俺の妹がこんなに可愛いわけがない。

評価/★★★☆☆(50点)

俺の妹がこんなに可愛いわけがない。 評価

全16話
監督/神戸洋行
声優/竹達彩奈,中村悠一,花澤香菜,生天目仁美,佐藤聡美ほか

あらすじ
主人公の高坂京介は、波乱のない普通の人生を志向する高校生。スポーツ万能で雑誌モデルをしている中学生の妹・桐乃とは、幼い頃は仲の良かったが、今ではまともに挨拶もされない関係になっていた。 ある日、京介は玄関で魔法少女アニメ『星くず☆うぃっちメルル』のDVDケースが落ちているのを発見する。しかも、その中にはアダルトゲーム『妹と恋しよっ♪』が入っていた。その持ち主が桐乃であることを確信した京介は、問い詰めずにDVDケースとその中身を桐乃に返してやる。

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どこでルート選択技を間違えた?私が見たいのはノーマルエンドじゃない、トゥルーエンドだ!

本作品は俺の妹がこんなに可愛いわけがない2期。
1期と同じくテレビ放映後にネット放送版の追加話がある。
しかし、1期とは違いテレビ放映最終話で分岐したりはしない
本レビューはネタバレが多いので気になる方は注意。

基本的なストーリーは1期ネット放送最終話からの続き。
兄である京介は妹の桐乃をアメリカから連れ戻しただが、以前と変わらぬ態度の妹、
更には後輩である黒猫からはキスされたはずなのにいつもどおりの暮らしをしている「京介」
しかし、そんないつもどおりの日常は嵐の前の静けさに過ぎなかった
という所からストーリーは始まる

開始早々、俺の妹がこんなに可愛いわけがないが帰ってきたことを実感させる。
妹である「桐乃」の暴走気味なまでのオタク行動の数々はもはや笑うしかない
秋葉原に兄を釣れ出し、大量のグッズを買い漁り、更に家に帰れば大量に届くダンボール。
オタクグッズに囲まれて恒例の「オタク笑い」をする桐乃を見ると
あぁ、俺妹帰ってきたなとひしひしと実感させるシーンだ。
もはや定番となった桐乃演ずる「竹達彩奈」さんのオタク笑い演技は素晴らしいのヒトコトだw

更に2期になってストーリーがかなり見やすくなっている。
1期ではやや唐突な展開が多く登場人物もどんどん出てきていたため
急な展開でストーリーをつないでいる感じが否めなかったが、
2期ではキャラクターそれぞれがメインになる話が必ずあり、
1期で培ったキャラクター描写を更に深める内容になっている

ストーリー的にも1話ないし2話で起承転結のしっかりした話を展開し
毎話違うキャラクターをメインに据えストーリーを展開させる。
そして、そのストーリーの中で徐々に、徐々に、徐々に
兄である京介と妹である桐乃の関係性と距離感が変化していく。

また会話劇も素晴らしい。
ただ妹の友達とゲームをしているというシーンなのに、
兄である京介の変態さとラブリーエンジェルな新垣あやせのツンデレ?wな会話の応酬は
素晴らしいまでの笑いと萌えを産んでおり、
流れるようなキャラ同士の会話はしっかりしたキャラクター描写があるからこそ
会話劇を面白いと感じることができる

キャラクターもより魅力的になっており、
もはやヤンデレになってしまったあやせの過剰なまでの反応や手錠を愛でる姿、
京介に対して積極的な行動を開始し可愛すぎる黒猫、
ついに姿を晒した沙織、ラスボス化した麻奈実、
それぞれのキャラが一期以上に魅力的になり、より京介との関係性が深まる。
だからこそ「桐乃」が動き出す。

それは偽装恋人になった時、それは妹の友達と付き合った時、
嫉妬にも似た感情が彼女を動かし、その行動はより二人の仲が深まるキッカケにもなるが
同時に他のキャラクターへの行動にもつながる。
行動や言動が新しい展開を生み、どんどんと二人の関係性が変化していく。
時には意地を張り、時には本音をいい、兄妹の仲は変わっていく

