしたのに首を切り落とすことはなく、
背中を切って終わりだ。
首が弱点という説明は一体なんだったのか。

ちなみに魔族はしょっちゅう出てきて戦闘をするが、
背中を切ったり、頭から身体を両断したりと、
ピンポイントで首を切り落とすような攻撃を1回もしたことがない。
この1話の説明は本当に何だったのか。

ちなみに6話で出てくる「魔物」は首を攻撃してやっつけている。
魔族は首を攻撃しないのに魔物は首を攻撃する。
もはや意味がわからない。

そんな説明まみれの戦闘シーンもひどい。
作画の枚数の少なさをエフェクトでごまかしており、
そんな枚数の少ない作画のクォリティも低い。

そもそも主人公は転生前から魔族をほぼ滅ぼすほどの強さを持っている。
それなのになぜ転生したのかがよくわからない。
このあたりも軽く調べると「宇宙の魔物」という
とんでもない強さの敵と戦うためらしいが、
アニメでは説明されていないため、そもそもの転生理由がよくわからなくなっている。

どこかでみたことのある

2話以降も変わらずどこかで見たことのあるような展開だ。
主人公が前世の記憶や経験をもとに、
学園の生徒達に技術を教え、ヒロインたちはより深く教えることで戦力アップをしていく。

主人公が転生した時代は魔族の画策により魔法技術がやや衰退しており、
そのせいで主人公がより無双できるようになっている。
結局、「主人公」の存在を祭り上げるために
周囲のレベルを落としているだけにすぎない。

前世の主人公が作ったアイテムなども都合よく残っている。
ちなみに前世での主人公の紋章は「生産」に特化した紋章であり、
簡単に言えばチートみたいな武器を作りまくれる。
つまり、前世で生産職を極めてチート武器を作り、
転生して攻撃職に転職してチート武器で無双をしている。

もう一人で勝手にやってろといわんばかりだ。
「さすが前世の俺だ!」と自画自賛をする姿に
見ている側が苦笑いするしかできない。

前世の主人公は「魔法神ガイアス」と崇められているものの、
最初は主人公はそれに一切気づかない。

「今、魔法神ガイアスとかいったか…?偶然だよな…?」

こういった自画自賛やすっとぼけた台詞に
ゾワッとした何かを感じてしまう作品だ。

2話ではダンジョンに潜り、最下層の階層ボスに挑むのだが
その時の台詞がこうだ

「階層ボスはパーティ全滅の最大の要因。前世の一般の魔法使いよりも戦力が劣る今の俺がこの状況でどうするべきか。そんなことは決まっている。
突撃だ。知識と経験と工夫で階層ボスを倒す!」

これを誰に言うわけでもなくモノローグですべて語る。
「主人公」という物語の確たる存在に何も感情移入できず、
共感もできず、むしろ拒否感すら生まれてしまう。

説明説明説明

階層ボスとの戦闘も1~100まで全部説明してくれる。
なにをしているのか、どういう攻撃が来るのか、
その攻撃を受けたらどうなるのかなど、
もう説明をやめてくれと言いたくなるほど説明まみれだ。

昨今はこういった戦闘シーンにモノローグが過度な作品が多い。
代表的なのは鬼滅の刃だが、そんな鬼滅の刃の3倍くらい
説明してくれる。

昔なら誰か主人公や敵がなにをしているのかを
解説してくれるキャラが居て自然に見せている事が多いが、
この作品の場合はそもそも主人公の技術や知識がすごすぎて
主人公しかわからない。

それゆえに主人公が自分のやっていることを自分で自分の心の中で、
説明セリフで全部説明するしか無い。
しかも、大体が敵が主人公を舐めた結果、自爆するようなことも多い。

展開自体も似たような展開が多く、
1話で対抗戦をやったのに5話でもまたやる。
2話からはダンジョンで素材探しをしているが、
5話でもまた素材探しをする。同じことしかしていない。

主人公にて期待する魔物や人間はすぐに倒されたり、幽閉されたりと、
ストーリーにおける「溜め」が一切ない。
どこかセガサターンあたりの知る人ぞ知るクソゲーのRTAでも
見ているかのような気分になってしまう。

そういったサクサク感はこの作品の魅力とも言える。
このどこかでみたことのあるキャラによる、
どこかでみたことのある展開のオンパレードを普通に見せられても
厳しかったかもしれない。

