普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。

評価/★★★★☆(71点)

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ろこどる、応援してみませんか?

原作は4コマ漫画作品。
アニメーション製作はfeel、監督はR-15の名和宗則。

見出して感じるのは独特の「まったり」さだろう。
主人公がお母さんにお小遣いのおねだりをする所からストーリーが始まり、
主人公の登校シーンに切り替わる。ゆっくり、ゆっくり、ゆっくり。
慌ただしさなど一切感じさせない丁寧な物語の始まりは
1クールアニメとは思えないテンポだ。

しかし、この「遅さ」には理由がある。
この作品の主人公はタイトルにもある通り「普通の女子校生」だ
特別に美少女なわけでも、特別に何かの才能があるわけでもない
外見的にも内面的にも能力的にも一言で「普通」といえる主人公だ
だからこそ彼女の日常も「普通」の日常であり、その始まりは「普通のテンポ」だ。

そんな普通の女子校生だからこそ、あっさり騙される(笑)
彼女の叔父は公務員であり、地域活性のために時給1000円で主人公に
何も告げずにバイトに誘い(報酬前払い)、
無理矢理「ローカルアイドル」に仕上げてしまう。
1話の前半15分のまったりさから後半15分の変化が自然で小気味よく切り替わる。

更に彼女のパートナーは「美人で巨乳」のまさにアイドルになるような美少女。
そんな中で水着姿で地味なイベントを行う。
「派手な演出」は全くない、日常アニメらしい自然な描写で悪く言えば地味だが
他のアニメでは味わいにくい「独特の空気感」を感じるまったりなストーリー展開だ
題材にしている田舎のアイドル「ろこどる」にふさわしい地味さとも言えるが、
この地味さがこの作品の面白さだ。

はっきりいって序盤は決定的な面白さ、爆発的な笑い、衝撃的な可愛さを感じる要素はない。
「なんか面白い」「なんかクスクスできる」「なんか可愛い」
決定的な「何か」を文章で伝えることは出来ない、
だが決定的な「何か」が無いからこそ不思議な面白さを感じさせる作品だ。

ローカルアイドルの予算の少なさは「作画ののっぺりさ」で表現し
ローカルアイドルらしい企画力の無さは「ストーリー展開の地味さ」で表現しており
ローカルアイドルらしい外見は「キャラクターデザイン」で表現している。
アニメ自体の予算も少ないのはポイントポイントで感じるのだが、
その「予算の少なさ」があるからこそローカルアイドルらしさを生んでいる

この作品は本来は「アイドルアニメ」だ。
地域限定の「ろこどる」とはいえ、主人公はあっさりとアイドルになり
あっさりとテレビに出る、テレビに関してはレギュラーだ
だが、そのテレビは流川市の「ケーブルテレビ」だ(苦笑)
三本撮りは当たり前、どうでもいいレポートは当たり前、ロケ現場までは歩きなど
アイドルアニメでありながら「ローカル」という要素が
アイドルという派手さを圧倒的な地味さで打ち消し、その地味さが面白さになる。

そして見れば見るほど、不思議と「ろこどる」の2人を応援したくなってくる。
特に何か劇的な事件が起こるわけではない、特にアイドルになりたい理由があるわけではない
地味に淡々とろこどるとしての仕事をこなす2人に不思議な愛着が出てくる
テンポの早いストーリー展開ではなくゆっくりとまったりしたストーリー展開だからこそ
この地味さが見事に面白さにじわじわと変わってくる。

更に二人のキャラクター
主人公である「宇佐美 奈々子」、そしてパートナーである「小日向 縁」
この二人の対比が素晴らしい。
主人公は前述したとおり地味、縁は天然なお姉さんでお嬢様、
裏表とは言わないまでもかけ離れた感じの2人だからこそ対比や距離感の描写が
「ほっこり」とできる描写になっており、そこにも不思議な可愛さと面白さがある。

派手なキャラクター付けとはいえない、はっきりいって地味だ。
だが、地味だからこそ、地味だからこそいい。
特別な何かや派手なキャラ付けがないからこそ地味だが、
「まったり」とした空気感にふさわしいキャラクターになっている

