「エロマンガ先生」レビュー

2018年1月11日

評価 ★★★☆☆(44点) 全12話
エロマンガ先生

あらすじ 高校生のライトノベル作家でもある和泉正宗には、引きこもりの義理の妹和泉紗霧がいる引用- Wikipedia

俺のラブリーマイエンジェルあやせたんに叶うものなし

原作は伏見つかさによるライトノベル。
言わずもがなだが「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の作者である。
監督は竹下良平、制作はもちろんA-1 Pictures。
なお、竹下良平監督はこの作品が初監督。

見出して感じるのは「ライトノベル」原作らしい雰囲気だろう。
主人公はライトノベル作家であり、引きこもりで不登校の義理の妹と二人暮らし。
そんな中で自分の作品のイラストを担当している「エロマンガ」先生が、
実の妹だとある日知ってしまい・・・と言う所からストーリーが始まる。

このあらすじを見てもらえば分かるように、非常にラノベラノベした
分かりやすい「ご都合主義全開」の設定だ。
ラノベ作家の高校生主人公だったり、
義理の妹は中1の引きこもりイラストレーターだったりと
ありえない設定が分かりやすく並んでいる。
エロマンガ先生

キャラクターの設定もてんこ盛りである。
主人公の同級生は僕っ子で黒髪ぱっつんで巨乳、
同じラノベ作家なヒロインは金髪ツインテロリで厨二病ぎみ、
もう一人のラノベ作家は黒髪ボブで着物女子で巨乳と、
一人ひとりのキャラクターの要素が非常に多い。

本来なら破綻しかねない要素てんこもりのキャラクターばかりなのだが、
要素てんこ盛りなキャラクター一人一人が可愛らしく、
そんなキャラクターたちのドタバタ日常はシンプルに面白い。
エロマンガ先生

ただ良くも悪くもインパクトは薄い。
ラノベらしい設定とキャラクターは受け入れやすいのだが、
原作者の前作の「俺妹」と比べるとストーリーのインパクトは薄い。
言葉としては悪く聞こえるが「丸くなったな」と感じてしまう内容だ。

ヒロインが強烈なヤンデレなわけでもない、
デレを一切見せないツンツンなわけでもない、
典型的な幼馴染キャラと見せかけて腹パンしてきたりもしない、
こじらせまくった厨二病ぼっちなわけでもない。

いわゆる「よくあるヒロインのキャラ設定」が多く、
そのよくある要素を組み合わせて個性を生み出してはいるが、
ストーリーにしろキャラクターにしろ前作に比べてしまうとトガった部分がなく、
良くも悪くも分かりやすいラノベラノベした作品だ。
エロマンガ先生

ラノベラノベした作品だからこそセクシー描写はかなり露骨だ。
裸、水着、下着、胸チラetcと毎話のように何かしらセクシーなシーンがあり、
可愛らしいキャラクターデザインの反面で生々しさを感じるギャップと、
「狙いまくったカメラアングル」はタイトルから期待してしまうエロさは
期待以上だろう(笑)

キャラクター一人一人もかなりあざとい。
表情や仕草、セリフなど「狙った感」が物凄いのだが、
その狙いが見ている側の急所に見事突き刺さり、キャラクターの可愛さを感じられる。
俺妹では抑えていた「あざとさ」や「わざとらしさ」といった萌えアニメ特有の要素を
これでもかと盛り込むことで、わざとらしくあざといのだが、
悔しいかな可愛いと思ってしまうキャラクター描写だ。
エロマンガ先生

ただストーリーに関しては展開がちょっと早すぎる。
1クールでヒロインのうち2人が告白し、2人とも振られてしまう。
こういったラブコメにおける「告白シーン」は盛り上がり所のはずなのだが、
キャラクターによってはあっさりしすぎていて告白シーンで盛り上がりきれない。

主人公は基本的に妹に対して恋愛感情をもっており、
妹も主人公に対して恋愛感情をもっている。
この2人の恋愛感情が一切揺らがないため他のヒロインが入り込む余地がない。
告白したヒロインたちは頑なに諦めないと宣言はしているものの、
「結局妹とくっつくんでしょ?」というラストが読めてしまう。
エロマンガ先生

前作は血の繋がった兄と妹であり、
そういった部分のストーリーでは賛否両論の部分は多かった。
しかし、今回は血も繋がってない上に両親も亡くなっているため、
邪魔をするものが何もない。
主人公が「勘違い」してるからこそ成就こそしないものの、
正直引き伸ばしてるだけな感じも否めない。

ストーリーの区切りも悪い「そこで次回に持ち越すの?」という時が多々あり、
いわゆる序盤の山場での一区切りが4話というのは少し遅く、
4話のラストも本来は5話の序盤まで描いて初めて1つの区切りになったはずだ。
話の起承転結の区切りが悪いせいでどうにも歯切れが悪い。

魅力的なヒロインは多くいる。
だが、そのヒロインたちを使いこなせていない感じが強く、
妹がいつまでたっても引きこもりのままなので話も広がらない。
序盤に出てきた兄と妹の同級生たちが終盤では出てこなくなるのも気になってしまった
エロマンガ先生

総評

全体的に見てヒロインは可愛く「萌えアニメ」としては優秀だ。
しかし、その反面でテンポの早いストーリーや歯切りの悪いストーリー構成、
話が進んでいるようで進んでいないストーリー展開など、
「ストーリー」の部分で気になる点が多く、
せっかくの魅力的なヒロインを活かしきれていない感じが強い。

主人公に対する恋愛描写も無条件にヒロインが惚れまくりだ。
特にヒロインの一人の「ムラサメ」など3回しか主人公と会っていないのに
告白している。もちろん彼女なりの理由は描かれてはいるのだが、
あまりにも告白までの流れが早く、いわゆる「溜め」がなく、
彼女の魅力が分かる前に本来の最大の盛り上がりが描かれてしまった感じだ。

キャラクター自体は可愛いしエロい(笑)
主人公に対して積極的に迫っていくさまは素晴らしいのだが、
そのセクシーシーンを素直にストーリーの中で楽しみきれなかった。

ストーリーを描いていく中でヒロインの魅力が深まり、
主人公に対して行う行動やセリフで見ている側も主人公と同じように反応してしまう。
それがラブコメとしての楽しみ方ではあるのだが、
主人公の反応が薄く、見ている側もせっかくのヒロインの可愛さを
しっくりと味わいきれない。

ラストででた「ゲスト出演」の彼女たちのちょっとしたセリフを聞いてしまうと
余計にこの作品のヒロインの弱さを感じてしまう部分もあり、
前作と比較してしまうと物足りなさを感じてしまった。

エロマンガ先生

個人的な感想

個人的には破壊力が足りなかった作品だ。
俺妹と比較してしまうと肩透かしを食らう部分が多く、
ストーリーの軽さやご都合主義の数々など「ラノベ原作ラブコメ」としてみれば
気軽に見れた作品なのだが、
「俺妹」の「伏見つかさ」が「原作」のアニメと思ってしまうと、
あのヒロインの強烈なインパクトやシリアスストーリーはどこへいった?という
感じで終わってしまった。

売上的には7000枚前後と十分に2期を狙える売上だ。
俺妹に関しても2期から面白くなった部分もあり、、
この作品も2期があるならば印象が変わるかもしれないだけに、
期待したい所だ。

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