「おちこぼれフルーツタルト」レビュー

4.0
日常
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評価 ★★★★☆(62点) 全12話

あらすじ ラットプロダクションの第4寮(通称「ネズミ荘」)には売れない芸能人の女の子たち、元子役の関野ロコ、ミュージシャンの貫井はゆ、モデルの前原仁菜が集まり、共同生活を送っていた。引用- Wikipedia

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日常アニメ?アイドルアニメ?いや…変態だーっ!

原作は『まんがタイムきららキャラット』で連載中の漫画作品。
監督は川口敬一郎、制作はfeel.

安心感

1話の冒頭の始まりはベタ中のベタだ。
主人公である「桜 衣乃」が田舎から東京へ上京する。
モノローグで自らの経緯を語る「はじまり」は
この手の日常アニメではありがちともいえる展開だ。

だが、それが同時に心地よさを生んでいる。
ベタかつ王道な始まりは、多くの作品で使われる手法だからこその
「安心感」があり、そんな王道からどんな物語を見せてくれるのか。
自ずと期待感を生んでくれる。

カラフルかつビビットな背景の演出は、
この作品の明るさを表しており、
一人ひとりが自己紹介するたびにキャラの相性に背景もきちんと変わる。
いわゆる日常系アニメではあるもののコミカルな演出と
可愛らしくギャグタッチなキャラ描写がすんなりとこの作品の世界観を楽しまさせてくれる。

だが、そんな王道もある種の演出だ。
「憧れ」を持って東京に来たはずの主人公はアイドルになることを夢見ていた。
しかし、そんな憧れとは裏腹に東京は東京でも
「東小金井」だ(笑)
確かに東京ではあるもののTHE東京という感じではない。

しかも、彼女が入る寮に住んでいる同じ芸能事務所に所属する
女の子は頭に「売れない」がつく芸能人だ。
売れない元子役、売れないミュージシャン、売れないモデル。
夢も希望もそこにはない。
そんな売れない先輩たちと主人公が出会うところから物語が始まる。

危機

この作品は日常アニメではあるもののアイドルアニメとしての側面がある。
売れない芸能人ばかりが住まう寮は取り壊し寸前だ。
そんな寮の取り壊しを防ぐためにも、彼女たちは
「フルーツタルト」というアイドルを組み活動していく。

きららアニメといえば「ごちうさ」や「ひだまりスケッチ」を筆頭に、
記憶に残るキャッチーなOPが多い。
そんなきらら系アニメの系譜を引く継ぐように
この作品もかなりキャッチーなOPだ。

やや中毒になるOPを流すタイミングもバッチシだ。
「おちこぼれ系アイドル、私達フルーツタルトです!」
そんな台詞から始まるOPは中毒性に満ちており、クセになる。

おちこぼれな彼女たちが、おちこぼれなりにアイドル活動を頑張る。
1話できちんと話の方向性を示しており、
「東小金井」という場所で彼女たちがどんな風に成長していくか、
シンプルに期待感を煽ってくれる。

きらら系ではないものの、どこか「ろこどる」を思いこさせてくれる。

おや…?

1話では出会い、グループを結成し、
2話では曲作りをし、3話ではライブをする。
ストーリー的にはこの手のアイドルものとしてはベタともいえる。
ただし、そんなベタな裏で展開される日常描写に徐々に
「違和感」を感じ始める。

1話では4人のメインキャラのうちの一人の「胸」が
溢れるくらいの描写だ。
しかし2話では「百合」を匂わせる描写があり、
3話ではノースリーブや、スク水、尿意を我慢するなど、
話が進めば進むほどいわゆる「セクシー要素」がどんどんと強まっていく。

女性キャラクターの「胸」の描き方もかなり
フェチズムを感じる描写になっており、
そんなセクシー要素が徐々に顔を出し始める。

1話こそまだ「きらら」っぽい可愛らしい世界観だが、
2話以降はどんどんとキャラクターたちが己の欲望という名の
変態性を爆発させていく。
主人公は「女の子好き」も2話以降は爆発しており、
4話に慣れば「学校中の女の子と仲良くなりたい」と言い放つ始末だ。

