連載漫画の読み切り版のような荒削り感「WWW.WORKING!!」レビュー

2017年7月31日

評価★★☆☆☆(38点)全13話

あらすじ 東坂高校に通う真面目な高校1年生・東田大輔は、ある日、父親の会社が倒産してしまい、小遣いと携帯代と定期代を出せないからバイトでもしろと父親に言われ、ファミリーレストラン「ワグナリア」でアルバイトを始める引用 – Wikipedia


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連載漫画の読み切り版のような荒削り感

原作はWEB漫画な本作品。
WORKINGとは世界観と同じとする作品であり、
作品内のファミレス「ワグナリア」の別店舗の話ということになっている。
監督は鎌倉由実、制作はA-1 Pictures

見出して感じるのは男性キャラのデザインの弱さだろう。
WORKINGと比べると男性キャラのデザインが非常にシンプルであり、
印象としてはやや薄く、
普通の高校生の役を「中村悠一」さんが演じるとやや渋さが増してしまっており、
高校生にやや見えない感じが強まってしまっている。

逆に女性キャラクターの味付けはかなりピーキーだ。
WORKINGでは伊波さんが「男性恐怖症」で思わず殴ってしまうという
設定だったが、この作品のヒロインのひとりでも有る宮越さんは、
そういった設定はないのに殴るシーンが有る(苦笑)

もう一人のヒロインは幽霊が見えたり、お嬢さま+日本刀を持つようになったり、
金髪ヤンキーでタバコを吸っていたりだと、
WORKINGの前身的作品だけあって似たようなキャラ付けも多いのだが、
WORKING以上にそのキャラ付けに対して理由が弱い部分があり、
極端になりすぎている部分も大きい。

WORKINGを見てる人ならば「ああ、この作品からWORKINGが生まれたんだな」
というのが分かってある意味面白いのだが、
キャラの設定や描写、1つ1つのネタなど洗練されてない部分が多く荒削りだ。
連載漫画の連載前の読み切り漫画版のような感覚といえばわかりやすいだろう

キャラクターもはっきり言ってあまり可愛げがない。
WORKINGなら伊波さんや種島さんなどの「癒やし」と可愛さがあり、
山田のような愛すべきキャラの存在感が作品を盛り上げ、
そこにラブコメ要素が加わり日常コメディとのバランスが取れていた。

しかし、この作品の場合、極端なキャラ付けのヒロインはあまり愛着がわかず、
そのヒロインたちの極端な行動はギャグにはなっているが、
極端な行動だけに好みが分かれるシーン描写になってしまっている。

例えばある男性キャラはとあるヒロインの会社に対して借金を背負っている、
そんな彼に対しヒロインはバレンタインデーに札束を手渡し、
1番高いチョコを勝ってこいお釣りはあげると言い放つ。
一応男性キャラの反応のお陰でギャグにはなっているのだが、
人によってはヒロインの性格の悪い行動や言動にイラっとしてしまうかもしれない

ヒロンに愛着が湧きづらいというのは「日常ラブコメ」において致命的だ。
メインヒロインである宮越さんは暴力的要素に加え、料理が下手という設定がある。
伊波さんの暴力の代替的な設定であり、まずい料理を主人公が食べて悶絶する。
そこにもう少し「申し訳無さ」や日常での可愛げが有るならいいが、
日常での言葉遣いも荒く、料理に対する申し訳無さもないため
ヒロインに対する愛着を湧くべきとっかかりどころがない。

序盤からキャラクターも登場させすぎだ。
名前も覚える間もなく1話の段階で10人以上のキャラを出してしまっており、
極端なキャラ付けでヒロインの印象はある程度つくものの男性キャラの印象は薄い。

2話以降もどんどんキャラクターが追加されてしまい、
こういった日常作品に有りがちな「ネタ切れしたら新キャラ」という
お決まり展開が序盤の段階から出てしまっており、
もう少し一人ひとりのキャラをしっかり掘り下げてから
徐々にキャラを追加すれば問題ないが、掘り下げる前に新キャラが出てしまうため
いつまでたってもひとりひとりのキャラの印象が定まらない。

ただストーリー的には終盤盛り上がってくる。
急激にファミレス内でのキャラ同士の恋愛関係が進歩し、
終盤のこの怒涛のラブコメ展開がびっくりするほどテンポが良く、
前半までのヒロインの可愛げの無さはどこへ?と思うほどだ。

やや詰め込みすぎている感じはあるものの、
この終盤のための準備のための序盤から中盤と考えれば、
最後まで見て初めて面白かったといえる作品だ。

全体的に見て好みが分かれる作品だ。
特に序盤から中盤までのキャラクター描写の毒気の強さは
好みが分かれる部分であり、多すぎるキャラクターもあまりさばききれていない。
ただ終盤になるとラブコメが急激に進み、
ヒロインの可愛さや「WORKING」という作品の世界観の面白さを感じられる。

色々と惜しい作品だ。
やはりWORKINGの前身的作品というのを強く感じてしまい、
いろいろな部分が荒削りだ。
だが、この荒削り感を楽しむ余裕を持って終盤まで見てほしい作品だ。
荒削りだからこその作品のたたみ方は好感が持てる

きちんと作品を完結しているという意味でも個人的な評価は高い。
こういった日常ラブコメは続きは原作で!や2期を思わせるような展開も多いが、
この作品はある程度ストーリーを完結させており、
見終わるとすっきりとした感じが残る作品だ。

だからこそ序盤から中盤までのとっつきにくさと
好みが分かれるところは残念な所だ。