そんな中で「京介」の変態さに磨きがかかる。
1期では彼のことを「かっこいい」と私はレビューでも書いたのだが
2期ではかっこ良さの欠片もない。
あやせに対する変態的行動、黒猫に対する妄想及び行動及び言動の数々、
各女性キャラクターに対する行動や言動が変態さを貫いてキモさすら生んでいる(笑)
そのキモさは同時に面白さ、笑いに繋がっているのだがひたすらキモイw

この作品のキャラを一言で表現するなら「痛かわいい」キャラばかりで、
そんなキャラに対し主人公も痛い行動をする。
キャラクターが可愛いからこそ痛さを許容できるのだが、
この痛さは「1期」からある痛さで、それがより磨きがかかっている。
可愛さも、痛さも1期以上だ(笑)

痛いがゆえに行動は不器用で回りくどい。痛いがゆえにめんどくさい。
だが、痛いがゆえにキャラクターが愛くるしい。
1期から積み重ねたキャラクター描写が2期になって極まっていると言っても過言ではない。
極まったキャラクターの魅力は同時にそれぞれのキャラの思いも極まる。

黒猫の告白、あやせの告白、それぞれのヒロインがそれぞれの思いを京介にぶつける。
それぞれのキャラクターの魅力が最大限に描写され、思わず感情移入も極まる。
そして極まったからこそ、この作品の展開が予想外の方向に向かった

ここまではテレビ放映分のレビュー。
ネットでの放送分は見る人の「倫理観」によって大きく、大きく感想が違うだろう。
ズバリ言えば、本当の「兄」と「妹」の恋愛はアリなのか、ナシなのか。
更に言えば結末を消化しきれるか。

兄である京介は数々のヒロインの告白や思いを受け止めなかった
一度は付き合った相手でも、結婚したいと冗談まで言った相手を、幼なじみを。
彼は自分の気持を裏切らず、貫き通し告白する。

物語が進めば進むほど進行して行くブラコン&シスコン度、
桐乃が子供の頃から抱いていた憧れ、そして兄妹があるがゆえの壁、
そして兄と妹の恋を否定する幼なじみである「田村麻奈実」。
そんな障害もあったが、妹である桐乃は兄の必死な告白を受け入れる。

私は14話の段階でこの作品が「やりきった」と感じた。
他のアニメ作品では妹に対する恋愛はほとんどうやむやにされる。
別のヒロインとの恋だったり、妹という設定が義理だったことが発覚したり。
しかし、この作品は本当の「妹」に対する恋愛をやった。

兄が妹に告白し、妹がそれを受け入れる。
それも、ただの告白ではない「プロポーズ」だ(笑)
兄と妹の恋愛、それをきちんと描写したことは素直に評価したい。

そして一気に時系列が流れる。
ネット放送回からは「時系列の変化」と「展開の速さ」が顕著で
他のヒロインやキャラクターが若干ないがしろにされている感じもあり、
テレビ放映分が丁寧にやっていただけに、
展開の速さのせいで「キャラクターの状況の変化」に中々慣れない。

そんな慣れない中、ラスボスが現れる。
もう彼女のことはラスボスという以外は表現できない。
TV放映分では幼なじみという立ち位置を守り、ほとんど行動してなかった彼女。
彼女はこの作品において「正しいことを言っている」キャラだ。

妹と兄、そんな恋愛はありえない。気持ち悪いと蔑む彼女はようやく動く。
いや・・・動くというよりも、叩き込んだ。拳を(苦笑)
今までの彼女からは想像できない言動、想像できない行動、
お前そんなキャラだったのか!?と引くほどの行動だ。

しかし、彼女の言動は正しい。正論だ。兄と妹の恋愛の現実を彼女は叩きつける。
彼女は京介のことが好きだからこそ正論を殴りつける。
あまりにも現実的すぎてアニメを見てる気分から一気に現実に返される
そんな現実を一気に主人公である京介が戻す。
そしてラスボスを倒し、エンディングが訪れる。

しかし、このエンディングに関しては私は逃げたと思っている。
色々なことを振りきって色々なことを乗り越えて、全32話というストーリーを積み重ねて
その結果の末、手に入れた「妹」との恋。
最後に二人だけの結婚式を行い、キスをし・・・。