そういった意味でもこのRTAっぽいストーリー構成にすることで、
最低限見れる作品に仕上がってるのかもしれない。
そう考えれば主人公のモノローグによる説明セリフの多さも、
「実況プレイ」で視聴者に実況していると納得出来ないこともない。

可哀想な魔族

1話から主人公にボッコボコにされている魔族だが、
中盤になると主人公の知識により強化された
学園の生徒にすらボコボコにされる。
彼らが一体、何をしたのだろうか(苦笑)

彼らは数千年前に主人公に滅ぼされかけられており個体数は少ない。
そんな魔族が生き残るために人類に工作を仕掛けている。
魔族が人類と敵対しているのはわかるが、
魔族が具体的にどんな悪い存在なのかというのが描かれておらず、
漠然と「魔族=悪いやつ」になってしまっている。

主人公よりもボコボコにされる魔族の方に感情移入してしまう。
彼らを演ずる声優さんたちも岡本信彦、小西克幸、江口拓也、
日野聡、子安武人と無駄に豪華だ。
ただ、そんな豪華声優陣が演じる魔族があっさりやられてしまう。
なんの歯ごたえもない。

中盤からは学園でのネタが切れたのか、学園の外に出て
各地の魔族やら悪い領主やらを退治するストーリーになるが、
それが特に面白いわけでもない。
話の起伏もなければ強い盛り上がりがあるわけでもない。
無味無臭のストーリーが淡々と続く。

苦戦

終盤でやばい魔族が封印から目覚める。
主人公でも命をとして戦わないといけないほどの強敵だ。
ようやく歯ごたえのある戦闘が描かれ、主人公は死ぬ。
そうかと思いきや前世の自分が作っていた魔剣の力で復活し、
パワーアップして大勝利だ。

一体何を見せられたんだろうか(苦笑)
話自体は1クールで区切りがついており、俺たちの戦いはこれからだで
まとまっているものの、
作品全体として面白みに欠ける作品だった。

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総評:頼むから首を攻撃してくれないか?

全体的にみてなろう作品を題材にしたゲームのRTAをみてる気分になる作品だ。
1話からカットの嵐で本来ならば説明しなければならない部分を説明しておらず、
主人公の転生の理由や、転生後の両親など導入部分が描かれないことで
1話の怒涛のテンポと相まって拒否感が生まれやすい。

それ以外でも主人公の説明セリフの多さは凄まじく、
一体誰に向けて心のなかで喋ってるんだと言いたく鳴るほど、
1~100までありとあらゆることを長いセリフで説明してくれるが、
わざわざ説明したのに、説明した意味がない物もある。

特に「魔族の弱点はクビ」という設定はすっかりわすれているようだ。
魔物こそ首を切り落として倒していたが、
魔族の首を攻撃してるシーンはない。
進撃の巨人あたりをみて思いついた設定なのかもしれないが、
そもそもの設定を使いこなせていない。

安易なハーレム要素がないというのはこの作品の利点ではある。
ヒロインのキャラデザ自体は既視感はあり、
ちょろすぎるメインヒロインのちょろさは気になるものの、
主人公もメインヒロインもお互い一途であり、
そのあたりの嫌悪感が生まれないのはこの作品の良さかもしれない。

作品全体の異様なまでのテンポの良さもある種のジャンク的な
面白さを生み出している部分もあり、
序盤の大胆な原作カットやこのサクサクなストーリー構成も
この作品においては正解だったのかもしれない。
もし、普通のアニメと同じようなテンポでやっていたら見ていられなかった。

戦闘シーンに関してのクォリティは恐ろしく低く、
基本的にはエフェクトだよりだ。
作画崩壊こそしていないものの、作画は全体的に悪く、
制作側も色々と割り切った作りをしているように感じる作品だった。

個人的な感想:勢いだけ…

この作品は勢いだけはある。
この勢いは1話こそカットの嵐で気になるのだが、
2話以降はこの勢いがあるからこそ作品がなりっていることを感じてしまう。

最近ではなろう系作品も中国で飽きられ始めていると
聞いているが、この作品を見るとその気持ちもわかってきてしまう作品だった

「失格紋の最強賢者」は面白い?つまらない?

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