デンキ街の本屋さん

2014年12月18日

評価/★★☆☆☆(36点)

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カメ子かわいいよ!カメ子!でも・・・もう一歩足りない。

原作は月刊コミックフラッパーで連載中の漫画作品。
制作はシンエイ動画。

見出して感じるのは「ぷにっ」っとした女性キャラクターのデザインだ。
頭身が低く丸い顔で指が短い、年齢的には秋葉原の本屋で「バイト」をしている
キャラクターたちなのでそれなりの年齢のはずなのだが
何も知らなければ「小学生」くらいに見えるようなキャラクターも居る

更に名前。
1話の冒頭でキャラクターの頭の上に名前が出ることでキャラ紹介を兼ねているのだが
キャラクターの名前がいわゆるアダ名だ。
「ひおたん」「先生」「腐ガール」「カメ子」など本名ではなくアダ名で互いを呼び合っている。
長い名前ではなく、そのうえキャラクターの特徴がわかりやすい名前になっている

特徴的なキャラデザと特徴的な名前でキャラクターの印象が最初から強まる。
基本的にこの作品は「日常」ものであり、
そんな日常アニメだからこそキャラクター描写が重用であり、
キャラクターの印象が最初から強まることでキャラクターへの感情移入も早くできる
主人公だけ「名前」で呼ばれているというキャラ付けも悪くない

そんな特徴的なキャラクター設定に対して内容は「日常オタクコメディ」だ
秋葉原の本屋(同人)でバイトするキャラクターたちの日常を描きつつ、
そこにオタク的会話やオタク的ギャグ要素、アニメや漫画のパロディセリフを加えて
日常ストーリーを展開している。
基本的に1話の中でAパートとBパートで違う話を切り替えており、テンポよく進む

ただ、テンポよく進みすぎている感じも強い。
キャラクターたちが1話から早々に「コミケ」に参加するのだが、
コミケ参加模様の描写が物凄くあっさりしている。
もう少し掘り下げられるような展開の時にあまり掘り下げずに場面展開するパターンが多く、
せっかくキャラクターたちが可愛いのにその可愛さがポイントポイントでしか発揮されない

またパロディセリフが全体的に滑りがちだ。
一応、その状況にあったセリフを引用してギャグにしているのは分かるが、
それがギャグになっておらずあっさりと流れてしまう。
オタクなキャラクターたちだからパロディセリフがなきゃダメだ!というような
使命感を感じるような冷めた感じのパロディセリフは正直微妙だ。

同じオタク作品で「げんしけん」があるが、
あの作品のように自然なオタク同士の中での「パロディ」セリフではなく、
この作品の場合は制作側の「パロディセリフ」を入れたいという意図が見えてしまい
不自然になっている。
パロディする作品も有名作品、有名セリフばかりのいわゆる「ありがち」なセリフばかりで
さらっということが多いためパロディセリフ出る度に萎えてしまう。

更に言うとストーリーも当たり外れが大きい。
1話の中で2つの話を展開しているが、
AパートはあたりでBパートが外れか、その逆のパターンや
最初は面白いのに展開がグダグダでつまらなくなるパターンも多い。
基本的に演出が弱い場合が多く「ギャグ」と「萌え」を押し出しているのに
どちらも描写が中途半端だ。
ギャグならばもっとテンポの良さと強いギャグが必要だし、
萌ならばもっとキャラクターの作画の質を上げるべきだ。

笑いきれない、萌えきれないパターンが多く
萌え要素やギャグ要素が強い話の時はいいのだが、
萌え要素やギャグ要素が弱い話の時はとことんストーリーが退屈に感じてしまう。
もう一歩突き抜けてくれれば微妙に感じるストーリーも楽しめると思うのだが、
その一歩がない。

そんな状況にもかからず「セクシーシーン」の作画だけが妙に気合がはいっているため
エロや萌という感覚よりも「あざとさ」のほうが際立ってしまう。
話の流れでの自然なセクシーシーンではなかく、
「はい!セクシーシーンですよ!」と言わんばかりに唐突に入れてくるため
余計にあざとく感じてしまう。
キャラクターデザインのぷにぷにさも相まって人によっては嫌悪感を抱きやすい

