声優頼りな日本風日常コメディ「兄に付ける薬はない!」レビュー

2017年6月29日

評価★★☆☆☆(25点)全12話

あらすじ 中国での合計閲覧数が5億回を越える人気WEB漫画のアニメ化が決定!バイオレンスな妹が…おバカな兄を殴る蹴る!兄弟愛!恋!グルメ…?全部入りの学園コメディ! 引用 – Wikipedia


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声優頼りな日本風日常コメディ

原作は中国のWeb漫画作品、なんと中国では5億回見られたらしい(笑)
監督はラレコ、制作はイマジニア、ファンワークスと
原作は中国で制作は日本人という中国アニメによくあるパターンだ
1話5分ほどの短編アニメ、各話のタイトルががっつりと中国語だ。

見出して感じるのは濃いキャラデザだろう。
キャラクターの縁を黒い線で囲っており、
この作品のメインキャラである兄と妹のどちらとも黒髪なせいで
やや重いキャラデザだ。

しかし、本作品のアニメーション自体がFLASHアニメでやや動きが固いため、
この濃い縁のキャラデザが生きており、1枚絵の多い本作において、
印象の残りやすいシーンづくりに活かされている。

内容的には日常コメディだ。
イケメンだがダメな男である兄と、気が強く暴力的な妹、
そんな2人の日常が淡々と描かれているような感じだ。
ネタ的によくある組み合わせやギャグシーンが多く、
日本の漫画やアニメの影響を強く受けているのを所々に強く感じる。

そんなベタベタな感じの日常コメディがそれなりに見れるのは
声優さんに頼っている部分が大きいからだろう。
主人公を「中村悠一」、妹を「雨宮天」が演じているおかげで
ダメ兄貴感や暴力妹のキャラクターが非常に立っており、
弱いギャグがきちんとクスクスと笑えるものになっている。

逆を言えば声優頼りな作品だ。
特にヒロインの可愛さとコメディ要素は「雨宮天」さんによる
「この素晴らしい世界に祝福を!」で覚醒したテンションの高い演技に
救われている部分が大きく、
彼女が演じていなければ魅力はあまり感じなかっただろう。

日本のアニメを多く見ていれば「中村悠一」さんの兄キャラは板についており、
そんな兄キャラがお馴染みの彼がダメな兄を演じるというギャップの面白さや、
ダメな兄は「かっこつけた」時の演技の駄目な感じがにじみ出る演技は
さすがとしかいいようがない。

中国アニメといえばえぐい表現の下ネタだったり、
とんでもなくズレたギャグセンスだったり、
日本にはない文化だったり、不安定な作画だったりが特徴でも有るが、
そういった要素はほぼない。
唯一、日本のアニメでは絶対に怒られる6話の
「食べ物を無駄にする」表現が中国アニメらしいとも言えるが(苦笑)

ギャグ要素にしてもいまいち強い笑いにつながっておらず、
もう少し踏み込んだ表現やもう少し過剰なアニメーションがあれば
笑えたかもしれないのに、その一歩手前で踏みとどまってしまうため、
クスクスとした笑いになるかならないかぐらいのレベルになってしまっている。

全体的に見て中国アニメとして見ると物足りない作品だ。
日常コメディとしては声優さんの演技のお陰で楽しめるものになっているが、
アニメーションとしてのギャグアニメらしい動きによる面白さは薄く、
日本のアニメや漫画の色々な要素を取り入れているのは分かるが、
だからこそ中国アニメらしい要素が薄くなってしまい、
もう一歩物足りない作品になってしまっている。

中村悠一さんか雨宮天さん、このどちらかもしくは両方のファンならば
間違いなく楽しめるが、この2人の演技や声を好きでなければ
あまり楽しめない作品だ。それくらい声優頼りになってしまっている。

個人的に私が中国アニメに求めるのは日本のアニメの模倣ではなく、
中国アニメらしい日本のアニメにはないセンスや要素での表現であり、
日本のアニメや漫画の模倣ではつまらない。
名前や各話のタイトルが中国語でなければ中国の漫画が原作と気づきにくいくらい、
ある種、自然に日本のアニメの雰囲気を取り入れているが、
私個人としてはそんなものは中国アニメには求めていない。

この作品がどれくらい原作を再現しているかわからないが、
日本のWebコミック系にも似たような作品にも多くあるような感じの内容だ。
日本ならば有象無象の作品の1つでしかないが、
中国になると5億回の再生数になるのは凄い。
まさにカンナムstyleだ(笑)