「ポプテピピック」レビュー

評価 ★★★☆☆(51点) 全12話

あらすじ どうあがいても、クソ。引用- Wikipedia

安易にクソアニメと決めつけたくない

原作はまんがライフWINで連載中の4コマ漫画。
制作は神風動画。

見出して感じるのは・・・なんだろうか(笑)
偽のOPから始まり、ポプ子が現れ、ポプテピピックが始まる。
1話の前半でポプ子を演じるのは「江原正士」、
ピピ美を演じているのは「大塚芳忠」。

この時点で既におかしい。
名前の通り、ポプ子とピピ美は女の子のキャラであり、
演じているのは実力派男性声優、しぶいおじさま声だ(笑)
ポプ子とピピ美の荒唐無稽かつ脈絡のないエピソードが描かれるのだが、
声の渋さのせいで内容が頭に入って来ない。

大量のパロディが各エピソードに詰め込まれているのは分かるが、
元ネタを頭が認識する前に次の話に切り替わる。
「面白いのか?面白くないのか?」と頭が判断する前に、
次のネタが強制的に頭に叩き込まれるような感覚だ。


引用元:© 大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

唐突に実写が挟まれたり、唐突に外国語になったり、
唐突に作風が変わったり、展開に脈絡というものがまるで無い。
一言で言えば「カオス」だ。

更にこの作品は1話が前半と後半で別れている。
ちなみに「内容」は前半と後半でほぼ同じだ。
「何の意味が?」と思う人もいるだろう、唯一違う点は声優が違う点だ。
1話の前半は 江原正士、大塚芳忠だが、
後半は三ツ矢雄二、日髙のり子になる(笑)

声優が違うことでセリフの演じ方も変わり、
カオスな作品だからこそ同じ内容でも声優が変わっただけなのに
印象がかなり変わる、そして、毎話声優が変わる。
この作品で唯一はっきりと分かるのは、大御所声優の凄さだ。

特に男性声優の「声質」と「アドリブ力」と「演技力」は凄まじく、
女性声優が演じた前半は笑えなかったのに後半で男性声優が
クセたっぷりに同じセリフを喋るだけで爆笑してしまう。


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

ただ、良くも悪くも声優だよりだ。
序盤こそ大御所声優であることによるインパクトと面白さがあったが、
中盤くらいから中堅声優になってしまう。
もちろん実力派の声優さんばかりではあるものの、
序盤の大御所声優と比べるとどうしてもインパクト不足なってしまっている。

内容が荒唐無稽かつぶっとんでいるだけに、
声優さんによる演技の味付けが合って初めて笑いにつながってるときも多く、
ある意味で反則だ。
「今日も1日頑張るぞい」というセリフをフリーザ様に言わせるのは、
反則以外の何物でもないだろう。

だが、これで笑えるのは私がドラゴンボールをいう作品を知っているからだ。
その他にもシティハンター、クレヨンしんちゃんなどを見ていて、
出ている声優さんの声とキャラクターを知っているからこそ笑える。
そういった「前提」になっている要素が多く、パロディに関しても君の名は、
NEWGAMESなど知っていないと笑えない部分も多いだろう。


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

そういった視聴者のアニメにおける経験値のようなものを前提をしており、
普段アニメを見ていない人に唐突にこの作品を見せても何のこっちゃである。
「2018年」の「今」だからこそ笑えるが、
これが10年や20年あとにもう1度この作品を見たときに同じように笑えるか?
と考えると難しいだろう。
アニメを見てきた私達が、今だからこそ笑える作品だ。

作中、視聴者、制作側までも「クソアニメ」と呼ぶこの作品だが、
私は安易にこの作品をクソアニメと呼びたくない。
一歩間違えば全く笑えない内容を声優による味付けを2度変えて行うことで、
同じ話なのに全く違う「印象」を味わえる。