だが逆にまったりしてるからこそ1話1話を長く感じやすい。
見ている間の時間の流れが本当に遅く感じるほど
「あれ?まだAパート?」「あれ・・・まだ4話?」と
見ているとどんどんとこちらの時間感覚が遅くなっていくのを感じるほどの
まったりとした空気感だ。

見る人によってはそれは「ダレ」と感じてしまうかもしれない。
決定的な面白さがないのがこの作品の面白さだが、
決定的な面白さがないからこそ「見るのを止める」人も多いかもしれない
水着などのシーンはあることにはあるが作画的にセクシーとはいえない、
刺激的といえるようなシーンが少ないがゆえに仕方ないが、
できれば1話で切らずに3話ないし4話くらいまで見て欲しい。

特に3話までは見て欲しい。
この作品は「日常」アニメだ、日常アニメは時の流れがゆっくりで
あまり全体的なストーリーがあるわけでも進展しないことが多い作品が多い。
だが、この作品は日常アニメでありながら同時に「アイドル」アニメだ。
きっちりと主人公たちが成長しているのを感じられる日常アイドルアニメだ

最初は無理矢理に時給1000円に釣られたままにアイドルをやったに過ぎない
衣装だって水着やTシャツ、歌う曲は地元に昔からある曲だった
だが、3話で彼女たちは「アイドル」としての形になっていく。
それまでのストーリー展開は本当にゆっくりだ、ストーリーが進んでいるかどうかの実感さえない
しかし3話のライブシーンを見ている最中に思うはずだ。
彼女たちは「アイドル」として成長していると。

お世辞にも派手なライブとはいえない。
振り付けだってマイクを持って体を揺らしたり、少し移動するくらいの振付だ
歌だってもう正直いって下手だ、学芸会レベルといえばそれまでだ
だが、ダンスも下手なのに歌も下手なのに3話のライブシーンは不思議な感動すら生まれている。
派手なアイドルアニメとは真逆とも言えるライブシーンが
この作品の「方向性」をしっかりと感じさせる素晴らしいシーンになっている

更に話が進めば進むほど少しずつ「キャラクター」が増えていく。
ゆるキャラの中にはいっている先輩だったり、
主人公たちのファンであり変態さんなマネージャーだったり、
キャラが増えれば触れるほどキャラクターの魅力ががじわりじわりと増していく。
1話では見ることの出来なかった可愛さ、ギャグの面白さが
話が進めば進むほど煮詰まっていく作品だ、1話で切るのは本当にもったいない

逆に言えば1話の段階ではこの作品の面白さは感じない。
1クール全12話という尺をうまく使い、話が進めば進むほど魅力を感じるキャラクターたち、
そんな徐々に魅力も深まるキャラクターだからこそアイドルとして応援したくなる。
下手な歌も下手なダンスも、派手な演出はないのに感動してしまうストーリー構成で
徐々に成長していく彼女たちのアイドルとして、女子校生としての日常に惹かれていく。
そして、きっちりと感情移入したキャラクターが終盤で
自分の思いを歌詞にし曲にし振り付けをつけてライブをする。

彼女たちは「ローカルアイドル」だ。
だが「ろこどる」でも「アイドル」には違いない。
1つのアイドルが誕生し成長し、完成していくまでの物語を1クールという尺で綺麗に描き
きっちりと1つの作品としてまとめている

ここまできっちりとキャラクターの「成長」を感じられる作品も珍しい。
1話、2話の彼女たちと終盤の彼女たちの成長がわかるシーンがきっちり有ることで
視聴者にストレートに「成長」を感じさせる。
キャラクターに感情移入してるからこそ、その成長に少し感動すら覚えてしまう。
ゆったりとしたテンポ、まったりとした空気感の中で丁寧にキャラクター描写があるからこそ
わかりやすい成長描写がストレートに見ている側に突き刺さってしまう。

その極めつけは最終話だ。
序盤の「面白さ」を感じにくいゆったりしたテンポ、
人によっては退屈に感じてしまうまったりとした空気感とストーリー展開、
そのマイナス要因とも言える要素は最終話、
その「ライブシーン」のためにあった!と感じせるほどの内容だ。

