さばげぶっ!

2014年11月17日

評価/★★★★☆(63点)

スポンサーリンク

サバゲーを題材にしたアニメのジンクス・・・敗れたり?

原作は漫画な本作品、原作自体は「なかよし」で連載されている。
なおアニメ業界において「サバゲー」を題材にした作品はこれが3作品目だが、
一作目、二作目とも奇跡的なまでの駄作であり、売上もある意味奇跡的だった
「サバゲーアニメはつまらない」というジンクスまで生まれかけていた。

見出して早々、そんなジンクスを破壊される(笑)

「こんなタイトルだけどリアルなサバゲーを期待しているなら
 無駄なんでテレビ消して寝た方がいい」

SDキャラクターが出てきて冒頭からそんな台詞を視聴者にぶつけてくる。
つまり、このアニメはさばげぶ!という名前でありながら日常ギャグアニメの類だ。
冒頭のわずか3分ほどのシーンでこのアニメに対するサバゲー描写の期待感は0になるが、
ギャグアニメとしての期待感は100になるような感覚だ。

その期待感に見事に答えてくれる。
謎のひよこみたいな生物はいるわ、ノリノリなテンションのキャラクターはいるわ
「謎のナレーション」ははいるわとギャグアニメとしてサクサクとテンポよく進みつつも
サバゲー部であることは一応忘れない。
主人公はスパイ疑惑をかけられつつもサバゲーの魅力に一応は惹かれ、
強引にサバゲ部に入ることになるところからストーリーが始まる。
主人公の鋭いツッコミとともに(笑)

この主人公のツッコミが素晴らしい、ここ最近のギャグ描写のあるアニメは
どれもこれも「ツッコミ」が弱く物足りない作品が多かった。
だが、この作品の場合は「清々しさ」すら感じるほどの気持ちのいいツッコミだ。
はっきりいって主人公は性格が悪い。
転校しまくりな家庭環境故に本心を隠して外面を保ちながら
学校生活を送ってきただけに腹黒さは一流だ。
だからこそ他のキャラクターのボケに対して抉るような鋭いツッコミを入れられる

彼女は一話から「いじめ」の被害に合うのだが、仕返しも一流だ(笑)
やられたら100倍返しのような性格の悪さはあるものの
その性格の悪さとツッコミの鋭さ、そして強引にサバゲ部に入れられる過程のおかげで
「主人公」のキャラクターに愛着を持ち、彼女が話の中心に居ることで
しっかりと物語の世界観と空気に入り込むことができる。

そして、この作品でもっとも重用なのは「ナレーション」だ。
玄田哲章さんの渋すぎる声で「サバゲー用語」や「状況の説明」などの解説が
作中で頻繁に入る事で時折出てくるサバゲー用語が自然と見ている側に吸収される。
サバゲー用語の説明自体は投げやりな場合や適当な場合も多いが
詳しく説明しすぎないことで作品のテンポを崩さずに、
更にギャグテイストな「状況の説明」のおかげでギャグがより強いボケになり、
思わず笑ってしまう確実な笑いの要素になっている。

更にサバゲーのシーン。
過度な期待をするなと冒頭からサバゲー要素を突き放したかのように見えて、
意外としっかりと「アクションシーン」を見せてくれる。

冒頭でハードルをしっかりと下げたからこその予想外な感じかも知れないが、
各話でしっかりと「サバゲー」をやっており、
リアルなサバゲーではなく、ギャグテイストで現実ではありえないアニメ的な表現バリバリな
サバゲーシーンが「ギャグ」アニメだからこそ、シンプルに面白いアクションシーンになっており
ありえない動きや過剰な演出があっても全て「ギャグアニメ」という要素だけで許してしまう。

サバゲーをリアルに描写した作品よりも素直に面白いといえるサバゲーシーンだ。
あくまでもサバゲーはゲームであり「サバゲーをしている人の脳内変換」、
つまりBB弾なのに窓ガラスが割れたり、実際撃たれたら血が出たり、死んだり(笑)
その脳内変換をリアルな描写ではなくギャグのノリの延長で描写しているおかげで
馬鹿馬鹿しいが明るく楽しめるサバゲーシーンだ
無論冷静に突っ込むと「ゴーグルぐらいしろと」と思うのだが、
ギャグアニメだからゴーグルなどいらないのだ(笑)

1話できちんと主人公のキャラクターと立ち位置をしっかりと見せることで
他のキャラクターたちのボケが光る。
というよりも2話以降、キャラクターたちの「毒気」がどんどんと明るみに出てくる
各キャラクターの「欲望」を忠実に表現したかのようなストレートな行動や言動の数々、
その欲望に対し「暴力」という名のツッコミで抑えこむ主人公との対比が素晴らしく、
癖の有り過ぎるキャラクターとストレートな主人公という立ち位置が序盤からはっきりしており
ボケとツッコミを最大限に味わうことができる