他のアニメでこんな事が許されるだろうか?
お遊び回のような話でキャラをシャッフルして演じる事はたまにあるが、
ほとんど同じ内容の話を違う声優でやるという手法はこの作品だけだ。
そして、それが許されるのはこの作品の内容がカオスだからであり、
この作品だからこそ許される手法だ。


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

来週は誰が出るんだろうか?もしかしたらあの人が出るかもしれない。
その期待感が裏切られるときもあれば、
期待を超えるような大御所が出ることもある。
そういった視聴者の「期待感」すらも作品の要素と組み込んでいる。

まだ見ていない方は、見るなら今だろう。
この作品を1年後や2年後に見ても面白くない。
正直、レビュー段階でも遅いくらいだ。
Twitterなどで実況すればより楽しめたはずだ。
そういったソーシャルメディアなどの
コミュニティすらもこの作品は組み込んでいるのかもしれない。


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

総評

全体的に見て今だからこそ楽しめる作品だ。
君の名はから金田一少年の事件簿のパロディまで
ありとあらゆるパロディを入れつつ、脈絡のないストーリー展開と
怒涛のテンポのおかげで畳み掛けるように話を見せられる。
その内容が面白いかどうかは判断しかねる。

だが、その「面白いかどうか」判断しきれない内容を
女性声優にまずは演じさせ、同じ内容をもう1度男性声優たちに演じさせる。
同じような内容、同じようなセリフだが「声優による味付け」による違いにより、
笑えるポイントが変わり、その違いが面白さになっている。

しかし、これはあくまでも「声優」さんたちを知っているからだ。
中尾隆聖、若本規夫のセルとフリーザコンビ、
玄田哲章、神谷明の海坊主と冴羽獠コンビなどの声優さん達が出ていた
作品を見たことがあり、聞いたことがあるからこそ笑えてしまう。
大御所声優すらも一種のパロディとして使ってる要素すらある。


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

パロディネタや声優さん達が「分かる」からこそ笑える。
分からなければ荒唐無稽かつカオスな内容に困惑するだけで、
面白いか面白くないかどうか以前の問題だろう。

だが、決してこの作品は駄作ではない。
この作品だからこそできる手法で、この作品だからこそできる内容を描き、
パロディ要素は多いのに作品としてはオリジナリティにあふれている。

ただ、色々言ったが、正直買いかぶりかもしれない。
もっとシンプルに純粋な気持ちでこの作品を見れば、
単純に「クソアニメだなーw」と笑い飛ばすだけの作品かもしれない。
色々な「考察」すらできる余韻があり、見る人によって感じ方も違うだろう。
「視聴者」がどういう人でどういう考えを持っているのか、
人によっては考察し、人によってはクソアニメと嘆き、
人によっては面白いのでは?感じてしまう。

この作品は「アニメ」における面白さの本質の
追求がされている作品なのかも・・・しれない(笑)


引用元:©大川ぶくぶ/竹書房・キングレコード

個人的な感想

個人的にはもっと見たかった。
2クールくらいでこの作品をやれば、もっと色々な声優を出せただろう。
Twitterでは某声優がスケジュールの都合が合わなかったことを
嘆いていたりもしており、正直、緒方恵美さんは見たかった(笑)
おそらく彼女の相方なら・・・と想像できるのも
この作品の面白さだろう。

余談だが11話の水樹奈々さんと能登麻美子さん。
能登麻美子さんの起用理由が水樹奈々さんと「仲がいいから」という
理由なのがこの作品で1番笑ってしまったポイントかも知れない(笑)

カオスであり、荒唐無稽な作品ではある。
ただ「クソアニメ」と罵るのにはちょっと違う気もしている。
売り上げ的には6000枚前後と大健闘。
制作側が2期をやらないと断言しているのが残念ではあるが、
やっても誰一人文句を言わないだろう(笑)

3年に1回位の感覚でこの声優パラダイスを見たい所だ。