「鹿楓堂よついろ日和」レビュー

評価 ★★★★☆(72点) 全12話

あらすじ 和風喫茶・鹿楓堂(ろくほうどう)には様々な悩みをかかえた客が集う。引用- Wikipedia

まさにダークホース、私は今、抹茶シフォンケーキは食べたい

原作は月刊コミックバンチで連載中の漫画作品。
監督は神谷友美、制作はZEXCS

見出して感じるのはわかりやすいイケメンパラダイス状態だろう。
メガネ、ガチムチ、優男、少年とテンプレート的かつ、
ありきたりなイケメンキャラ4人はわかりやすく女性向けである事を感じさせ、
かなりストレートに「狙った」描写もある。

演じている声優さんも諏訪部順一、中村悠一、小野大輔、山下大輝と
ど定番すぎる配役であり、いい意味で安定している。
この文章だけで「あ、みたい」と思った人ならば間違いなく楽しめる。
そのくらいにわかりやすい要素で構成されている作品だ。


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

だからこそ1話からしっかりとキャラ立ちしている。
4人のキャラクターがテンプレートで有名声優だからこそ、
説明されなくとも「こういうキャラだろうな」というのが分かる。
そのキャラ通りで意外性がないからこそ、安心して楽しめる。

同時にこの作品は「料理」の要素も兼ね備えている。
4人が働く「鹿楓堂」は和風カフェであり、
色々な和風スイーツや和食が出てくる。
料理の作画はかなり気合が入っており、いわゆる飯テロ描写になっており、
深夜に見ると思わず抹茶と羊羹でも食べながら見たくなるような描写だ。


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

各話、悩みのある客が「鹿楓堂」に訪れてお茶を飲んだり和菓子を食べたり、
お店の雰囲気や従業員たちと触れ合う中で悩みが解決する。
この手の料理を扱ったアニメや漫画でありがちな話の展開ではあり、
奇をてらった話や思わず涙腺を刺戟されるような話はまるでない。

1話など仕事で煮詰まった女性が気分転換に「鹿楓堂」で仕事をし、
「鹿楓堂」のお茶や料理を楽しんだことで、
気分転換ができたというだけの話だ(笑)
驚くほどシンプルかつ、驚くほど薄味だ。

だが、その淡々と地味だが染み渡るような話の展開が
「和カフェ」という舞台をマッチしており、
見ている側が料理を「おいしそうだなー」と感じながら、
薄味な話を「ほっこり」と楽しめる。


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

派手さはない、だが、派手さがないからこそ丁寧な作りになっており、
料理の作画やキャラクターの作画、背景の描写、音楽といった
1つ1つの要素がこの地味かつ淡々とした作品の内容を
盛り上げすぎないようにかつ地味になりすぎないように見せており、
造り手側のこの作品に対する愛情と「面白くしよう」という努力を感じる。

料理アニメでありがちなのはキャラクターのオーバー反応だが、
この作品の場合、そういうオーバーな反応はない。
シンプルに「おいし~」とキャラが反応する様は見てる側にも
その美味しさがじんわりと伝わるような感覚だ。

メインキャラの4人がイケメンなため女性向けであることは否めない。
しかしイケメンキャラばかりではあるものの、いわゆる「BL」な要素はない。
狙ったようなシーンはあるものの、狙いすぎているわけでもない。
どうしてもイケメンアレルギーが有るという方以外は見れる作品だ。


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

さらに言えば訪れる女性キャラが非常に可愛い(笑)
1話限りのゲストキャラにしておくのはもったいないと感じるほど、
艶っぽい作画と相まって可愛さが増しており、
可愛い女性キャラがスイーツを楽しむ様は可愛らしいがあざとくはなく、
男女とも受け入れやすいキャラクターばかりだ。

一応、全体のストーリーとして主人公の店を始めるまでの過去や、
主人公の兄との関係性などがある。1クールの中で少しずつ描き、
最終話できちんと完結させるストーリー構成になっており、
最終話の「今までのお客さん」が集合する展開は
日常アニメでありながら大団円を感じさせる素晴らしい構成になっていた


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

総評

全体的に見て非常に良くできている作品だ。
「鹿楓堂」という和風カフェを舞台に、
そこで働く4人のイケメン男子と毎話訪れるお客さんとの日常話を基本に、
和風をテーマにした美味しそうなスイーツや料理の数々と、
そこにふんわりとした雰囲気のストーリーが染み渡るように楽しめる作品だ。

作画の面でも本当にきっちりとしており
全話に渡ってかなりの質を保っている。
特に料理の描写は本当にこだわりを感じるほどレベルが高く、
アニメにおける「料理の描写」が好きな方にはたまらない作画ばかりだ。
和風カフェという舞台だからこその料理の数々は思わずお腹がなってしまう。

欠点を言うならば地味ということだろう。
イケメンだらけではあるもののBL要素や恋愛要素があるわけでもない。
狙ったシーンはあるものの、露骨にあざとさを感じるまでのシーンはない。
BL要素が入ればもっと腐女子の方にも受けた派手さがあったかもしれないが、
それがないからこそ、この作品は男女ともに楽しめる作品になっている。

タイトルやwikipediaを見た限りだと女性向けの作品だろうという
先入観が生まれやすいが、この作品は決して女性だけに向けた作品ではない。
騙されたと思って男性諸君にも見てほしい。
スイーツを楽しむ女子の可愛さは紳士諸君にはたまらないはずだ。

1話1話の中で色々なお客さんが訪れ、大きく盛り上がらないが
しみじみと面白いストーリーと、1クールの積み重ねを活かした
最終話を見せてくれる。
1話から最終話まで丁寧かつしっかりと作られている作品だ。


引用元:©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会

個人的な感想

個人的にはダークホースな作品だった。
タイトルやキャラ紹介だけを見ただけでは女性向けのBLな感じに見えるが、
1話を見て良い意味で裏切られ、
最終話まで一気に見てしまうほど「面白い!」と感じられる作品だった。
タイトルやキャラデザで食わず嫌いせずにぜひ1話だけでも見てほしい。

余談だがエンディングテーマがインストゥルメンタルなのが好きだ。
この作品の雰囲気にあっており最後の「仕掛け」も楽しめる
制作側の遊び心まで感じる完成度の高い作品だった。

なお私は今、抹茶シフォンケーキが食べたくてたまらない(苦笑)

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