人生相談テレビアニメーション「人生」

評価/★★☆☆☆(27点)

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人生いろいろ、アニメも色々

原作はライトノベルな本作品。
監督は「にゃんこい」でお馴染みの川口敬一郎。
アニメーション制作はfeel

見出して感じるのは「どこかで見た内容」という感じだろう。
言われなくとも「ライトノベル」原作であることが分かる周りくどいセリフ回しで
どこかで見たことのある女性キャラクターたちが1話から出てくる
「この作品の特徴」と言える部分がキャラクターやセリフ回しからは一切感じられず、薄味だ。

内容もいわゆる「日常」なアニメだ。
第二新聞部という必要性を感じない部活をいきなり始めることになった主人公、
そこに理系代表、文系代表、体育会系代表の3人の美少女とともに
生徒の人生相談に答えるという内容だ、人生相談に突飛もない回答を出しつつ話を構成している。
その各キャラの「突飛もない回答」に対し主人公がツッコまない
ひたすら傍観し流れに身を任せている感じが強く、主人公が主人公として機能しておらず
「ツッコミ」がおらず、そのせいでボケもボケとして成立していない場合が多い。

ボケに対して更に「小ネタ」を挟んだり、各キャラの特徴を活かしたうんちくまで
台詞に盛り込んでくるためて無駄にセリフ量が多くなっており、
そのセリフ量に相応しい笑いになっていない。
1話30分という尺を明らかに使い余しており、1つのボケをうす~く引き伸ばしており
そのせいでキャラクターは早口なのに話のテンポが異常に遅い。

更に無駄なセクシーシーン。
前述したようにキャラクターデザインはどこかで見たようなキャラでしか無く、
作画自体も「予算の少なさ」を感じさせるほどあまり質がよくない。
間延びしたボケをキャラクターたちがやっている中でセクシーシーンを入れられても
そこに萌えやエロスを一切感じず話のテンポや空気感が崩れるだけだ

もっと簡単に言うとセクシーシーンとギャグシーンで別の作品を見てるかのような気分だ
「ギャグ」と「セクシーシーン」が不調和を起こしてしまっており、
1つの作品として空中分解してしまっている。
ギャグシーンとセクシーシーンで作品の空気感もガラっと変わってしまうため
序盤から中盤まではこの作品の「空気感」や「面白さ」を感じにくい

はっきりいって慣れるまでは「この作品は何がしたいんだ?」と感じる部分も多く、
見ている側は「この作品をどういうふうに見れば面白くなるのか」を探らないといけない、
非常に疲れるアニメだ。
特に序盤はその傾向が強く1話などは非常に厳しい。
本来大切なはずの「1話」がこの作品でもっともつまらない話なため
いわゆる「1話切り」した人は多いだろう。

序盤を乗り越えて中盤になると見ている側も「この作品の見方」がわかり、
主人公のツッコミの弱さや唐突なセクシーシーンの描写、無駄なセリフ量などが減ることで
中盤辺りから作品がだんだんとスッキリとしてくる。

序盤の山場としては「4話」辺りまで見るとこの作品の面白さが伝わるだろう。
シュールギャグな感じとキャラ萌えがきちんと調和しており、
傍観者だった主人公の立ち位置もようやく見ている側にしっかりと伝わり、
不調和だったセクシーシーンの不自然さもない。
この4話のようなボケと萌えのバランスが1話からあれば1話切りした人は少なかっただろう
身も蓋もない話だが、この4話をいきなり1話に持ってきても良かったのでは?と感じるほどだ

ただ、すっきりとしてきても「キャラクターの弱さ」がやはり致命的だ。
1話から出ているメインの4人と部長の魅力がようやく伝わってきたところで
敵対勢力として「第一新聞部」なども出てくるのだが、この第一新聞部のキャラ付が本当に弱い。
メインの4人もキャラ付は弱いが話の積み重ねで魅力が出てくる、
だがサブキャラである第一新聞部たちはキャラクターのインパクトがあまりにも弱い
もう少し大胆なキャラクター付けをしてもよかったのでは?と感じるほど印象が薄い

そんな印象もキャラ付けも弱い「第一新聞部」が出ることで話の面白さが一気に減る
「面白い」と評価した4話もAパートは第二新聞部だけで純粋に楽しめるのだが、
第一新聞部がBパートから出ることで途端に話のレベルが落ち、
彼らがいなくなることでまた面白さが戻る。
明らかに「サブキャラ」が「メインキャラ」に負けすぎてしまっており、
その差が面白さにも響いてしまっている。

更に話の方向性が変わってくる
序盤から中盤までは「生徒の人生相談」に答えながら話を展開しており
それが定番化し慣れてくると「ネタ切れ」したのか話の方向性が変わり、
根本である人生相談を放っておいて脇道なストーリーばかりになってしまったり
話として何がしたいのかわからない内容のストーリー展開ばかりになってしまう。

