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「其れ、則ちスケッチ。」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(13点) 全82分

【#1】其れ、則ちスケッチ。「やってみない?」

あらすじ お笑い好きのハジメとチヅルはSNSで知り合い、旅行に出かけるが、無人島で遭難してしまう。2人は島をめぐりつつ、記録としてコント動画を撮り始める引用- Wikipedia

きつい…

本作品はWebアニメオリジナル作品。
地上波でも全6話(1話30分ほど)の形で放送された。
構成演出はgdgd妖精sでおなじみの構成・演出 – 石ダテコー太郎、
制作は テコメノY

弔い

この作品は制作に至るまでの経緯がやや特殊だ。
「フォークダンスDE成子坂」というお笑いコンビがかつて存在したものの、
現在は解散し、両名とも逝去している。

そんなお笑いコンビが元々交流のあったスタッフと、
「自分たちのネタやアイデアをアニメキャラクターに演じさせたい」と
語っていたことからこの作品の企画が動き出し、
彼らのコントをアニメと言うかたちで色あせないものにするために制作されたようだ。

一言で言えば故人への弔いだ。
両名とも男性だったが、あえてアニメでは女性キャラに変更し、
更には「無人島」に遭難したというシチュエーションから物語は始まる。

VTuber?

1話からどこか「VTuber」の動画を見ているような感じだ。
3DCGで描かれている吉崎観音のキャラデザによる二人の少女が
Vlogを撮るような形で映し出されている。

とてもじゃないが遭難したとは思えないほど気楽だ。
本来なら帰れるかどうかの不安などがありそうなものなのだが、
底抜けに明るく、服も綺麗なままだ。
背景を実写にしたり、スマホでの撮影のような縦画面になったりと、
演出としては面白いのだが、無人島に遭難したとは思えないほどの
キャラクターの明るさに違和感が凄まじい。

しかも、やることがコントだ。この状況でやることではない。
船が来た時の練習をしようといいながら、
「歯医者の予約」の心配をしだしたかとおもえば、
コント「歯医者」が始まる。

非常に厳しい。
ギャグに関しては個人の好き嫌いがあるものの、
お笑い芸人さんがやっていたネタをそのまま声優2人にやらせても、
本来の「ネタ」の面白さが全く伝わってこない。

特に「3DCG」で描かれてしまっているせいで「表情」が
ワンパターンになってしまっているのも致命的だ。
動き自体は声優さんたちをモーションキャプチャーして取り込んでいるようだが、
モーションキャプチャーだからこその「動き」の面白さがあるわけでもない。

昨今のVTuberのほうがよっぽど動くし、よっぽど表情も変わる。
そう感じてしまうほどワンパターンな表情と動きのつまらなさが、
「コント」自体の面白さを素直に感じさせてくれない。
学園祭あたりで学生が有名な芸人のネタをそのままやっているのを
見せられているようなそんな「薄ら寒さ」が常に流れてる。

ただの真似、模倣でしかない。

世界観

世界観というか舞台は不思議な雰囲気を漂わせている。
彼女たちが遭難した場所は無人島ではあるものの、
電気がまだ通っている場所があったり、温泉が入れる施設があったり、
無人島ではあるものの、最近まで人が居たような痕跡すらある。
しかし、船は通らず、誰もいない。

彼女たち自身が「もしかしたら、ここは死後の世界なのかもしれない」と
言い放つように、夏なのに桜が咲いていたりもする。
未来の日付の「新聞」があったりと不思議な雰囲気が全開であり、
どこかSFチックな要素だ。しかし、それが解明されることはない。

あくまでも舞台なだけで、この作品でやりたいことはコントだ。
熱を出そうが、どんな状況だろうと彼女たちはコントをする。
ことごとくつまらないコントを。

たまにクスッと笑いかけるものもあるものの、
シュールなものもあり、11話のネタなど「どういうこと…?」と
よくボケもツッコミもわからないものまである。

結局、無人島の謎もわからぬまま、彼女たちが助からぬまま終わってしまう。

総評:学園祭レベル

全体的にみて色々ときつい作品だ。
キャラクターデザインこそ可愛いものの、おそらくは大学生くらいな
年齢なことは会話からわかるのだが、
とれもじゃないが大学生には見えないデザインであり、
アニメーションとしてのクォリティも低い。

スマホで撮影したような映像、実写背景合成、縦アングルなど、
映像的には色々と挑戦しているものの、
キャラクターの表情のパターンの少なさ、動きのぎこちなさもあり、
アニメーションとして飲みごたえはほぼ無い。

そんなクォリティの中で描かれるコントも厳しいものがある。
「フォークダンスDE成子坂」のネタをやっているのはわかるが、
ただの真似でしかない。
声優さんたちが必死に練習したんだろうなと言うことはわかるのだが、
これならば実写で声優さんがやったほうがまだ面白さが伝わったのでは?と
思う部分すらある。

簡単に言えば学園祭で学生が有名なお笑いコンビのマネをして
コントをやっているのを1クール見せられるような感覚だ。
ギャグに関しては合う合わないがあるものの、
それを踏まえても色々と厳しい部分が多く、
投げっぱなしなラストも含めて「なんだったんだ」と思ってしまう作品だった。

個人的な感想:クラウドファンディング…

この作品も制作前にクラウドファンディングが行われたようだが、
目標額に至っておらず、そういう作品はたいてい微妙な作品になりやすい。
この作品もそんな数あるクラウドファンディング作品の類にもれず、
微妙な作品になってしまっている。

公式のYouTubeチャンネルで全話無料で公開されているが、
どれもこれも4000再生前後だ。
かなり企画倒れに終わってしまっている感じが強く、
色々と挑戦的なことをしているのはわかるものの、
そのすべてがうまく噛み合わなかったと感じてしまう作品だった

「其れ、則ちスケッチ。」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください

  1. 吐瀉物 より:

    地上波版一話見たけどWEB版のデッドコピーを水で薄めてかさ増ししたみたいな感じだった
    WEB版の内容についてはクラファンがうまくいかなかったようだから仕方ないとして
    少なくとも地上波版は30分枠でやるような代物じゃない
    特に亀の像にインタビュー(笑)する漫才はまるで人身事故を見ているようで何とも言えない
    これだったらペンキが乾く様子を見る方が何倍も面白い。

    P.S.某獣2の時も思ったけど、吉崎観音のキャラデザと3Dの相性は悪い、ていうか可愛くない。

  2. 匿名 より:

    あまりの低クオリティと意味不明さにフォークダンスDE成子坂ファンにも完全にそっぽ向かれたアニメ未満の何か
    近年著しく評価を落としている吉崎観音の名前を前面に出しているところから本来やりたかったのは氏お得意のSFパートで弔いだのコントの保存だのは資金集めのための建前だったのではと思える、本気でコントを後世に残すためならお笑いとは無縁の新人声優など使わないだろう
    まあそのSFパートも低クオリティかつ意味不明で何も面白くなかったのだが
    前にどっかでデジタル墓荒らしというあだ名がつけられてるのを見ましたが的確な表現かと、死人はどんな低クオリティでも名前だけ利用されててもクレームいれてこないもんね