さすがお兄様?というよりも、どうせお兄様「劇場版 魔法科高校の劣等生 星を呼ぶ少女」レビュー

評価★★☆☆☆(34点)全90分

あらすじ 季節は過ぎ、もうすぐ二度目の春―。劣等生の兄と、優等生の妹。ふたりの魔法科高校での生活は、その一学年目を終えようとしていた。達也、そして深雪たちは春休みを利用して、小笠原諸島のとある別荘へと休暇に訪れていた。束の間の休息に羽根を伸ばす達也たち。しかし、そんな達也たちの前にひとりの少女“九亜”が現れる。海軍基地から脱走してきたその少女は達也にひとつの願いを告げる―。引用 – Wikipedia


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さすがお兄様?というよりも、どうせお兄様

本作品は魔法科高校の劣等生の映画作品。
監督はTVアニメから変更されており吉田りさこ、
制作もエイトビットに変更されている。
吉田りさこさんは長年演出家をされている方だ。
なお、そういう人がいきなり監督をすると駄作になるジンクスが私の中にはある。

レビュー中にややネタバレが有りますのでネタバレが嫌いな方は
レビューを見ないことをおすすめします。

見出して感じるのは「谷間」だろう(笑)
冒頭から「お兄様」とお馴染みの主要キャラたちが離島でのバカンスを楽しんでおり、
当然、水着姿だ。
女性監督とは思えないほど「ぷるん」と揺れるオッパイ描写のこだわりは、
演出家としてエロシーンの意地を感じる物がある。

特にとあるキャラなどこの作品でずっと谷間出っぱなしである。
水着姿で谷間が見えるのは当然で理解できるのだが
水着姿で無いときですら他のキャラが見えていないのにガッツリ谷間を出している。
お兄様を射止めるための谷間なのかもしれないが、完璧にセクシー要員だ。

水着姿だけではない、今回は割りと話的にはシリアスなのだが
「入浴シーン」まで完備されている。
映画オリジナルキャラの重そうな設定や過去が分かると言うシーンなのに、
ヒロインたちが全員で入浴中なため、正直健全な男子なら
SIRIUSな設定を聞き流しつつ「おっぱい」にしか目が行かないだろう(笑)
ファン向けのOVAなどだと露骨な描写で露骨なシーンが多いことも有るが、
映画なのにもかかわらず露骨なエロシーンが非常に多い、

TVアニメを見た方ならおなじみの深雪による「お兄様の封印解除」のシーン、
今回も封印解除のシーンが有るのだが深雪さんの谷間がガッツリ見えるおまけつきだ。
状況的にシリアスだったり重い雰囲気になりそうなときに、
谷間が見えていたり「全裸」だったりとシリアスな雰囲気とは真逆の
ヒロインたちのアラレもない姿は素晴らしいの一言だ。

キャラクターデザイン的に製作会社が変わって違和感が生まれるかと思ったが、
そういったことはなく、やや顔周りがスッキリした感じの描写になっているが、
顔周りがスッキリした反面でキャラクターの表情はTVアニメよりも
豊かに変化し、お兄様の言葉に恥じらう深雪の細かい表情の変化は
劇場版だからこそのこだわりを感じる細かい描写だ。

ただその反面でストーリーはややゆったりしている。
戦闘シーンと言える者が冒頭から中盤までほとんどなく、
終盤の30分位に詰め込んでいるため、そこに至るまでのストーリーが
やや冗長気味になっており、妙に間の空いた会話をすることも有る。

さらに言えば「原作を読まないとわからない」キャラクターが2人も出てくる。
一人は劇中に頻繁に登場し終盤ではお兄様と共闘するのだが、
見ている人は名前とどんな機関に所属しているかだけしか分からず、
お兄様たちとどんなエピソードが合ったのかというのは一切説明がない。
原作を読んでいる人ならば分かるのだが、アニメ組には唐突なキャラだ。

もう一人はお兄様と深雪の回想シーンに出てくるキャラなのだが、
過去に何か2人に深く関わった人物であることは理解できるが、
それがなんという名前でどんな出来事が合ったのかは全く
劇中では説明されない。
原作未読の人だと置いてけぼりになってしまう要素が2つもあるのは残念だ。

さらにキャラの掘り下げ不足。
今回の映画オリジナルキャラは少女であり、とある所から逃げてきた少女だ。
簡単に説明すると彼女はほかの同じ境遇の少女たちと
「隕石を降らせる魔法」を使うことができる少女なのだが、
お兄様たちの所に逃げてきたというだけで、
それ以上の掘り下げと呼べる要素やお兄様とのからみが薄い。

