集え、関西弁女子好き男子「ステラのまほう」レビュー

評価★★★☆☆(50点)全12話

あらすじ 私立星ノ辻中学高等学校に入学し女子高校生となった本田珠輝(ほんだ たまき)は、多趣味だが一貫性がなく、これといってやりたいことを持たない今までの自分をどこか空虚に感じており、進学を機に、本気で打ち込めるような部活動を探していた引用 – Wikipedia


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集え、関西弁女子好き男子

原作はまんがタイムきららMAXで連載中の漫画作品。
監督は川面真也、制作はSILVER LINK.

見出して感じるのは物凄くゆるい雰囲気だろう。
ふわーっとゆるーっと、優しく始まる冒頭は
非常に分かりやすい導入部分だ。
キャラの説明と経緯も丁寧に説明しつつOPが始まる。
いわゆる「きらら系」の日常アニメらしい始まり方だ。

そんなある種、新鮮味0な導入部分では有るが、
話が進むと「同人ゲーム制作」という話の本筋が出てくる。
これも新鮮味と言う意味では同じきらら系列の「NEWGAME」が
前クールで放映されてしまっており薄い。
「NEWGAME」は学生ではなく社会人であり、この作品は高校生であくまでも部活。

その違いから描かれるものの変化はあるものの、
きらら系列でゲームを扱うという似たような要素の有る作品を
2016夏、2016秋と連続でやってしまうと、どうしても比較してしまう部分があり、
もう少しブランクを開けてくれれば比較しないですんだかもしれないだけに、
ちょっと残念だ。

まったりした中でも非常に淡々とストーリーを進める。
すこし絵がかける主人公が同人ゲームづくりに携わり中で、
すこしずつ成長していく流れを画きながら、
同じ部活のキャラクターも掘り下げていく。

非常に可愛らしいキャラクターデザインであり、
丸っとした独特の印象を受けるが、ストレートな萌えキャラとは違う感じだ。
高校生という設定から生まれる身長の高さが
しっかりとキャラデザに取り入れられており、
強い「萌え」要素はなく日常要素に重きをおいている。

ギャグに関しても微妙に滑っているものも多く、
日常者だからこそ強い笑いは求めてはいないものの、
「SNS部」という部活名の正式名称が
「死んだ魚の目日照不足シャトルラン部」というギャグ要素など、
笑いづらい感じの冗長なギャグが多い。

しかし、その一方で日常者としては珍しく、きちんと「目的」がある。
同人ゲームを制作する中での主人公の悩みをキチンと描いており、
いわゆる「シリアス」的な要素もあるのだが、
ウジウジっと悩むものの、そのシリアス感が重すぎず、
きちんと成長のための「悩み」と「解決」であり、
それがこの作品の面白さにもつながっている。

これといって演ることもなく目的意識も薄かった主人公が、
「SNS部」の仲間のヤル気や、昔の自分の夢も相まって、
少しずつ変わっていき、少しずつ成長していく。
その流れも淡々とはしているものの丁寧に描写しているからこそ、
「キャラクターの成長」をきっちりと自覚できる。

そんな中でキャラクターの魅力をも深まっていき、
キャラクターも増えていくことで、
この作品自体の魅力と面白さがにじみ出てくる。

いわゆるインパクトというのはない。
そのおかげで序盤ではこの作品の面白さに気づきにくく、
インパクトがないせいで退屈に感じてしまう部分もあり、
見るのを止めてしまうことも多いだろう。

だが、その序盤を乗り越えるとじわりじわりと
この作品の面白さを感じることができる。
この作品が素直に面白といえるようになってくるのは4話を超えたあたりであり、
その4話を超えた当たりから「淡々さ」がほどよい空気感に変わり、
強い笑いのないゆるさとキャラの可愛さが癒やしに代わる。

ただ、たまにやや重いシリアス展開もあり、
日常者としては暗い雰囲気になりすぎるときもある。
普段のゆるふわっとした雰囲気があるからこそ、
シリアスな雰囲気は好みが分かれる所だろう。
特に終盤はシリアスなシーンも長い。

全体的に見て1クールの作品としてはインパクト不足は欠点では有るものの、
1つの作品として1話から最終話までのストーリーを見ると、
主人公がきっちりと成長する物語がきちんとあり、
その中で日常もの特有のゆるふわっとした内容を味わう事もできる作品だ。

ただ、いろいろな部分が中途半端な感じになっている感じも否めない。
萌え要素としてはキャラデザ以外に強い萌えシーンはあまりなく、
ギャグ要素もあるがやや滑り気味な部分が多い、
日常ものとしては青春モノとしての側面もあるためシリアスな雰囲気が邪魔をし、
青春モノとして考えると前半はだらっとした日常描写が多い。

この絶妙なバランスの組み合わせが「ステラのまほう」という
作品の雰囲気と面白さを作り上げているのだが、
その反面でそのバランスの絶妙さが中途半端な印象も与えてしまい、
人によってはしっくりとこなかったり、序盤で退屈に感じてしまうかもしれない。

前半と後半でやや作品の雰囲気も違い、
前半は好きだが後半は微妙、前半は微妙だったが後半は面白くなったなど、
印象の変化もある作品だ。
もし、前半で微妙に感じた方は7話くらいまで見てみると
面白くなってくるかもしれない。

きちんとキャラクターも成長する姿が描かれており、
キャラクター同士の距離感や関係性の変化も面白い。
その「変化」や「成長」の面白さが早い段階では伝わりにくいために、
地味な感じになってしまっている作品だ。

青春者の側面も強い作品であることから、
いっそ2クールくらいでガッツリと「物語の終わり」まで
見たくなってしまった作品だった。

前クール放映のNEWGAMEに比べるとインパクト不足が強く、
地味な面白さはあるのだが、その地味な面白さが伝わるのに時間がかかってしまう。
1クールのアニメにおいてはNEWGAMEくらいの、
言い方は悪いが、媚びた要素が多い方が商業的には成功しやすいだろう。

売上的には600枚前後とかなり厳しい。
インパクト不足が売上的にも苦戦してしまった原因だろう。
2期が厳しいラインなだけに色々と残念だ。

個人的には主人公が関西弁をたまに使うのだが、
日常的に使ってほしいくらい可愛かった(笑)
ただ、たまにだからこその破壊力とも言えるのが難しい所だ。

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