他にもみられて興奮するキャラや、ストーカー系女子など、
「きらら系とは…?」となるようなキャラクターたちばかりだ(笑)

手書き

そんなキャラクターたちの変態性を描きつつも、
この作品は「アイドルアニメ」であることも忘れていない。
3話のライブシーン、驚くことに手書きだ。

最近のアイドルアニメのライブシーンは3DCGが使われることが多い。
複雑な振り付け、多人数を動かす場合は、
作画コスト的にもクォリティ的にも3DCG描くほうが利点が多いからだ。
しかし、この作品は「手書き」を貫いている。

止め絵はありつつも、きちんと一人ひとりが歌い踊る。
歌詞に合わせた振り付けは可愛らしく、
シンプルなダンスではあるものの、一人ひとりの可愛らしさを感じさせ、
「フルーツタルト」というアイドルグループらしいライブシーンになっている。

制作側の愛を感じるライブシーンだ。
あえてCGを使わない、手書きだからこそ彼女たち「フルーツタルト」の
良さが出るんだと言わんばかりのライブシーンには
こだわりを感じてしまう。

ファン

アイドルとはファンがあってこその存在だ。
誰も見てもらえなければアイドルで居る意味もない、
「ファン」という存在がアイドルをアイドルたらしめていると言ってもいい。

1話の段階では彼女たちにはファンは居ない。
だが、2話になればビラ配りをしていた彼女たちのビラを受け取った
街の人達が、3話になればアイドル見習いの子が、
4話になればクラスメイトが彼女たちのファンになってくれる。

1話では彼女たちの4人のうち3人は別にアイドルになりたかったわけではなかった。
あくまでもお金のない弱小事務所の寮を存続させるためだ。
だが、2話になり、3話になり、4話になり、
ファンが増えていくことで彼女たち自身が「アイドル」として自覚し、
アイドルになっていく。

彼女たちだけでなく他事務所のアイドルたちも出てくることで
話も賑やかになり、そんな他事務所のアイドルたちの
ライブシーンもしっかりと見せている。

変態だー!

アイドルとしての実力と知名度が上がっていくうちに、
彼女たちの変態性も上がっていく(笑)
誰か止める人は居ないのかと思うほど彼女たちの変態性が
どんどんと明らかになっていく。

この作品には明確なツッコミ役が存在しない。
あえていうなら「関野 ロコ」がツッコミ役ではあるものの、
彼女も巨乳好きという側面があり変態である。
ちょっとやそっとの巨乳では納得できず、
とてもおおきな「胸」でないと認めない。

まともだと思っていたキャラでさえ「匂いフェチ」だったり、
さりげなく変態性が明らかになっていき、
やばいやつらしかいない(笑)

メインキャラではないサブキャラでさえ、なにかしらの
変態性を帯びており、
日常アニメとアイドルアニメの皮をかぶった
変態アニメといったほうがこの作品にはふさわしいかもしれない。

普通のアイドルアニメならアイドルの「トイレシーン」を
1回くらいは描くことはあるかもしれない、
しかし、この作品は2回どころか、3回もある。
しかも野外でのトイレも有る。
もう、とんでもないアニメである(笑)

そんな中で当然、ライブシーンも描かれる。
ライブはぬるぬると動き、ノースリーブな衣装でのダンスは非常に可愛らしい。
だが同時にキャラの一人は主人公に「熱い思い」をたぎらせている。
どんなアイドルアニメなんだと言いたくなるが、これこそが
おちこぼれフルーツタルトなのだろう。

アイドルだ

彼女たちの変態性が極まっていく中でアイドル性も高まっていく。
サインを考え、コール&レスポンスまで考えるようになる。
どうすればもっとライブが盛り上がるのか、
どうすればファンが増えるのか。
どうすればもっとCDが売れるのか。

