電波女と青春男

評価/★★☆☆☆(30点)

電波女と青春男 評価

全12話+テレビ未放映1話
監督/新房昭之
声優/入野自由,大亀あすか,加藤英美里,渕上舞,野中藍ほか

あらすじ
丹羽真は両親の仕事の都合上、都会で一人暮らしの叔母の藤和女々の家に預けられることになった。だが、一人暮らしと聞いていた叔母の家に入ると…足の生えた布団があった。その布団は自称宇宙人の女々さんの娘、つまり俺の従妹の藤和エリオだった。女々さんは父親のいないエリオが、親戚に悪くいわれないように隠していたらしい。電波な従妹のせいで俺の青春ポイントが日に日に減っていく…。

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しゃべるときは布団をかぶらずに

原作はライトノベルな本作品。
タイトル通りな電波なOP曲は始まりの印象としてはインパクト大だ(苦笑)

基本的なストーリーはラブコメ・・・?
両親の仕事の関係で叔母の家に行くことになった主人公は
独身なはずの叔母の家の玄関先で簀巻きになっている少女を見つける、
その少女は自分を宇宙人だと自称する少女だった。という感じだろうか?

第一話、主人公の長いひとり語りからストーリーが始まる。
もうぶっちゃけ、ハルヒのキョンから何人目だという自分語りだが
これこそライトノベルの主人公的な匂いがプンプンと漂う。
自分語りをする主人公=世間と一枚壁をはさみ他人や自分を客観的に見れツッコミ役、
そしてラノベのような世界観に憧れてはいるが至って普通という印象が
私の中ではついてしまっている、本作品の主人公はその印象通りと言えるだろう

そしてヒロイン、これがもう強烈な印象だ。
主人公が叔母の家に上がった瞬間、玄関先で上半身を布団にくるんで
足だけ出ている状態で寝ているという・・・うむ(苦笑)
更には喋っても「何喋ってるんだ?!」という状態。
1話の段階からドン引きというなのインパクトを植え付けられる姿としゃべり方は素晴らしく、
演じられた大亀あすかさんはベストな配役だった。

その後もストーリーが進めば進むほど電波なキャラが出てくる。
電波女の母親は39歳なのにキャピキャピ、
主人公のクラスメイトはコスプレ少女にヘルメット少女、超能力少女と
非常に濃ゆいキャラクターたちばかりだ。

同時にシャフト独特の演出と角度も光る。
ただ、絶望先生やひだまりスケッチ、魔法少女まどかのような
癖の有り過ぎる演出は本作品ではあまり見られず見やすい。
内容が電波でぶっ飛んでいるので演出は控えめにしたのだろうか?
確かにこの内容であの演出をやられると、くどすぎたかもしれない。

演出の独特さが内分、作画のレベルが異常に高い。
原作絵を書いているブリキさんの絵を再現できるのか!?と
アニメ化前は話題になっていたが、作品でのキャラクターの作画とデザインは
ものすごく可愛く描かれており、雰囲気も抜群だ。
電波女の初脱皮?シーンでの光の粒子など神秘的に見える演出がなされており、
特徴的な「唇の質感」もブリキ絵ならではだろう

この可愛さに関しては、原作ファンの人が「ブリキ絵の再現」について
こだわっていたのが納得出来る。
キャラクターデザインがかわいすぎる上、独特の雰囲気を醸し出しているブリキ絵は
この作品において非常に重要だ

特に4話以降のエリオの可愛さはなんだこれというぐらいに可愛い
ストーリー的には主人公を中心としたハーレム的ラブコメなのだが
いちいちエリオの言動や行動が可愛すぎる。
1話のあのドン引きインパクトなヒロインだけにそのギャップが効いてくる4話以降は
ひたすらにヒロインの可愛さを楽しむことが出来る
だが、同時に6話あたりから作画のレベルが下がってしまっているのが残念だ。
6話から最終話まで作画が安定しない部分が出てしまったのも評価を下げる点になった

同時に一話からセリフ回しがうざい。
製作が同じ「化物語」では独特なセリフ回しとキャラたちとの会話が楽しめたのだが、
本作品ではそのセンスがなく、ネタを散りばめただけで面白みのないひねった会話は
ストーリー進行を遅くしているだけで、いらいらが募ってしまった。

簡単にいえば「西尾維新に憧れる作家」が書いたんだな~と感じるセリフだ
だが、劣化コピーのような印象はどうにもオリジナリティをだそうとしすぎていて癖が強くなってしまい
ただでさえ比喩表現の多いセリフは演じ方やセリフの内容1つで面白みの内容になってしまうのに
この作品では癖を強くし過ぎてしまって、喩え話や比喩表現がヘタでピンとこず、
最終話まで主人公のセリフ回しに面白さを見いだせなかった

更にストーリー的にメリハリが薄い。
序盤の1話~3話までの電波女のエリオが自分を宇宙人じゃないと自覚するまでの
ストーリーはラノベの一巻らしく勢いがあり見やすいのだが、
4話以降の展開は平凡的で電波的要素も薄くなっており、青春ラブコメって感じだ。
各ヒロインと主人公のラブコメを楽しめるとも言えるのだが、
序盤のインパクトに比べ、中盤以降はどうにもインパクト不足だ

爆笑できるようなセリフもなければ、感動できるようなストーリーでもない
黙々と「キャラの可愛さ」を堪能するための補助的なストーリーにしか過ぎず、
そのための濃すぎるキャラ設定という印象が強く残ってしまい
キャラ萌え以上の魅力を本作品では見いだせなかった。

個人的にはエリオが可愛かったと同時にリューシも可愛かった。
だが彼女、リューシが主人公を好きになるきっかけがまったく描かれず
一話の時点から主人公にベタぼれっぽい感じだったのは非常に気になった
初登場して次の登場のときくらいにはもう好意を見せており、
3話が終わる頃にはすでに主人公に恋愛感情がある感じだ。

同時に終盤で唐突にもう一人のヒロインである前川さんが
主人公に対し好意をいだきアピールしだしたのが驚いた
そのハーレム状態に対しての主人公の魅力を感じない。
まあ・・・ラノベの主人公らしいといえばそれまでだが(苦笑)

全体的にキャラクターの設定が先行しすぎており、それにストーリーがついて行っていない。
エリオの電波設定も序盤のみ、リューシの恋愛要素も唐突、新キャラの登場も唐突と
ストーリーに脈絡がなく唐突に進んでいく展開が多く
物語が進んでいるのか止まっているのか、物語の方向が何処に行っているのか
1クールではわかりづらかった。
特に新しい宇宙人が出てきた終盤はどうしたいんだろう・・・という感じが強まった

ストーリー的にも完結してないのが評価を下げてしまったポイントだ。
震災の影響で一話切れたせいもあるのだが、全12話観終わった後に
1つの作品を「観終わった感」が薄く、回収されていない伏線や設定も多い
2期があれば、ストーリー的にもすっきりした完結を見られるかもしれないが
未放映だった最終話をみても、モヤモヤした感じが強まるだけだった。

恐らく賛否両論が恐ろしいまでにはっきり分かれる作品だ。
エリオやリューシの可愛さにやられてしまった紳士はストーリーも楽しめるだろうが
エリオにどん引きし主人公をウザク感じてしまった人は楽しめない。
第一話でこの作品を見るか見ないかを決めることをおすすめしたい。
ただキャラクターの可愛さを味わえるのは4話以降からなので
今から見る人は4話までは我慢してみてから判断していただきたい。

原作は終わったようだが、今のところ2期の情報はない。
色々と伏線が残ってるだけにできれば2期をやって欲しかったが難しいところだろう。