劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ

評価/★★★☆☆(56点)

劇場版ポケットモンスター ダイヤモンド&パール アルセウス 超克の時空へ 評価

97分
監督/湯山邦彦
声優/松本梨香,大谷育江,うえだゆうじ,豊口めぐみほか

あらすじ
旅を続けるサトシ一行は、自然に囲まれた町・ミチーナに到着する。タッグバトルをしたトレーナーの案内で、遺跡に向かったサトシたちは、そこで時を司る神・ディアルガを呼び出す女性・シーナに出会う。

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三部作最終章、ようやく本気出してきた

本作品はポケットモンスターの映画。
ポケモンとしては12作品目、ダイヤモンド&パールとしては3作品目の作品だ
神々の戦いシリーズの最終章。

基本的なストーリーはファンタジー。
冒険を続けるサトシ達がとある町の遺跡を観光していると突如時空の穴があいた。
ポッチャマとピカチュウが飲み込まれる寸前、一人の女性が現れ「ディアルガ」を呼び
ピカチュウたちを救った。
そんな「ディアルガ」を狙って「ギラティナ」があらわれ・・・
というところからストーリーが始まる。

冒頭から面白い。
前作、前々作をみていないと伝説のポケモンたちの関係性がいまいちつかめないが
見ていれば冒頭からいきなり「ディアルガ」と「ギラティナ」が出る展開と
2匹のポケモン同士の戦いが手に汗握るシーンになっている。
更に前作、前々作では「傍観者」だった主人公のサトシがきっちりと伝説のポケモンと絡んでいる。
主人公がきちんとストーリーに絡んでいるため物語の冒頭からストーリーに入って行きやすい。

更に前作や前々作では説明不足だった伝説のポケモン同士が
なぜ出会ってしまったのかというのをきちんと説明している。
説明したことで伝説のポケモン同士のポケモンのいざこざはあっさりと解決してしまったのは
若干引っかかるところではあるものの、子ども向けと考えれば飲み込める。

そして今作の伝説のポケモンである「アルセウス」
このポケモンは様々なものを作ったポケモンであり、過去に人間を救い同時に人間に命を救われた
そんな彼は人間の土地を豊かな土地にするため「生命の宝玉」を人間であるダモスに貸し与えるが・・・
ダモスが裏切り、アルセウスに宝玉を返さなかったためアルセウスは怒り狂っている。

前作や前々作では圧倒的に説明不足だった「伝説のポケモン」のバックボーンがきちんと描写される。
その事で人間を恨む「アルセウス」に感情移入することができ、よりストーリーに入り込める。
神々の戦いシリーズで不満に感じていた点を最終章できちんと解消している

そんなアルセウスがサトシ達の前に怒り狂って現れる。
仲間になった「ディアルガ」や「パルキア」もアルセウスを止めようと戦うのだが、
彼らを作ったアルセウスは全ての攻撃を無効化する。
そんな中でサトシのピカチュウの10万ボルトだけが「アルセウス」に無効化されない

前作、前々作では見ているだけだったサトシ、
そんなサトシに命令され「コイル」に10万ボルトを放っていたピカチュウ。
今作ではそんな無意味な活躍をしていた二人がきちんと意味があり、活躍する。
サトシ達は「アルセウス」の怒りを沈めるためになんと「タイムスリップ」する(笑)
しかしながら、時空や空間を操るポケモンが出てきたのだからストーリー展開は自然だ

タイムスリップしたことで「過去のアルセウスと人間の因縁」の真相をサトシ達が探る。
真相を探る中で過去の人間であるダモスと伝説のポケモン「アルセウス」の交流が描かれる
その中できちんとサブキャラクターやポケモン達が活躍する。

アルセウスと人間の因縁は「ありがち」なストーリー展開ではあるものの
前作や前々作のストーリーに比べればきちんとしたストーリー構成とキャラクターの見せ方をしており
単純に面白いと思える出来栄えになっている。
更に最後のストーリーの締めが主人公である「サトシ」の存在意義を強く意識させ
タイムスリップという時空をあやつる伝説のポケモンが居たからこそ出来た
ストーリー展開だからこそ最後のシーンが生きていた。

全体的に見て三部作で構成された「神々の戦いシリーズ」がようやく最終章で面白くなった。
この作品の欠点を言えば、はっきり言ってつまらない1作品目と2作品目を見ないと
「ディアルガ」と「ギラティナ」などの伝説のポケモンが出た時の感動が薄く、
1作品目と2作品目を耐えて見たからこそ3作品目が生きてくるような感覚だ。

更に言えば突込みどころもある。
あれだけ戦いまくっていた伝説のポケモン同士が冒頭のシーンで和解してしまい
サトシ達の味方になってしまう。
街を破壊するぐらい怒り狂って戦っていたのに若干あっさりし過ぎているのは残念だ。

しかしながら、過去にタイムスリップし歴史を変えるストーリーという
ストーリーの内容に見合うほど「伝説のポケモン同士の戦い」や
きっちりと練られたストレートなストーリーの内容は子ども向けと考えれば
よく出来ていた作品といえるだろう。
「信じる」という子ども向けのメッセージもきちんと伝わる内容になっていた

もっと早い段階、せめて2作品目でこのクォリティのストーリー展開ができていれば
もっと「神々の戦いシリーズ」の印象は強く残ったかもしれないが、
3作品目を見てしまうと、あくまで1作品目と2作品目が序章でおまけという印象が強い
いっそ2時間半くらいで三部作をまとめても良かったのではと感じてしまうくらいだ

三部作を通じてやりたいことはようやく最終章で伝わったのだが、伝わるのが遅すぎた。
「ポケモン」というネームバリューがあるからこそ3年を通じた三部作ができたという印象も否めない
もう少しぎゅ!っと圧縮して「神々の戦い」がみたかったところだ。
ただ、このクォリティを維持できるならポケモン映画もまだまだ大丈夫だと感じる作品だった