せっかく1話の欠点を話が進むことで改善していき4話や5話で安定したのに
その安定を崩してしまい、作品の芯である人生相談を忘れて、
どうでもいい話や新キャラ追加話や生徒会長の不正話など微妙な話ばかりを
メインに据えて話を展開してしまっている。
唯一安定しているのは「キャラクターの可愛さ」だけだが、可愛さだけでは面白さが持続できず
「キャラクター可愛かったな」という印象以外残らない話が中盤以降は増えてしまっていた

ただ終盤になるとキャラクターのテンションが高くなる。
8話ないし9話あたりから「作風」が変わったのか?と感じてしまうほど
序盤とのキャラクターのテンションの差が激しい。
主人公もまるで人が変わったように鋭いツッコミを入れたり、
キャラクターの立ち位置が終盤でようやくはっきりすることで
「この作品の面白さ」をようやく感じるようになった印象だ。

全体的に見て話のクォリティの当たり外れがあまりにも大きい。
序盤は外れの回があまりにも多く作画も安定しておらず、はっきりいってつまらない
中盤からはキャラ萌えアニメに徹底しているためキャラクターの可愛さが
ようやく際立つが話の内容は微妙な場合が多い。
終盤でようやくキャラクターの立ち位置もしっかりしボケとツッコミが入ることで
日常ギャグアニメとしてようやく見れるものになった印象だ。

話によっても方向性が前の話とぜんぜん違う話も多く、
せっかく作品の見方が分かり慣れてきたと思ってもすぐにその慣れを崩してしまう
表現としてズレているかもしれないが「毎話別の監督、別の脚本家」が作っていますと
言われたら納得できるようなチグハグ感がある。
もっとチグハグで毎話毎話暴走しているなら「カオス」という意味合いで評価できるが、
中途半端に前の話と方向性を変えてくるためチグハグな感覚が残ってしまう。

作品の「芯」である人生相談さえ崩さなければ
チグハグ感をここまで感じなかったかもしれないが
中盤からはその芯がおまけ程度になってしまい人生相談そっちのけで
キャラクターたちがドタバタしている話も多い。

またキャラクターの設定もキャラ付けが弱いために深みがなく、
メインキャラは話の積み重ねでようやく魅力が出てくるが、
本来はその魅力は最初から出ていなければならず、
その後にもう1段階魅力が深まることでよりキャラクターに愛着が湧くのだが、
その、もう1段階、もう一味、もう一癖欲しいのに、もう一歩が踏み込まずに
外見的な「可愛さ」以上の魅力が薄い。
特に「美術部」と「文系」の2人はもう一歩何か欲しいところだ

最終話まで見ても結局残ったのはキャラクターの可愛さだけだ
キャラクターが序盤の段階で気に入れば最終話まで見ることができるだろうが、
キャラクターが気に入らなければ最終話まで見るのはきつい作品だ
最終話を見終わった直後なのにメインのキャラの名前の印象も薄い

序盤は日常シュールギャグアニメにしか見えなかったのに中盤からは萌えアニメだ
それも純粋な「キャラ萌え」な作品なため、そういったたぐいが嫌いな方にも厳しいだろう
1話から萌えアニメ全開で描写していれば作品全体の印象の変わったかもしれないが
序盤の「グダグダ感」「滑りっぱなし感」が全体の評価に響いてしまった印象だ
この作品本来の日常ギャグアニメとしての実力が出るのは終盤なだけに、
それまで「キャラクターの可愛さ」で視聴のモチベーションを保てるかどうかは
個人の好みによる所が大きいだろう。

個人的に「1話」の最悪ぶりが最終話まで残ってしまった。
途中でキャラクターの可愛さやふとした時のギャグで笑ってしまうこともあったが、
外れの時の「話の消化不良感」が妙に残ってしまい、最終話を見終わった後に妙に疲れた作品だ
もう少し吹っ切ってキャラ萌えに徹底するか、ギャグに徹底するか、
シュールに徹底するか決めて欲しかった感じもある、色々と中途半端だ

売り上げ的にも1巻は1話のみ収録で特典やイベントチケットなどをつけているが
2000枚ほどと厳しい枚数だ。
原作の売上増加次第では2期があるかもしれないが・・・
逆に2期があれば終盤の面白さを初めから味わえると考えれば期待できるかもしれない。
そういった意味では2期を期待したいところだ。

本当にあの1話さえもう少しマシだったら売上ももっと増えたかもしれない。
それだけに1話で大ゴケしてしまったのが残念でならない。
ただ、1話の印象と最終話の印象はまるで違う作品なだけに
「一話切り」してしまうのはもったいない作品だ。
今から見る方は4話辺りまで見てから視聴を継続するか判断してもらいたい。