ここまではいいのだ。このキスシーンで終われば私は大きな不満は抱かなかった。
しかし・・・終わってしまうのだ、恋が。
せっかく色々なことを切り捨てたのに、数々のヒロインの思いを受け止めなかったのに、
「期間限定の恋人同士だった」という逃げを作ってしまった。

全体的に見て最後まで貫き通せば中途半端な感じは残らなかった
しかしながら、貫き通したと思ったのに急に後戻りしてしまう。
結局、ハーレム状態になった主人公はその中から選んだヒロインとすらきちんと結ばれない
これでは切り捨てたヒロインがあまりにも報われない状態になっている。

ある意味でこれは無難だ。
最終話以降のストーリーを作ろうと思えば作れるし、
それによって各キャラクターのファンは「想像」することができる。
ストーリーへの批判はあるだろうが、キャラクターのファンの批判は少ない。

更に言えば1期と2期では作品の感じがかなり違う。
1期はそれこそオタクな妹と徐々に仲良くなりつつ、妹の友達との恋愛フラグを立てていたが
2期では急にヒロインたちが積極的になり行動を始め、妹と仲良くなる所か恋愛関係になっている
兄である京介が妹に対して「家族愛」から「恋愛」になるキッカケもいまいちわからない。
展開は早く見やすいのだが、あまりにも展開が早いため腑に落ちない点も多い。

1期は「青春」ものと私はジャンル分けしている。
この年代にありがちな妹の兄への態度やあまり強い恋愛要素はなかったため
オタクの青春と兄妹の関係性という印象だった

しかし2期は完璧に「ラブコメ」だ。それもハーレム。
テレビ放映分までのストーリー展開はラブコメになってしまってはいるが、
あくまでも「シスコン」「ブラコン」なだけに収まっており、
他のヒロインもまだ救われている。
しかし、ネット放映分のストーリー展開でそれまで積み上げてきたものを
別のものに組み替えられたような気分になってしまった。

ストーリーは完結したはずなのに、原作も終わり、3期は確実にないのに、
まだ未完の作品のような印象とすっきりしない感じが見終わったあとに残ってしまう
ギャルゲーでたとえるならキャラ個別エンドではない「ノーマルエンド」で終わり
「トゥルーエンド」があるのではないのかと勘ぐってしまう。

あえてテレビ放映分とネット放映分で点数分けをするならば、
テレビ放映分だけなら「70点」、ネット放映分だけなら「30点」という感じだ。
個人の倫理観やこの落とし所を納得できるかどうかで、評価は大きく違ってくるだろう。
私は敢えて逃げて50点にした(笑)

超個人的には「あやせ」の可愛さに本当にやられまくった。
黒猫も確かに可愛く、桐乃も1期に比べればかなり可愛かったのだが、
「あやせ」の可愛さはそれを大きく上回っていた。

最後の最後でレビューの内容を少し否定するようなことを書いてしまうが
他のありがちなライトノベルラブコメに比べれば、この作品ならではの個性を感じる作品だった。
賛否両論が生まれるのは面白い作品である証拠だ。
確かにこの作品は面白い、だが最後まで見終わった後に納得できるかどうかは別だ。
ジャンルも内容も全然違う作品だが「エヴァンゲリオンの最終回」にも似た感じだ(苦笑)
どうにも腑に落ちない。

続編・・・というのはおそらくは無いのは分かっている。
だが、今流行の「劇場版商法」で違った結末、もしくはこの結末の後の話を
作ることも出来るのではないだろうか?
総集編プラス後日談的なものでもいいので、少なからず期待してしまう。
大画面で見るラスボスバトルは迫力がありそうだ(笑)

強烈な印象が残るシーン、キャラ、言動。
何年化しても確実に覚えているのだが、もう1度見直すのは根気のいる作品だ。
結末が分かっているからこそもう1度見るのは辛い。
だけど、ラブリーマイエンジェルあやせたんには会いたい。
そんなジレンマの残る作品だ(笑)

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