まじもじるるも

☆☆☆☆☆(8点)

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何故ここを描写しない?何故こんなのを描写する?

原作は月刊少年シリウスで連載中の漫画作品
アニメーション制作はJ.C.STAFF
ちなみに「まじかる」るるもではなく「まじもじ」るるもだ
私も何度か間違えて検索した(苦笑)

基本的なストーリーはラブコメファンタジー。
偶然見つけた魔導書で魔女を召喚してしまった主人公、
目の前に現れた魔女に彼はその代償として二日後に「命」を奪われることになった
というところからストーリーが始まる

見出して感じるのは「キャラクターの線」の細さだろう。
深夜アニメというよりは日曜の朝アニメのようなシンプルなキャラクターデザインであり、
ありがちでどこかで見たようなキャラクターばかりに見えてしまう。
作画も崩れるわけじゃないのだが「手抜き」に感じる作画も有り、
妙に背景からキャラクターが浮いているシーンが目立つ。

更にギャグの笑え無さ。
いわゆる本作品は「ボーイミーツガール」的なストーリーであり、
非常にシンプルかつわかりやすい設定だ。
エロに忠実な主人公と無表情系ヒロインという立ち位置でラブコメギャグを展開するのだが、
どうにもギャグシーンが笑えない。

主人公がハイテンションにエロネタ系の台詞や行動の数々を行うのだが、
「間」というか「テンポ」というか「空気感」といえばいいのか、
非常に淡々とギャグシーンを展開してしまい強い笑いに繋がっていない。
ありがちな設定とありがちな展開で「想像」できる展開であり、その想像を超えてこない。

そしてセクシー要素。
1話からパンチラなどの要素や「パンツ」自体が堂々と描写される場合が多いのだが、
これがもう「予想できる」セクシーシーンであり、特に萌えやエロを感じないシーンばかり。
「あ~この後パンチラかー」とその決定的シーンが描写される前に予想出来てしまい、
その要素を超えてこないセクシー要素のため結局無表情のまま見てしまう。
中盤以降のセクシー要素は「ワンパターン」過ぎて飽きてしまった

はっきりいってテンポが悪い。
次のシーンを予想してしまうだけの「時間」を見ている側に与えてしまい
常にシーンを先読みしながら見ているかのようなテンポだ
もう少しだけテンポを早めれば笑いに繋がるのに、ギャグとして中途半端になってしまう。
「9話」などはAパートとBパートで話が違うためテンポよくストーリーが進んでいるのだが、
1話でまるまる1つの話を描写するときは明らかにテンポが悪い

更に設定のありがちさ。
「どこかでみたことのある」設定の数々を詰め込みましたと言わんばかりの
テンプレート的展開と設定の数々は予想できるシーンを生み出す原因にもなっており、
2014年のアニメでありながら80年代、90年代、00年代のアニメを
同時に見ているかのような気分だ

80年代「うる星やつら」的なラブコメに、90年代の「ジャンプ漫画」的セクシー要素を足し
00年代の「涼宮ハルヒの憂鬱」的ヒロインを足したような印象だ。
言い方は悪いが色々なラブコメの設定を取り入れて1つの作品にしたような印象が強く
この作品らしい「要素」というのを感じない。

そしてヒロイン、無口無表情系のヒロインの可愛さがこの作品の魅力でもあるはずなのだが
デレ描写があまりにも早い。
1話の段階から主人公に対し「顔を赤らめる」「照れる」などの表情の変化を見せており、
無口無表情系のヒロインが見せる表情の変化の可愛さの破壊力に必要な「溜め」がなく
あっさりとデレた表情を見せるため表面的な可愛さしか伝わらない
個人的な感覚になるが、こういったヒロインが主人公に対して表情が変わるのは
3話くらいでもいいはずだ。

更にシーンの描写。
「ヒロインが着替えているシーンを友人と共に覗く」というシーンが有る。
だが、主人公はヒロインが着替えているシーンを友人には覗かれたくない。
無理矢理主人公を押しのけて覗こうとする友人に対し、主人公は目潰しを行う、そしてOPになる。
本来なら「目潰しされた友人の反応」があってこそのギャグシーンなのにそのシーンを入れない。
「ぎゃぁぁ!」という叫びの台詞を入れてこその笑いになるのに
そのシーンを省く意味がわからない。