更にアクの強いキャラクターたちに対し主人公もどんどんと腹黒くなってくる。
性格の悪さは1話から現れていたが、その性格の悪さがどんどんと深刻化していくことによって
暴力行為は加速し、鬼畜なレベルまでの処遇をサバゲ部の面々に味わせていく。

清々しいまでの素晴らしい「ツッコミ役」ではあるものの、
下衆さすら感じる主人公の行動や言動の数々は
人によっては毛嫌いしてしまう所があるかもしれない
他のサバゲー部の面々も相応に毒気があるからこその過度なツッコミではあるものの
話によってはやり過ぎとすら感じるくらいだ、
彼女のことを主人公と呼ぶのはちょっと抵抗感が出てしまう。

好感の持てる主人公、可愛いと思える主人公などでは決して無い。
巨乳なキャラクターに嫉妬し悪ノリしてトラウマを植え付けるわ、
蜂に襲われてる先生をあっさり見捨てるわ、友達は平気で盾にする
このゲスさがこの主人公の魅力ではあるが同時に欠点だ。
彼女を「ギャグとして受けいられる」か「真面目に受け止めて嫌悪感」を抱くかは
個人の好みによるところだが、彼女の強烈なキャラクターあってこその面白さだ。
だが、褒めている私でさえ「思わず引いてしまった」シーンも有る(苦笑)

更にいうと「主人公との絡みありき」でストーリーが構成されており、
さばげ部の5人がバランスよく登場する話が少ない。
あくまでもゲスな主人公が居て他のキャラクターと絡んでストーリーが生まれており、
「この話はこのキャラの回」と決まってしまっている場合が多く、
各キャラクターの使い方が甘い場合も多い。

サブキャラクターがメインとなる回も多いため、余計にメインキャラの影が薄くなる話もあり
その割にはサブキャラクターの人数も多くキャラ付けが強烈な場合も多い。
ギャグアニメの場合「使い捨て」のキャラクターを出すことで話を作る場合も多いが
この作品の場合、使い捨てにせずにむしろ頻繁にサブキャラも出してしまうため
中盤以降、メインキャラよりも「唐揚げレモン」という強烈なサブキャラが
影の薄いメインキャラを食ってしまっているパターンも多かった

ただ終盤になると、それぞれのキャラクターの「立ち位置」と「定番ギャグ」が
よりしっかりすることでお約束的展開のためにメインキャラクターが使われる場合が多くなり、
お約束的笑いも生まれている。
予想できないオチが多い作品なだけに予想できる「ギャグ」があることで
話の笑いの安定性が終盤になるにつれて増していき、
序盤から中盤にあった「たまに笑えないギャグ」が減り、
キャラクターの積み重ねによる笑いが終盤できっちりと生きてきたのは好評化に繋がった

全体的に見て美少女日常ギャグアニメという括りの中では優秀な作品だ
ただ純粋な「ギャグアニメ」としてみるとギャグが弱い話やテンポが悪い話が有ったり、
メインキャラの5人を使いこなしておらず主人公のゲスさに頼りすぎている場合も多い
しかしながら1度見る分には「予想外のオチ」や「強引すぎる展開」などで
思わず笑ってしまうパターンも多く、終盤になるに連れて笑いも安定している。
そして、そこに主人公と思えないような主人公の性格の悪さが強烈な笑いを生んでいた。

ギャグアニメらしいすっきりとした面白さはあるものの、何度見ても楽しめる作品ではない。
ただよくよく考えると原作を連載しているのは「なかよし」だ。
少女漫画ということを考えれば本来の視聴者は「唐揚げレモン」&我々みたいなオタクではなく、
小学生や中学生女子なのだろう。
本来の対象年齢を考えるとちょうどいいストレートなギャグ要素であり、
小学生や中学生女子が素直に楽しみやすい内容とも言える。

主人公の「性格の悪さ」も女性を対象にした漫画の主人公だからこそと考えると
少し納得できる部分もある。
ある意味で彼女の性格の悪さがあるからこそ深夜アニメらしいギャグアニメになっていたが、
あの性格の悪さがなければ朝アニメのような雰囲気すらある。

逆に言うと深夜アニメではなく、日曜の朝アニメなどで4クールぐらいガッツリ見たい作品だ
4クールぐらいの尺があれば掘り下げ不足&活躍不足なキャラにもスポットがもっとあたり、
バランスの良い作品になったかもしれない。
終盤になるに連れて面白さが安定してきた作品なだけに4クールくらいの尺があれば
もっともっと面白くなる作品かもしれない。
ただセクシー要素や過剰な暴力要素、「唐揚げレモン」というオタク要素など
日曜朝アニメにするにはふさわしくない要素もあるが・・・(苦笑)

ただ、残念なことにあまり売上が芳しくない。
2000枚前後と厳しい売上であり、あとは原作の売上増加次第だが
個人的には15分枠や5分枠でもいいので2期を見たいところだ