健全ロボ ダイミダラー 

評価/★★★★☆(70点)

健全ロボ ダイミダラー 評価

全12話
監督/
声優/島﨑信長,日笠陽子,石上静香,花江夏樹,子安武人ほか

あらすじ

突如として地球に現れた謎の生命体《ペンギン帝国》と対ペンギン専門の秘密組織《美容室プリンス》の戦いが続く中、《美容室プリンス》は《ペンギン帝国》が操る巨大ロボ《ペンギンロボ》に対抗するために開発した対ペンギンの最終決戦兵器《ダイミダラー》のパイロットを探していた

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これぞロボットアニメの新要素、ギャップ燃え!健全とは何か貴様に問う!

見出して感じるのは作画の質だろう。
SF,しかもロボット物でありながらこの作品のロボットの描写は「CC」感が物凄く薄い
ロボットのデザイン、敵のデザイン、演出、
様々な部分で「最近のアニメ」とは違う「古いアニメ」の雰囲気を感じる
そして、その雰囲気を感じさせたと同時にOPが流れる

歌うのは「遠藤正明」さんだ(笑)
ロボットアニメ好きならこの名前を出せばこのアニメが
あえて「古いロボットアニメ」の雰囲気を出していることに気づくだろう
そう、この作品は2014年の作品でありながら作風は懐かしのロボットアニメだ
それが最も感じられるのは「主人公」のキャラクターデザインだろう

太い眉、学ラン、目付きの悪さ。
嗚呼、懐かしのロボットアニメの主人公と叫びたくなるほど古い(笑)
だが、そんな古いデザインのキャラクターでありながら行動は全て
エロに直結している。
テレビアニメで久しぶりに「スカートめくり」を豪快に見せてくれるような主人公だ

彼の行動は常に「エロ」に直結しており
胸は揉むわ、スカートはめくるわ、階段の下からスカートを覗くわと
主人公とは思えない行動の数々を一切の躊躇もなくストレートに行う。
そんな主人公に対し敵も変態だ。
いわゆる「戦闘員スーツ」のようなデザインのキャラクターなのだが
「股間」の部分が強烈に強調しており、前尻尾という意味不明な身体的特徴を持っている
ちなみに敵も主人公と同じように「エロ」に直結した行動を行う(笑)

最近のアニメの主人公ならハプニングが起これば
「照れる」描写や目を隠すような描写があるのがほとんだ
だが、この作品ではそんな素振りはしない。ある意味男だ。
それには大きな理由がある。

この世界において「エロ」=「力」だ
説明によるとHi-ERo粒子と呼ばれる粒子が存在し、
ヒトの情念をエナジー化する特殊粒子だ。
つまり「エロ」い力が強ければ強くなる(笑)
もはやアニメというよりもギャルゲーやアダルトゲームの設定のような感じだが、
それをあえて「アニメ」の中の設定に取り込む。

それも普通のアニメではない、このアニメは「70年台のロボットアニメ」だ。
熱血ロボットアニメをただ復活させるのではなく、
そこに最近のアニメで洗練されてきた「エロ描写」を取り入れることで
この作品は「ロボットアニメ」の新たな可能性を示唆してくれる。

私はロボットアニメが好きだ。熱血アニメが好きだ。
ストレートに突き刺さり、ストレートに燃え、ストレートに面白い
だが、そのストレートさは最近では「古い」と感じられ、
周りくどい設定やややこしいキャラ描写を入れることで
ロボットアニメにしている作品が非常に多い。
それも最近のアニメの傾向であり、面白さでもある。

だが、このアニメは普通なら「古い」と感じるストレートな熱血ロボットアニメに
「エロ」という要素を大胆に加える事で
古いが面白い、古いがセクシー、古いからこそ笑えるというテイストに変えている。

主人公がピンチになれば本来は「友情パワー」で熱血で乗り切るのが昔のアニメだが、
この世界ではピンチになれば乳を揉む(笑)
友情パワー、熱血パワーの代わりに「ハイエロパワー」を高めることで強くなる。
胸を揉みながら「遠藤正明」さんのシャウトがこだまするのは
かなりシュールであり、強いギャグ要素にもなっている。

だが・・・ここまで褒めておいて何なのだが
序盤ははっきりいって「出落ち」な感じが物凄い強い(苦笑)
確かに古いテイストを今にもってきてエロを加えるという試みは面白いのだが、それだけだ。
「セクシー要素」に関しても基本的に裸にしたり、胸を揉むパターンばかりでワンパターンだ
見せ方も甘い部分が多く、話が進むとセクシーー描写がおざなりになる部分もあり
セクシー要素がはっきりいってエロくはない(苦笑)

