ARIAにもたまゆらにもなれなかった「あまんちゅ!」レビュー

評価★★☆☆☆(32点)全12話
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あらすじ 東京から伊豆に引っ越してきた大木 双葉であったが東京時代の友人のメールの返事が来なくて空虚感に打たれた表現をしていた中で、伊豆の海岸で小日向 きのと遭遇し、海の魅力を紹介する。そして、伊豆の学校に入学するものの、偶然孫の小日向 光とクラスメイトになり、お互いの不器用さに惹かれた点もあり彼女に巻き込まれる事となる引用 – Wikipedia


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ARIAにもたまゆらにもなれなかった

原作はARIAでおなじみの天野こずえによる漫画作品。
監督はARIA、たまゆらなどでおなじみの佐藤順一、
制作はJ.C.STAFF。

見出して感じるのは掴みどころの無さだろう。
1話冒頭のシーンというのは1クールアニメにおいては重要なのだが、
この作品における1話はインパクトが薄い。
その後に流れるOPも坂本真綾さんが歌っているがキャッチーな曲ではなく、
どうにも印象の薄さが拭えない。

ストーリー展開も非常に遅い。
都会から田舎に引っ越してきた「てこ」が、
スキューバダイビングが好きな「ぴかり」と出会うことで
変わっていくというストーリーではあるのだが、
そもそものスキューバダイビングの要素が薄い。

なにせ「てこ」がスキューバダイビング部に入って海に潜るのはほぼ最終話だ。
日常アニメの場合、ストーリー展開の遅さやテンポの悪さはつきまとうものだが、
この作品の場合はあまりにもストーリー展開が遅い。

特に中盤以降はダイビング部の要素が薄くなる。
キャラクターたちの日常生活や内面描写が多いのだが、
この内面描写がキャラクターたちの「ポエム」で綴られることが多く、
かなり気恥ずかしい上、長い。

これでキャラクターに感情移入できればポエム要素を受け入れることが
できるかもしれないが、この作品のキャラクターは日常アニメにしては
少々、受け入れがたいキャラクターが多い。

主人公である「ぴかり」は天真爛漫な元気いっぱい少女的キャラだが、
「うぴょー」という口癖やデフォルメされた顔の描写のせいで、
ややぶっ飛んだキャラ描写になってしまっており、
言動や行動もかなり突飛でお世辞にも可愛いと言えるキャラではなく、
受け入れがたい主人公だ。

もう一人の主人公である「ぴかり」もめんどくさい。
都会でできた初めての友達と別れて
田舎に引っ越してしまい寂しいと言うのはわかるのだが、
物語の後半で携帯の写真を消す消さないでうじうじしたり、
ダイビング部としての活動がなかなか描かれない原因だったりと、
めんどくさいキャラだ。

他のキャラクターも暴力的な女性キャラクターや、
それを甘んじて受け入れるキャラと
どうにも素直に「好感の持てるキャラ」というのが存在せず、
日常アニメなのにキャラクターに感情移入したり可愛いとは思えない部分が多い。

佐藤順一監督が手がけてるだけに「癒やし」の雰囲気や町並みの描写、
BGMなどで作品の空気感は素晴らしいのだが、
その空気感の中で描かれるストーリーの「面白さ」というのが
いまいち見ている側の中で明確になりきれず、
最初から最後まで「ふわーっと」した何かがあるだけに思えてしまう。


全体的に見て非常に好みの分かれる作品だ。
この作品の空気感とキャラクターを気に入れば最後まで見ることができるが、
逆にキャラクターを受け入れきれないと「ポエム」に気恥ずかし差を感じてしまい、
キャラクターの心理描写が面白とは思えず、
テンポの悪いストーリーを楽しみきれない。

だが、決してつまらないというわけではない。
1話から最終話まではっきりと「面白い!」と感じられる部分が薄く、
あまりにも丁寧に綺麗にじっくりと魅せすぎてしまっているせいで、
その面白さが薄まってしまっている。

ストーリー的にもこれからダイビング部として本格的に活動するぞ!
と言うところで終わってしまっており、
これから面白くなりそうな感じはある。
その期待感はあるのだが、期待感だけで終わってしまったような作品だ。

個人的には作品の雰囲気やストーリーの流れ自体は嫌いじゃなかったが、
どうにも「てこ」と「ぴかり」を受け入れきれなかった。
ポエムセリフも一人だけが固定して心理描写として組み込まれているならば
受け入れられたのだが、後半で「お前もか!」と思ってしまうほど
メインキャラのほぼ全てがポエマーだったのはややきついものがあった。

売上的には2500枚前後とやや厳し目。
2期があるならば逆に2クールくらいで描いたほうが
この作品には合っているかもしれない。