自然な日常シーンでの自然な動きなどはきっちり描かれており、
もう少し作画の質さえよければ「ただ座る動作」だけで萌えられそうなのに
微妙な作画の質のせいでせっかくの日常シーンの中での萌えが微妙になってしまっている
こういってしまうとあれだが、制作側が「萌えアニメ」の作り方をわかっていない
せっかくのシーン、せっかくの状況を生かしきれていないもどかしさを感じてしまう

そしてストーリーが進むと、どんどんラブコメ要素が強くなる。
これがどうにも「萌え」と「ギャグ」と「日常」の要素と噛み合わない
1つ1つの要素が1つの作品を作るために同じ方向をむいているのではんく、
1つ1つの要素がバラバラに進んでしまい描写しているため、
ラブコメ要素が強くなると途端に他の要素の描写が薄くなる。
極端に言うと作品の統一感がない。

ラブコメ要素を強くしたあまり微妙にシリアスな要素が入ってくる場合もあり、
それまで描写していたギャグや萌え、キャラクターデザインと
あまりにも不釣り合いになってしまっている。
とくに終盤は本屋さんなにそれ?状態でラブコメ中心になってしまい
ギャグ要素や萌え要素、日常描写が薄くなってしまった感じだ。

全体的に見て極端につまらないわけでも極端に面白いわけでもない。
なんとなくつまらなく、なんとなく面白い。
ただ、その「なんとなく」な感じがずっと続いてしまい決定的な何かがない。
後半になると話のパターンが似通ったものになってしまい、
「なんとなく」惰性で淡々と見終わってしまった印象が強い感じだ

wikipediaによると「海雄」が主人公なはずなのだが、
話が進んでくると誰が主人公だか分からなくなる。
いや、むしろ「カントク」のほうがハーレムのような感じになっており彼の方が主人公らしい。
更に言うと中盤以降、話がパターン化してしまっている。

シュチエーションは変えてはいるし、キャラクター同士の関係性も微妙に進んではいるのだが
結局、同じようなことをしており展開が似通ってしまっている。
特に「先生」の女子力話は最初こそ面白かったのだが2度、3度と繰り返されると
流石に飽きてしまった。

作画に関しても序盤はセクシー描写の部分で頑張っていたのだが、
中盤以降はセクシーなシーンでも微妙な作画になっていることが多く、
せっかくのシュチエーションで女性キャラクターたちの可愛らしさを
表現しきれていなかった部分が大きい。
作品全体として「もどかしさ」を常に感じてしまう。
もう少しキャラを掘り下げれば、もう少し話が面白ければ、もう少し萌えられれば、
その「もう少し」がいつまでたっても解消されずに終わってしまった。

メインで描かれるのが「カントクとひおたん」「海雄と先生」の組み合わせばかりなのは問題だ。
これは好みの問題なのかもしれないが、この2人のヒロインよりも
腐ガールやカメ子といったサブキャラクターたちの恋愛模様のほうが
「この作品らしい雰囲気」のちょうど塩梅のラブコメ描写になっており、
同時にこの2人のほうがキャラクターの魅力も強い。

メインの2組のラブコメだけは別作品を見ているような感じが強く、
ラブコメが中心になったことで「本屋さん」というシュチエーションがないがしろになっており、
話が進めば進むほど作品の方向性がブレているようにも感じてしまった。
最終話も「なんとなく」な雰囲気のまま「ふわっ」っとストーリが終わってしまい
エピローグで渾身のギャグが滑って終わる事で作品の印象が悪いまま終わってしまった。

制作がシンエイ動画ではなく萌アニメを作り慣れている会社なら
作品の印象はもっと違ったかもしれない。
子供向けの作品が多いシンエイ動画だからこその良さをあまり生かしきれていなかったのが
この作品の致命的な欠点だったかもしれない。

個人的には「かめ子」が可愛かったので中盤以降の彼女の報われない恋愛描写が
もどかしくて好きだったのだが、
それ以外の話がワンパターンでちょっと中盤以降は飽き気味だった
2クールぐらいあって話も完結していれば
ワンパターンな展開からも脱出し、恋愛描写も楽しみきれたかもしれないが・・・
1クールでは色々と中途半端なまま終わってしまった感じだ。
テイストは嫌いじゃない作品なだけに惜しまれる作品だ

逆に2期があったら化ける作品かも知れないが・・・売上が厳しそうだ(苦笑)
色々と本当に残念だ。