1話では地元のプールでのライブだった、1話では衣装もなくて水着だった、
1話では持ち歌すらなかった、1話では踊りだっておぼつかなかった、
1話では歌だって下手だった

そんな彼女たちが
最終話ではロコドルフェスタという最高の舞台で
最終話ではマネージャーが夜なべ作った完璧な衣装で
最終話では自分たちで作った思いを込めた持ち歌で
アイドルとしてロコドルとして完璧な踊りと歌で最高のライブを見せてくれる。

1話では可愛いとも思わず感情移入もしていなかった2人のキャラクターが
最終話でもう可愛すぎるのだ。
きちんとした振付できちんと歌っているだけのライブシーンだ、
作画的にも演出的にも他のアイドルアニメのライブシーンには負けるだろう。
だが「感情移入」という意味では他のアイドルアニメに負けない、
最高のオンリーワンな「ろこどるアニメ」を見せてくれた
不思議な感動があのライブシーンにはぎゅっと詰まっていた

全体的に見て素晴らしいストーリー構成の作品だった
1話の段階では特に魅力を感じないヒロインの日常アニメだったのが
3話では応援したくなるアイドルアニメになり、4話からはアイドルの日常アニメになり、
終盤ではそれまでの自分たちを振り返って「自分たちの曲」を作り最高の舞台で披露する
まるで1話からの話が全て曲作りへの伏線のごとく
1話から最終話までの流れがきちんと芯が通っている。

ローカルなアイドル、るこどるだからこその親近感。
それがこの作品の根幹であり、その親近感から来る感情移入を
丁寧に丁寧に積み重ねて1話から最終話までで「1つの話」を作り上げてくれていた。

欠点を言うならばこの作品は最終話まで見て初めて「面白かった!」と素直に言える作品だ。
序盤から中盤までの空気感は好き嫌いが別れるまったりさであり、
途中で見るのをやめてしまう人もいるのも理解できる内容だ。
だが、途中で見るのをやめてしまうのはもったいない
最終話まで見て初めてこの作品の面白さをひしひしと実感できるだろう。
個人的な意見になるが最終話を見た後に1話を見て欲しい。
1話を始めてみた時には気づかなかった「面白さ」が色々な所にある。

1期で綺麗にまとめあげていることも評価したい。
1話から最終話までのきちんとしたストーリー構成で1つの作品がきちんと完成していた。
それに付け加え2期をやる余韻もある。
 
3年生と留学を予定しているキャラクターがおり、その先には「卒業」の描写もあるだろう。
1期はアイドルが誕生し完成していくまでのストーリー、
そしてこのストーリーから2期は彼女たちの青春を描けるストーリーが「想像」できる。
だからこそ2期が見たい、続きが見たいと思ってしまう。
完成された1期だからこそ、その続きが見たくなってしまう。

特別可愛いわけでも特別スタイルあいいわけでも特別何かがるわけでもない
普通の女子校生がろこどるになる、本当にタイトル通りの内容だ。
だが、このタイトル通りの内容をここまで素晴らしい作品に仕上げていることは
素直に評価したい。
本当に予算も少なかった部分も感じるのだが、その予算の少なさが
この作品の空気感をリアルに作り上げていた。
もし2期があっても同じ予算でやって欲しい所だ(笑)

ただ、本当に残念なことにBDの売上が若干厳しそうだ。
Amazonで売り切れているため1巻の売上はもう少し枚数は増えるかもしれないが
2期が期待できるような数字ではない。
あとは原作の売上次第という所も大きいが・・・

確かにいわゆる「売れる」作品ではない。
強いセクシーシーンもなく、ライブシーンも少ない。
特に序盤の空気感は好き嫌いが分かれやすい感じなだけに売上にも直結しているかもしれない
だが、本当にこの作品が2期をしないのは本当にもったいない。
一人の流川ガールズのファンとしてこの売上枚数は心苦しい限りだ。
ある意味、ローカルアイドルらしい売上だとも言えるのだが(苦笑)

OVAみたいので私もAmazonで注文したのだが、入荷時期未定・・・
いつ私はOVAを見れるのだろうか(T_T)