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「ミイラの飼い方」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(17点) 全12話

あらすじ ある日、男子高校生・柏木空の元に、父モクレンから大きな荷物が届く。そこに入っていたのは、手乗りサイズの小さなミイラ。引用- Wikipedia

子供向けアニメは朝か夕方に。

原作はcomicoで連載中の漫画作品。
監督はかおり、制作はエイトビット
ちなみに原作は2018年5月現在、171話まで続いてる。
なかなかの長期連載の作品であり、根強い人気がある作品のようだ。

見出して感じるのは古臭いキャラクターデザインだろう。
髪型や髪の色など10年くらい前のアニメのキャラクターっぽく。
デザインと男女のキャラバランスを考えればどちらかといえば「女性向け」な
ことを感じさせるキャラクターだ。
だからこそ女性キャラに関しては適当なのか、分度器と定規で
そろえたかのような斜めにぱっつんと切られた髪型は悪い意味で印象に残る。

1話の冒頭はかなり退屈だ。
主人公が淡々と家事をし朝飯を食べる姿が描かれる。
コレのどこに面白みがあるのか、なぜ描く必要があるのか。
これで主人公が一人暮らしで寂しそうにしているとかならばまだ分かるが、
母はなくなっており、父親は仕事で海外だが、
叔母とは同居しており別に寂しそうとかそういう感じではない。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

1クールのアニメの1話冒頭というある意味で最も重用な部分で、
こんな地味かつ何のインパクトもなく面白みもないシーンに
時間を割く理由が分からない、甚だ疑問である。
だが見続けてると1話冒頭の地味さがの意味がよく分かる、
そもそも1話冒頭だけでなく、この作品は全体的に地味だ。

この作品はいわゆるマスコットキャラとの日常生活だ。
「ぽてまよ」や「侵略!イカ娘」といった未知の生物と主人公たちとの暮らしや
日常生活を描いており、タイトル通り、主人公は「ミイラ」を飼う事になる。
しかし、このミイラが問題だ。

多くの人が存在するおどろおどろしい「ミイラ」とは違い、
この作品のミイラは手のひらサイズの全身包帯で包まれた可愛い生物であり、
ミイラ感が薄い。本来、ミイラは干からびた死体だが、肌は一切見えない。
どちらかといえば定義的には「マミー」とよんだほうが
見ていない人には伝わりやすい外見だ。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

可愛さが優先しており、ミイラとしての本質や設定の描写は殆ど無い。
ワンと泣いたり、名前を認識し、一定の知能と意思があり、
食べ物の好みはあるものの人間の血を飲んだり、食べたりはしない。
正直、「どの当たりがミイラなんだ?」とツッコミたくなるほど
ミイラ感が薄く、タイトルで想像できるようなミイラ感はなく肩透かしだ。

他にも色々なマスコット的キャラが出る。
鬼だったり、ドラゴンだったり、バクだったり
いわゆる「空想の生物」がミニサイズで現れるのだが統一性はない。
そんなマスコットキャラたちと人間たちの日常が淡々と描かれる。

はっきりいって退屈だ。
1話あたり30分構成の作品ではあるが、
複数エピソード構成になってるわけではない。
淡々としたテンポで特に盛り上がらない日常と笑えないギャグと
マスコットキャラたちの生態がフワーッと描かれる。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

正直ターゲット層を間違えているだろう。
これが深夜アニメではなく、夕方や朝、
もしくは「おはすた」の中でやっていたミニアニメならば
子供向けアニメとしての評価はできたかもしれない。

実際、架空の生物のミイラや子鬼は可愛らしい行動が多く、
「とっとこハム太郎」的なアニメが好きな小学生女子ならば楽しめるだろう。
しかし、少なくとも深夜アニメとしては作品の内容が稚拙であり、
テンポも遅いため大人が見れば飽きる。
なぜ深夜アニメとして放送してしまったのか疑問だ。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

さらに言えばOPとEDのやる気の無さ。
キャッチーさの欠片もない曲でよくわからないアイドルが
OPとEDで歌っているのだが、全然印象に残らない。
タイアップで関係性のないアイドルを起用してる所でお察しだが。

特にEDは歌に合わせてキャラクターが踊っているのだが、
ヤル気の欠片もない踊りは「コナンのパラパラ」を思いおこさせるほどだ。
とりあえず踊らせてみました感あふれるEDはある意味で
シュールさを感じさせるのだが、シュールさの前に適当さが全面に出てしまっている。

ストーリー的にもほとんどほのぼの日常ストーリーだが、
終盤だけなぜかシリアス展開になる。
架空の生物たちを狙っている組織か人物がいるのは分かるのだが、
終盤でとってつけたようにシリアス要素をたされても微妙なだけで、
なんだかなーという感じで終わってしまった。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

総評

全体的に見て1話でキャラクターを気に入らなければ楽しめない作品だ。
可愛らしいマスコットキャラとの日常生活という、
ありきたりかつ使い古されたシチュエーションでありながら、
そのマスコットの「ミイラ」がミイラである必要性が薄く、
設定や世界観の練り込み不足をひしひしと感じる。

「ミイラ」であるみーくんや、主人公などのキャラクターを
可愛いと思えればほっこりと楽しめる部分もあるのだが、
このキャラクターが琴線に触れなければ毒にも薬にもならない。

この作品の世界観のキャラはどうにも
「不思議な生物」をあっさりと自然に受け入れすぎており、
珍しい動物くらいにしか受け止めていない。
ミイラが現れようと、小鬼が現れようと、ドラゴンが現れようと、
拾ってきた子猫間隔で飼いはじめてしまうため、
物語の盛り上がりとして薄い。

ギャグに関しても大げさにすることで笑いにしようとしてるのは分かるのだが、
主人公が風邪を引いたらガスマスクでお見舞いに来る友人だったりと、
過剰にしすぎるうえにツッコミが弱くギャグになりきれていない事も多く。
子供だったら笑えるかもしれないが大人だとクスリともこないギャグばかりだ。

深夜アニメではなく小学生が見れる時間帯のアニメとして放映されるなら、
評価も少しは違ったかもしれないが、なぜ深夜アニメとして
放送したのかまるで理解できない作品だった。


引用元:©空木かける・comico/ミイラの飼い方製作委員会

個人的な感想

個人的にはcomico作品のアニメは割とダークホース的に面白い作品が多く、
この作品にも期待していたのだが、とんだ期待はずれだった。
原作はゾンビたちを狙う組織とのシリアスストーリーももっと展開しているようで、
もしかしたらこの先から面白くなるのかもしれないが・・・

売り上げ的には1000枚前後と微妙な売り上げ。
あまり予算がかかってなさそうな作画やタイアップの多さを考えれば、
原作の売り上げの伸び次第で2期があるのかもしれないが、
2期があっても見ないかもしれない。

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