「恋愛暴君」レビュー

2018年3月13日

評価 ☆☆☆☆☆(9点) 全12話

あらすじ 男子高校生・青司の下に、死神の姿をした天使の少女・グリが現れた。その手には「書いた者同士は必ずキスをする」という「キスノート」を持っていた。引用- Wikipedia

常に迷走、打ち切り直前の連載マンガのようだ

原作はCOMIC メテオで連載中の漫画作品
監督は濁川敦、制作はEMTスクエアード、
なおストーリー構成は高橋ナツコ

見出して感じるのは分かりやすいパロディだろう。
「デスノート」ではなく「キスノート」、
天使がもつそのノートに名前を書かれたものがキスをしなければ、
天使が死ぬ。書かれたものは一生童貞で終わるという
何とも理不尽価ではあるが分かりやすい設定だ

1話は怒涛のギャグだ。
何の前触れもなく天使が訪れ、理不尽な設定を主人公に叩きつけ、
それに巻き込まれる主人公と破天荒な天使の行動によるバタバタコメディは
「ノリの良さ」と「破滅的コメディ」の面白さが詰まっており、
1話の印象はいい。

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

特に主人公が思いを寄せるヒロインがヤンデレというのが素晴らしい。
主人公と付き合ってるわけでもないのに「浮気」と認識した瞬間に
ナイフを取り出し本気で殺しにかかる様など、
うまくギャグにしており、それがヒロインの可愛さにもなっている。

そんなヤンデレヒロインと天使と主人公がキスノートにより三角関係になり、
ドタバタラブコメが始まると言う感じだ。
この1話は濃い、だが濃すぎる。

本来ならキスノートの設定、ヒロイン2人と主人公で
十分に1話を作れるのに1話の時点で3人目のヒロインが出てきてしまい、
ドタバタし過ぎな上に詰め込みすぎだ。
そのせいで本来ならもっと掘り下げなければならないキャラを
掘り下げきる前に話が進みキャラクターがどんどん追加されていく

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

そのせいかキャラクターも全体的に早口であり、
ドタバタというよりは慌ただしいだけのときも多い。
話が進むほどにキャラクターがどんどんと追加されていき、
既存の設定やキャラクターを掘り下げることが出来ておらず、浅い。

既存の要素を使いこなす事ができないので新しいキャラや設定を出す、
基本的にその繰り返しであり、作品として単純に浅い。
ネタ切れになったら新しい使い捨てキャラを出すのはギャグ漫画の手法だが、
この作品の場合、そのサイクルが早く、
いつまでたっても既存のキャラクターに愛着がわかないうえに掘り下げない。

中途半端なパロディギャグも多い。
そもそものキスノートもデスノートのパロディあることは作中でも
言及されているが、定番のパロネタから微妙なパロネタまで色々あるが、
色々あるだけで特にそれが面白さにはなっていない。
パロディの使い方が恐ろしく下手であり、安易なパロディは嫌悪感を生むだけだ

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

似たような展開も多い。
ヒロインのヤンデレ要素も早い段階でお決まりになってしまい、
そのお決まりが面白くないうえにマンネリになっている。
「ヤンデレ」という要素を描く上での引き出しが相手を突き刺すくらいで
それ以外のパターンを生み出せていない。

更に早い段階でキャラクターのネタも切れる。
既に主人公をナイフで突き刺すようなヤンデレヒロインが居るのに、
また別パターンの病んでるヒロインも現れてしまう。
ヒロイン同士で似たようなキャラ属性があるというのは
あまりにも引き出しが浅すぎる。

新しい要素を出しても、その要素の表面上をなぞることしかできておらず、
「掘り下げる」という行為が全くできていない。
中学生が初めて書いたマンガのような浅さだ。

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

ネタ切れで新しいキャラを出しても、
結局既存のキャラの二番煎じみたいのが出てくるだけで
何の新鮮さも生まれず1クールの作品なのに早い段階でマンネリを感じる。
中盤以降はマンネリを打破するためにシリアス要素までいれてくる。

ヒロインたちの家庭が特殊な家庭なのが中盤以降から明らかになり、
シリアスなストーリーが展開していくのだが、コレが本気でつまらない。
ヒロインたちの暴力性に理由をつけたかったのかもしれないが、
はっきり言って迷走しまくりであり、打ち切り宣告される寸前の
漫画を見ているかのような展開ばかりだ。

1話の詰め込みまくりの怒涛なギャグラブコメはどこへやらであり、
愛着を湧いていなければ何の感情移入もしていないキャラの
シリアスを描かれても心底つまらないだけであり、
シリアスな状況や話を描く力量もないのに安易にシリアスを入れて、
笑えないだけならまだしもどんどんとつまらなくなっていく作品だった

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

総評

全体的に見て面白いのは1話のAパートまでで
あとはひたすらつまらなくなっていく作品だ。
「キスノート」の設定をもっとうまく使えばストーリーを十分作れるのに、
作品の芯の部分を全く掘り下げずにどうでもいいストーリーや、
どうでもいいキャラをどんどん追加していき、
ネタ切れになれば新しいキャラを出す繰り返しだ。

1話1話の詰め込み具合も厳しく、
詰め込むことで強引にストーリーをテンポよく描いている感じが強いが、
このストーリーではちんたらやられたら余計につまらなさが目立つだけだ。
一言で言えばシンプルに内容がつまらない。

詰め込み過ぎなストーリー構成や演出面での弱さ、
2000年代前半のジャンプの打ち切りラブコメマンガのような
やや懐かしさすら感じるノリや演出、主人公の青髪という独特な配色など、
色々と気になる点はあるものの、その気になる点よりも
単純に内容がつまらないため盛り上がらない。

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

特にシリアスストーリーは目も当てられない。
もう少しきちんとキャラクターやストーリーを
練り込めば面白くなるかもしれないが、そもそもキスノートがなくても
成立するような話をこの作品で描く意味がまるでわからず、
1話以降はずっと迷走しているような作品だ。

制作側もこの作品の「面白さ」や「魅力」を掴みきれていないのだろう。
流れ作業のように描いているだけで、
この作品に対するこだわりや熱量のようなものをまるで感じなかった。

恋愛暴君引用元:© 三星めがね・COMICメテオ/恋愛暴君製作委員会

個人的な感想

個人的には1話のAパートまでしか楽しめず、
あとはほぼ無表情で見てしまった作品だった。
超個人的に「明確に嫌い」と感じられるキャラが2人くらい居るのも
珍しく、そのキャラさえ居なければもう少し素直に楽しめたかもしれない。

色々な漫画やラノベをアニメ化しすぎて原作枯渇が問題になっているが、
この作品を見ると顕著にそれを感じてしまった。
Amazonでは原作最新刊に何のレビューもついていないくらいだ。

売上的には368枚と爆死、2巻以降は数字すら出ていない。
1巻はイベントチケット優先券がついて、この売上であり、
笑えないレベルの売上だ。おそらく2期はないだろう。

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