少女の不幸な境遇や虐げられている劣悪な環境を
お兄様&主要キャラクターが放っておけないと奮起するのも分かるのだが、
正義感だけでありそれ以上の理由はない。
非常にわかりやすくシンプルとも言えるのだがややシンプルすぎる上に、
肝心の少女は東京へと逃げてしまうためそれ以上絡みがなくなってしまう。

やや活躍不足のキャラクターも多い。
例えば「雫」や「ほのか」、「美月」と言ったメンバーは戦闘シーンがない。
生徒会長は戦闘シーンは有るが一瞬、何故か十文字先輩だけが妙に目立っており、
バランスの良いキャラクター描写とは言い難い。

肝心のお兄様は、確かに凄いのだがどうにも演出が派手なだけなだ。
派手すぎる事を成し遂げてはいるのだが、
今作で着用してるクソダサスーツのおかげでカッコよさがどうにも締まらず、
やったことといえば色々消してただけ。
TVアニメの九校戦のような燃える戦闘シーンはない。

作品の冒頭で落下してくる小惑星を消すという展開が有るのだが、
なぜかその小惑星を消すというシーンはカットされており、
「え!そこが見たかったのに!」という残念感が強い。
お兄様が隕石を消すシーンを是非見たかったのに何故カットするのか理解できない

終盤の落下してくる衛生を消すという展開自体は悪くはないが、
緊迫感と言うものが一切なく、さすがお兄様!と
見ている側が笑いながら心のなかでつぶやくのではなく、
ストーリー展開がある程度予想できてしまい
「どうせお兄様なら大丈夫だろう」という展開のままで終わってしまう。

全体的に見てTVアニメとは違う何かだった。
監督と製作会社が変わってしまったから仕方なくは有るのだが、
強すぎるセクシーシーンで退屈な序盤から中盤のストーリー展開をなんとか繋いで、
終盤では派手な演出なだけの戦闘シーンで盛り上げているだけで、
そこにTVアニメで感じた笑ってしまうほどの俺つえー感と
思わず流石はお兄様ですと言いたくなる程の面白さがない。

映画オリジナルキャラも原作にしか登場していないキャラも
掘り下げ不足が強すぎて感情移入が一切出来ず、
主人公たちの行動理由にいまいちついていけない。
原作を読んでいないと分からないと言う要素をアニメで出すのは欠点でしか無く、
その要素を割りとガッツリ出してしまうのは残念でならない。

結局、見終わった後に印象に残ってるのはこだわっていた胸の描写と
お兄様のクソダサスーツくらいだ。
あのダースベーダーを彷彿とさせるスーツで
階段を徒歩で登る姿はシュールの極みだった。なぜ飛ばない、飛べるはずだお兄様。

はっきりいってストーリーがつまらない。
90分という尺を使い余している感じもあり、
90分という尺の割には戦闘シーンが少なく、
さすがはお兄様ですといえるようなシーンがほとんどない。

TVアニメはお兄様の強さの描写の見せ方が素晴らしく、
いわゆる「俺ツエー」系の作品では有るが、
その俺ツエー系の描写が笑えてしまう領域になっていたからこそ
面白かった。

しかし、この作品はお兄様の「俺ツエー」の見せ方を間違っており、
ただ派手な演出で派手なことをシているだけだ。
演出家が監督になったときに有りがちな過剰な演出をシすぎてしまい、
笑うというよりも「はいはい、さすがはお兄様」という感じになってしまっている。
過度なセクシー描写も人によっては微妙に感じてしまうだろう。

TVアニメ版は作品における「バランス」を分かっていた。
しかし、この劇場版は色々やりすぎてしまっており、
そのやりすぎな描写の割にはストーリーが薄いせいで
チグハグな感じが生まれてしまっていた。

個人的には非常に期待して見に行った作品だったのだが、
がっかりしてしまった。
TVアニメのように思わず笑ってしまうのを劇場で注意しないとと
気構えていたが、ダラーっと見終わってしまった。
もちろん原作を読んでいるファンならば楽しめる部分もあるのだが、
TVアニメ版の面白さを期待すると肩透かしを食らってしまう作品だ。

余談だがなぜ吉田りさこさんはなぜ監督に起用されたのだろうか。
演出家としてもがっつりとというよりは
特定の作品の1話~4話ほどであまり多くない。
監督としてはDIABOLIK LOVERS MORE, BLOODが初監督だったようだが、
この作品で2作品目とアニメ業界としては10年ほどの経験で、
いきなり劇場版の監督とは結構思い切った登板だ。

TVアニメの2期があるかどうかは分からないが、
一期のような面白さはもう味わえない可能性が高いだけに
残念だ。