ただセクシー要素を大胆に描写しつつも「過激」に描写しないことで
この作品の根幹である「熱血ロボット」アニメの部分は
懐かしい空気を全開に漂わせつつ、迫力満載に描いている。
特に「5話」の戦闘シーンはロボットのデザインこそふざけているのだが、
泥臭いまでの戦闘シーンを展開しており、思わず心を奮い立たせられる戦闘だ

そして、そんな泥臭い戦闘の末、初代主人公が「死ぬ」という展開になる。
かなりの衝撃だ、ある意味「某作品」のオマージュとも言える展開ではあるのだが、
健全に全開にエロに忠実だった主人公が物語から退場することで
1話~4話の序盤で既に感じていた「マンネリ」がリセットされる。
6話からは同じアニメではあるのだがテイストが変わる。
なにせ主人公が変わるのだから(笑)

これが2クールや4クールくらい長いアニメならば
主人公が変わるような展開もあるだろう。
特にロボット作品はそういう展開の作品も多い。
だが「1クール」という短い尺での主人公交代はこの作品が初だろう。

それまでは「硬派な熱血エロ」主人公だったが
6話から「リア充カップル」になる(苦笑)
下劣な行動を行っていた主人公から下劣な行動を行わない主人公になり
最近のアニメの主人公のようなキャラクターへと変わる。

そして主人公が下劣な行動をしなくなった分、回りが暴走する(笑)
敵であるペンギンたちの下ネタは6話以降からキレが増し、
敵側のキャラである「リッツ」のセクシー描写も極まっていく。
それまでスポットの当たりづらかったサブキャラもストーリーにきっちりと絡んで
物語が盛り上がってくる。

ある意味で最初の主人公は「アク」が強すぎた。
熱血ロボット+エロという設定を受け入れやすくするため
最初の主人公を強烈なキャラクターにしたのはわかるが、
キャラクターが強すぎて他のキャラクターが霞んでいた。
こういっては何だが、ちょうどいいタイミングで主人公が変わる。

もはやリア充爆発しろと言いたくなるほどイチャイチャを繰り広げキスもしまくる(笑)
回りが下ネタを言わないとむさ苦しいだけだが、回りがきっちりと下ネタをかましてくるため、
リア充でイチャイチャカップルな行動の数々が
シモネタとの対比できっちりとギャグになっている。

1話から5話までははっきりいって、この作品のポテンシャルが
アクの強い主人公のせいで抑えこまれていた。
主人公が交代したことでそのアクの強さがなくなり、
「純粋にバカ」に「純粋にエロ」に「純粋に燃える」展開になっていく。
例えるなら永井豪的なセクシーさと面白さのバランスを持つ作品へと昇華する

うざいほどイチャつく主人公とヒロイン、
清々しいほどに暴走するペンギンさんとリッツという敵、
そんな状況をうざいと感じつつ見守る長官や博士たち。
それぞれのキャラクターの立ち位置がハッキリと明確になり、
そろぞれがバラバラに動いているように見えて見事に1つになっており、
「ダイミダラー」という作品を作り上げている。

そして、それに呼応するように「ダイミダラー」というロボットもかっこよくなる。
最初は無骨すぎてアンバランスすぎだったダイミダラーだが、
主人公が変わり「六型」と呼ばれるものになると変形機構を搭載し、
無骨なデザインはより無骨に、アンバランスな部分はよりアンバランスになることで
「無骨なかっこよさ」が極まっている。
冷静に見るとダサいのだが、大胆に動くことで「かっこよさ」が
アニメーションとしての面白みの中にきっちりと表現されている。

1話の段階ではダサいという印象のあるロボットが
7話では「かっこいい」という印象に変わる
マジンガーZから急に勇者王になるような印象の変化だ、
これはある意味で新しいロボット界の「ギャップ燃え」要素だ(笑)

1話~4話まであえて気になる部分があったのは
このギャップ燃えの効果を高めるためだとすれば製作陣は大変優秀だ
天然でモシやっているのだとすれば天才だ(笑)

ただ1つ問題が有り、敵側をきっちりと描いてしまったことで敵が敵として見れない(笑)
外見は同じなのにペンギンの一人ひとりの名前を思わず覚えてしまうほど
彼らのキャラクターが立っており、愛着が湧いてしまう。
後半は主人公側よりも、がっつりと敵側を描いてしまうため
見ている側の感情移入が完璧に「主人公サイド」から「敵サイド」に移ってしまう