頻繁にトイレシーンが挟まるアニメとは思えないほど、
丁寧に「アイドル」というものを描いており、
「おちこぼれ」な彼女たちが真剣にアイドルとして活動していく中で、
彼女たち一人ひとりにきちんと愛着を持てる。

アイドル活動において最初から深夜の5分番組とはいえ
テレビ番組に出ていたり、そんなテレビ番組のスポンサーが降りても
メインキャラの一人の母親がスポンサーになってくれたりと
ややご都合主義な部分はあるものの、
この作品の軽いノリの中ではそこは余り気にならない。

終盤ではアイドルたちの「ソシャゲ」や「クラウドファンディング」に
参入したりと、他のアイドルアニメではみたこともない要素が合ったりと、
この作品だからこその要素や展開があり、飽きさせない。

王道の要素は抑えつつも、キャラたちのピーキーな変態性や、
突飛な展開やトイレシーンの多さなどで、
日常アニメにありがちな惰性感が生まれにくくなっている。

きれいに?

終盤では新キャラも追加されるが、
見た目は完全にロリな幼女だが声は「堀江由衣」である(笑)
ある意味、このキャスティングにすら変態性を感じてしまう、
さすがはこの作品を手掛けた制作だと感じるキャスティングだ。

終盤には他のアイドルとのバトル的要素はあるものの、
シリアスな展開には一切ならない。
あくまでもこの作品らしく、「フルーツタルト」という作品らしく、
最後の最後までギャグまみれ、セクシーシーンまみれ、萌えまみれだ。

そして最後のライブだ。
ブロ子の歌からの他のアイドルの曲で終わる(笑)
この作品を見ていない人にとっては意味不明かもしれないが、
この作品はそういう作品である。

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総評:健全なアニメです(大嘘)

全体的にみて1度みたら強烈に印章に残る作品だ。
1話の段階では「きらら系」らしい日常とアイドルアニメっぽさを
出してはいるものの、2話以降からこの作品の本性が顔を出し始め、
中盤になるともはや変態しか居ない(笑)

このピーキーなキャラクター設定と、ど下ネタとまではいかないものの、
下ネタは人によっては好みが分かれる要素ではある。
セクシーなシーンも多く、きらら系萌えアニメにありがちな
「あざとさ」を感じるキャラクター描写も多い。

しかし、そういったピーキーなキャラ設定と下ネタと
セクシーシーンと萌えの要素を振り切ってやっているからこそ、
変な「いやらしさ」や嫌悪感は感じづらく、
うまくこの要素を「ギャグ」として活かしている作品だ。

そういった好みの分かれる要素はありつつも、
アイドルアニメとしてはしっかりとしており、
「東小金井」に住むおちこぼれな彼女たちがアイドルになっていく
ストーリーを丁寧に描いている作品だ。

特にライブシーンは手書きで描かれていることもあり、
ぬるぬると動く彼女たち一人ひとりの動きに思わず目を奪われる。
もっとも歌っている曲がカレーの歌だったりブロ子の歌だったり、
歌ってる最中もキャラの変態性を見せつけてはいるが(笑)
それもこの作品の魅力だ。

ストーリー的には私達のアイドルはこれからだで終わっているものの、
基本的には日常ギャグだからこそ余り気にならず、
もっと続きが見たい、いつか2期がみたいと感じさせてくれる作品だった。

個人的な感想:カレーのうた

構成している要素が要素なだけに好みは分かれそうな作品だが、
制作側もそれをわかって割り切った作りにしている感じが強く、
3回もあるトイレシーンや衣装のこだわり、
毎話変わるオープニングの演出など、作りて側の
この作品に対する愛情を深く感じられる作品だ。

私は見た直後だが、カレーのあの歌が頭から離れない…
謎に中毒性のある曲が多く、見終わった後に
まるで洗脳されたかのごとく「フルーツタルト」を好きになっている
ヤバい作品…かもしれない。

「おちこぼれフルーツタルト」は面白い?つまらない?

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