他にも1話の中でキャラクターを登場させすぎている。
無理矢理サブキャラクターを出して主人公とヒロインに絡ませようとしている感じが強く
登場させすぎて話が散らかってしまうパターンも多い。
無駄にサブキャラが多く、その割にはサブキャラの名前すらわからないままに
毎話毎話「ちょろ」っと出てくるため邪魔だ。
主人公とヒロイン、そしてサブキャラたちとの絡ませ方が悪く
いつまでたっても関係性が希薄でキャラ同士の絡みの面白さが生まれていない

同じようなシーンでも恐らく「原作」ならば笑えるようなシーンも多いだろう。
アニメとしての台詞と台詞の「間」や話を進めるためのテンポが決定的に悪く
そのせいで本来笑えるシーンが笑えないものになってしまっており、
セクシーシーンの演出もワンパターンだ
はっきりいってアニメーションとしての面白さがない。

私は原作を読んでいないのでネットの感想や情報を探った限りでしか無いが、
原作にはもっとサブキャラを掘り下げるような話もあるのだろう。
原作にはもっと「ヒロイン」のキャラの積み重ねも丁寧なのだろう
1クールという尺の都合上でカットせざるおえなかった話が無いせいで
キャラクターの関係性の構築甘く、結果としてキャラクター描写が甘くなってしまっている。

最終話まで見終わったも「ピン」と来るものがなく、あっさりと終わってしまい
1つの作品を見終わった感じが弱く、「2期への伏線」という名の投げっぱなしENDで
終わってしまったのも低評価に繋がってしまった。

全体的に見て見ている側と制作側のすれ違いが激しい作品だ
原作がどれほど面白い作品かはわからない。
だが、アニメーションにおける会話の「テンポ」や「間」の致命的な的外れ感、
セクシーシーンが多いのに作画の手抜きさゆえにセクシーに感じないうえに
ワンパターンな見せ方で同じようなセクシーシーンばかりになっている

本来は「ありがち」な懐かしいドタバタラブコメもテンポや演出一つで面白く出来たはずだ。
「なんでこのシーンを描写しないんだ?」と思わず感じてしまうほど
ギャグにおける決定的なシーンを描写しなかったり、
「なんでこんなシーンをアップで描写するんだ?」と拍子抜けしてしまうほど
ズレたシーンの描写まである。
(器に注いだ子猫用のミルクを画面いっぱいに描写、真っ白なだけで必要性を感じない)

主人公も「紳士的」なときと「エロに忠実」なときのギャップが激しく、
「エロに忠実」な時の真っ直ぐな行動や言動も中途半端な時がある。
本来は原作ではもっと「エロに忠実」なシーンが多いのだろうと予測できるのだが、
1クールと言う限られた尺の中でキャラクターの魅力も削られているような感覚だ

監督さんがこの作品で「初監督作品」だったからかもしれないが、
どうにも所々「ズレた」描写のせいで結果として
「アニメとして面白くない」作品になってしまっていた。
本来欠点のときに使う表現だが、この作品においてはもっと
「エピソードを詰め込んだ」ほうが面白くなったのではと感じる部分が大きい。
決定的に「テンポ」も欠けてしまっていた

この作品で唯一評価できるのは「能登麻美子」さんの素晴らしい演技だ
主人公の母親というキャラクターだが、いわゆるヤンデレちっくなキャラであり
その分「穏やかな性格の時の台詞」と「怒っている時の台詞」の切り替えが難しい役だ
だが、さすがは「能登麻美子」さんと言いたくなるほど素晴らしい切り替えと声質と演技が
この作品で唯一、安定の「笑い」につながっているシーンを産んでおり、
ある意味、このキャラクターがいたらこそなんとか最終話まで見れた感じもある。
「じぃー」と主人公を見つめているシーンが見たいがために最終話まで見てしまった

他のサブキャラは数がいるだけで「存在価値」の薄いキャラクターばかりだ。
一人のキャラクターの設定を2つに分けることでキャラを2人にしているような感覚で
キャラクターが話を追うごとに増えていく。
キャラによっては1話丸々使ってメインになる回もあったのに、
その後にほとんど居てもいなくてもいいキャラクターになったり、
思わせぶりに登場したキャラクターもその思わせぶりに登場した回だけで終わってしまう。
もう少しきちんとキャラを使ってほしいと感じてしまう話があまりにも多かった

恐らく2期はないだろう。
売上自体は「388枚」とちょっと洒落にならなくらいの爆死だ
本来はセクシー要素やお風呂シーンが結構多く、
シリアスな要素も終盤を除けばほとんどない作品なだけに
本来は売れやすいたぐいの作風ではあるのにこの売上はある意味で奇跡的だ

個人的に作品の「テイスト」自体は嫌いじゃなかっただけに
原作を読んでみたいと思います。