主人公サイドよりも敵サイドに肩入れしつつ見てしまい、
その肩入れに答えるように「敵のロボット」もかっこよくなってしまい
ストーリー展開も「敵」と「味方」、「悪」と「正義」が完璧に入れ替わる。
もはや何のために戦ってたんだっけ?という疑問すら生まれるほどの逆転劇だ。
更にそこから物語が逆転する。

もはや見ていない人には何を言っているのかわからないと思うが、
この作品は逆転が4回もある(苦笑)
主人公が死に、主人公が変わり、主人公がペンギンになり、主人公が生き返る
何を言っているのかわからねぇーと思うが(以下略)

本来は王道的なストーリー展開ではあるのだが、
その王道的なストーリー展開の流れを無視し
強引にエロとノリとバカさと熱さと往年のロボットアニメのパロディで突き進む事によって
王道的なストーリーでありながら展開の予想が一切できない面白さを
最後の最後まで味あわせてくれた作品だ

全体的に見てこの作品は見れば見るほど面白くなる作品だ
最初の1話の段階では「出落ち」の「一発芸人的」なストーリーであり、
4話辺りで飽きる。だが、視聴者のそんな思いはわかっていた!と言わんばかりに
主人公の交代劇をドストレートな熱血ロボットな雰囲気で描き、
最初の主人公とテイストが全く違う主人公に変えることでマンネリを打開する。
そのマンネリを打開し雰囲気を変えたところでサブキャラをきっちり掘り下げ、
ストーリーと世界観、そして愛すべきバカなキャラクターたちに愛着を持ってしまう。

それは敵も味方も関係ない。
なんで戦ってたんだっけ?というちょっとした疑問はあるものの、
その戦う理由が「ふわっ」っとしているからこそ、正義も悪もない。
そしてだからこそ新しい共通の「敵」が現れる。

この作品はなぜ「健全ロボ」なのか。
セクシー過ぎる要素、下ネタの数々はとてもじゃないが健全とはいえない
だが、この「健全」にはきっちりと意味がある。
この作品らしい馬鹿馬鹿しい展開ではあるのだが、
最後の最後まで馬鹿馬鹿しさで貫いてくた気持ちの良さを感じることの出来る作品だ
私はタイトルにきちんと意味があり、最後にその意味が分かる作品が大好きだ

マジンガーZのような懐かしい熱血的エロ要素から
勇者王のような迫力満載なロボットバトル要素から
新世紀エヴァンゲリオン的なストーリーで終わる(笑)
所詮、人間の敵は人間だよとどこからともなく声が聞こえるような展開で
すっきりと作品を締めあげてくれた。

ストーリーも最初は突き当たりでめちゃくちゃなストーリーに思うのだが
意外にも後半まで見ると設定がしっかりしており錬られていることに気づく。
今からこの作品を見る人はできれば6話までは我慢してみて欲しい
序盤ははっきりいって好みが分かれる要素が強いのだが、
この作品は噛めば噛むほど味が出てくる作品だ。

うわ!下品!うわ!下劣!とセクシーな要素に対して拒否反応が出る人もいるだろう
だが、この作品はそんな「エロ」を活かして
マジンガーZも、勇者王ガオガイガーも、新世紀エヴァンゲリオンも
同時に楽しめてしまう欲張りな作品に仕上げ、
ダイミダラーという作品を1つの完成された作品に仕上げている。

そして、この作品はセクシーで下劣な要素に拒否反応が出る人に対して
「健全」を問うメッセージを秘めている、恐らく(笑)

2期をやろうと思えばできるような感じにはなっているものの
ストーリー的にはきっちりと締めており
2期がなくともいい余韻を残したままで終わっている。
原作がある作品で2期への繋げるようなストーリー展開にあえてしなかった事も評価したい

個人的には最初の方はちょっと低めの点数をつけるつもりだったのが
中盤から一気に評価かわり、最終的に高い点数になった作品だ
個人的に「ペンギンさん」のデニスがなぜだか妙にツボに入るキャラでお気に入りだ
見分けはつかないが(笑)

もし2期があるならば期待したい、なくとも完結しているので問題ないが
もう1度、この往年の「ロボットアニメ」オマージュアニメを味わいたいとも感じている。
まさかの映画化を個人的にはひっそりと期待しています。