常にどっちつかず、常にちぐはぐ。「ラクエンロジック」レビュー

2016年6月29日

評価★☆☆☆☆(12点)全12話
ラクエンロジック 3 (特装限定版) [Blu-ray]

あらすじ
L.C.922年、神話の世界テトラヘブンの魔神たちが、人間の世界セプトピアへ襲来する。警察特殊機関ALCA所属の若きロジカリストたちは首都防衛のため、異世界の女神たちと合体(トランス)し、戦場に身を投じていた。とある「ロジック」が欠落しながらも家族と幸せな生活を送っていた民間人の剣美親はある日、美しき女神のアテナと出会い、思いがけない運命へ導かれる。こうして、若きロジカリストたちの天性の「運(ラック)」と「論理(ロジック)」に、世界の未来が託された。

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常にどっちつかず、常にちぐはぐ。

本作品はトレーディングカードゲームを題材にしたメディアミックス作品。
アニメ放送とカードゲーム発売が同時期に行われている、
監督は千明孝一、制作は動画工房

見だして感じるのはインパクトの無さだ。
主人公やヒロインたちのキャラクターデザインもどこかのっぺりとしており、
キャラクターが着ている衣装は派手なのだが、印象に残らない。
更に設定もややこしい、やたらに「ロジック」を連呼しまくるのだが、
そもそもロジックってなんだよ!と思わず突っ込みたくなる。

冒頭の説明からして「???」だ。

「ある日私たちは知った、あらゆる物質のもととなる原子すらも超越し、
才能、記憶、形なき全てを司る概念、ロジックという存在。
神々すらもロジックで存在することが常識となった世界、
それぞれの世界の存続をかけた戦いが始まろうとしていた」

どうだろうか(苦笑)
これでなるほど、よし世界観が分かった!となる人は少ないはずだ。
更に1話から大量の登場人物を名前も紹介しないままにどんどんと出し、
見ている側の理解を放置したままにストーリーを進める。

根本的にSFかファンタジーなのか、どっちつかずの印象のままだ。
世界観的には近未来であり、キャラクターの衣装や小物などもSF的だ、
しかし、主人公たちが戦うための手段は異世界の神であり、敵も「魔神」だ。
どっちつかずな世界観がこの作品に対する取っ付きにくさを産んでいる

更に戦闘シーンのつまらなさ。
基本的にアップと派手な演出で誤魔化す部分が非常に多く、
動き、つまりアニメーション的な面白さが薄い。
3DCGを多様しているせいで戦闘シーンでの攻撃の重みも薄く、
アニメというより、ターン制RPGの戦闘シーンを見ているような感じだ。
戦闘シーンが多い作品なのに戦闘シーンがつまらないのは致命的だ

ストーリー的にもかなり微妙だ。
簡単にいえば魔神が異世界から定期的に侵入してくるので、
神と契約し力を使えるロジカリスト達が、
神と合体して魔神と戦い、異世界からの侵入口を塞ぐ。
基本的にその繰り返しだ。
そんな中でキャラクターごとのエピソードを描くのだが、これが心底微妙だ。

そもそもキャラクターにあまり魅力がない部分もあるのだが、
その魅力を出すための掘り下げストーリーが雑で、
どうにも感情移入できない。

例えば13歳の時から戦ってきた少女がいる、
そんな少女が4年も戦ってきて今更、敵を殺すかどうかで悩む。
医者志望であり、例え異世界のモノでも殺したくないという
少女の言い訳も分かるのだが、愛がどうこうだののご高説を述べているのだが、
敵が長々とヒロインの言い訳を黙って聞きつつ、結果的に敵を殺す。

これで敵の存在がもう少し人間よりな感じで同情の余地があるならば
少女の不殺の気持ちも理解できなくはないのだが、特に同情の余地はない。
なんというか強い違和感がストーリーに常に残る感じが強く、
根本的なストーリーの起承転結がちぐはぐになってしまっており、
結果に至るまでの過程と、結果が素直につながらない。

一回キャラクターを掘り下げると基本的にサブキャラ扱いになってしまう。
せっかく掘り下げたのに、担当回以外の存在感が各キャラ本当に薄く、
そのせいでキャラクター同士の関係性が非常に希薄になってしまっている。

また、それにもまして主人公の存在感も薄い。
男性キャラクターは少なく、ハーレム状態なのだが、
女性キャラたちとの絡みは薄い。
女性キャラもめんどくさい性格のキャラクターが非常に多く、
めんどくさい性格のキャラクターを素直に可愛いとは思いづらい。

更に主人公の能力が「防御」のため戦闘シーンでの活躍が薄い。
盾で敵の攻撃を防御するかキャプテンアメリカのように盾を投げるくらいだ、
ちなみに主人公は過去に能力を失っており、
その時の姿は剣を持っていてかっこよく、
正直そっちの姿での戦闘シーンを見たいと感じてしまう場合が多い。

終盤では真の力を引き出して戦うのだが、これがまたダサい(苦笑)
昨年は「聖剣使いの禁呪詠唱」という作品の最終話での主人公の姿が
ギザギザで心底笑った記憶があるが、
この作品の主人公の最終形態のダサさは笑えないダサさだ。

全体的に見て1つ1つの要素を無駄にしている感じが強い。
基本的な設定やキャラクターデザイン、声優、ストーリーの流れなど
作品を構成している1つ1つの要素はそこまで悪くはないはずなのに
その要素を組み合わせた結果がからみ合っておらず、
作品全体として咬み合わないちぐはぐな印象が常につきまとっている感じだ。

ストーリー的には1話と2話と10話から最終話までを見るだけでも
十分理解できるだろう。本来は世界的に危機的状況なはずなのだが、
そういった緊迫感もなく内容が薄い。

個人的には7話で「からあげ」を食べるシーンが
ものすごくイラっときてしまった。
いわゆるテコ入れ的なセクシーシーンなのだが狙いすぎてる上にしつこい。
物語の中での自然なセクシーシーンは気にならないが、
この作品の場合「さぁ!テコ入れだ!セクシーシーンだ!」と
言わんばかりに唐突だ。

売り上げ的には爆死、Amazonでは評価すらつかないほど人気はないようだ。
カードゲームのほうは評価は付いているが1つか3つほどと少ない、
だが、こんな状況で「新シリーズ」をやるらしい。

2期という言い方ではなく新シリーズという言い方の場合は、
キャラ一新だったり世界観そのものが違ったりと、
作りなおしに近い場合が多いが・・・
普通に原作カードゲームをプレイしたほうが面白くなりそうだが・・・