毒にも薬にもならない、ほわほわアニメ「ももくり」レビュー

評価★★☆☆☆(36点)全26話

あらすじ 「大好きな人の事は全部知りたい!」高校二年生の栗原雪は、一つ年下の後輩・桃月心也に一目惚れをする。遠くから彼の姿を隠し撮りした“ももくん写メコレクション”が100枚になり、栗原は告白を決意。二人は恋人として付き合い始めるが、依然として栗原は桃月の姿を隠し撮りしたり、彼の触った物を収集したりと、行動がどこか変で…?不器用な二人が繰り広げる、一途で残念なゆるいラブコメディ!私の好き…『恋』『変』ですか?引用 – Wikipedia


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毒にも薬にもならない、ほわほわアニメ

原作はcomicoで連載していた漫画作品、2016年に完結した。
監督は平池芳正、制作はサテライト。
アニメはcomicoのアプリ内、及びニコニコ生放送やAmazonなど
Web配信限定で配信されている。

見る前に・・・この作品を見たことがない人は、
この作品のタイトル「ももくり」とタイトル画像を見た感じから
どういった印象を受けるだろうか?

キャラデザ的に非常に可愛らしく、どちらかといえば子供向けの作品のような、
「りぼん」あたりで連載していそうな女児向けの作品が原作のような、
そんな印象を受けるのではないだろうか?
私も全く同じで、これがなんで配信限定だったのかよくわからなかった。
日曜朝やNHKあたりで夕方放送されるような作品だろうと。

しかし、この作品のあらすじをよ~く見てほしい

「「大好きな人の事は全部知りたい!」高校二年生の栗原雪は、
一つ年下の後輩・桃月心也に一目惚れをする。
遠くから彼の姿を隠し撮りした“ももくん写メコレクション”が100枚になり、
栗原は告白を決意。二人は恋人として付き合い始める」

どうだろうか(笑)
タイトルやキャラデザの印象とは裏腹に、
ヒロインは明らかにストーカーであり、変態だ。

1話早々に「彼女と彼氏」の関係になるヒロインと主人公、
ヒロインに告白されて、その可愛さに2つ返事で付き合うことになる。
可愛すぎる彼女に悶絶しつつも、同時に主人公の可愛さにヒロインも
脳内で悶絶している(苦笑)

ヒロインが告白するきっかけも
「盗撮画像が100枚溜まったら」という謎の自分ルールによるものだ(笑)
初恋だからこその歯止めの効かない暴走気味な行動、
そんな行動の本位は分からずとも、
主人公は彼女の変な行動の数々を前向きに受け止めラブラブな雰囲気を溢れさせる。

ヒロインの変態度合いもよくわからない方向性だ。
主人公のストローをもらって眺めるだけ、
舐めるなどの行為はせず間接キスという行為自体は恥ずかしくてできない。
変態では有るが純情というよくわからないギャップが面白さを生んでいる。

ただ1話1話の中で所々間延びするシーンが目立つ。
1話10分という尺の短い作品にも関わらず、
ダイジェスト的なシーンが有ったり、だらーっとしたテンポで描かれたり、
30分アニメなら気にならないが、15分アニメなのに密度が薄い。
いわゆる「尺稼ぎ」なシーンが目立つのは本当に残念だ。

この作品はラブコメでは有るが、ギャグも有る。
せっかくのギャグシーンでも、声優さん達が情緒たっぷりな演技で
シーンの尺を稼いでいる感じのシーンが多く、
笑い所に勢いが生まれておらず、笑いにつながりきらない部分がある。

ヒロインの変態性も最初は面白いのだが、はっきりいってしまうとかなり甘い。
ゆるふわなラブコメの中でヒロインが変態という要素は面白いのだが、
比重はゆるふわなラブコメのほうが強く、
話が進んでしまうと変態性がワンパターンに見えてきてしまう。

変態キャラは変態具合が加速していくから面白いのだが、
ワンパターンになってしまうととたんに飽きてしまう。
いわゆる話の当たりハズレもでかい。
あたりの話のときはニヤニヤしてしまうラブコメと変態性が相まって
面白いのだが、ハズレのときは真顔で見てしまう。

話が進むと「恋のライバル」的なキャラも出てくるが、
この作品はあくまで「のほほん」とした作品のため、
少女漫画のようなドロドロやラブコメのようなイベントなどではなく、
ふわーっと登場してふわーっと馴染んでいく。

どちらかというと「ギャグアニメのネタのためのキャラ」な感じが強く、
あまり掘り下げられないため必要性を感じないキャラも多い。
1クールならそこまで感じなかったかもしれないが全24話という
ストーリー構成のせいか、中盤くらいで作品自体に飽きてしまった

終盤はひたすらに「甘々なラブコメ」を見せられる。
遊園地デートや公園デートなど正直、10代くらいの女子が見るならば
素直に受け止められるかもしれないが、
20代を超えてくる人の場合は甘酸っぱすぎて胸焼けするようなラブコメだ

全体的に見て雰囲気もよく、序盤のヒロインと主人公の関係性は面白いのだが、
中盤辺りからマンネリなパターンも多く、マンネリを解消しようと
ギャグ漫画のごとくキャラを追加しているが、いまいちパッとしない。
話が進むほどヒロインの変態性という作品の特徴も
どんどん薄まっていってしまっている。

この作品を見るのが男性か女性かというのも評価が別れるポイントだろう。
どちらかというとヒロインよりも「主人公」の桃月君の、
小動物的な可愛さを女性キャラが可愛い可愛い!と褒めているシーンが多く、
女性ならばヒロインの主人公萌えにも同感できるだろう。
しかし、男性だとヒロインに共感しにくい男主人公の可愛さだ。

ヒロインが一個だけ年上で高校生同士のカップルでは有るが、
いわゆる「おねショタ」的要素も若干あり、
ラブコメの内容自体は王道な部分も多いのだが、
所々に好みが分かれる部分がある。

なるべくストレスを感じさせない日常ラブコメであり、
ニヤニヤと楽しめる部分もあるのだが、
その楽しめる部分がパターン化してしまっており、
1話10分なのに2クールという尺のせいで
マンネリ化と飽きが生まれてしまった。

個人的には終盤の桃君がちょっどめんどくさかった。
この作品の唯一の特性とも言えるヒロインの変態性も薄まり、
序盤に感じたこの作品ならではの魅力というのが、
見れば見るほど失われていくのは残念だった。