日常

The中途半端「魔法少女なんてもういいですから。」レビュー

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評価★★☆☆☆(23点)全12話
魔法少女なんてもういいですから。 [Blu-ray]

あらすじ
葉波ゆずかはある日、ゴミ捨て場で奇妙な小動物・ミトンと出会う。ミトンから授かった腕輪の力で魔法少女に変身できるようになったゆずかだが、よりによってその姿は水着。しかも成り行きでミトンと同居することとなったゆずかだが…。

The中途半端

原作は漫画作品。
監督は米田和弘、制作はPINE JAM。
1話3分ほどの短編アニメだ。

見だして感じるのはキャラクターデザインだろう。
はっきいりいって地味過ぎる主人公、地味過ぎるクラスメイトと
地味過ぎる印象であり、1週間後には忘れていそうなキャラデザだ。

そんな中になぜか金髪ツインテールでド派手な近所の少女が現れるのだが、
ものすごく強い違和感を生んでいる。
Wikipediaによると、この近所のツインテール少女はアニメオリジナルキャラらしく、
この作品の世界観や雰囲気に全く馴染んでいない。

ストーリー的には日常系。
地味過ぎる主人公がゴミ捨て場で謎の生物に出会い、
魔法少女できる腕輪をもらうことで魔法少女になったという
ところから話が始まる。

しかし、多くの人が想像する「魔法少女」とはちょっと違う。
変身した姿は水着であり、なおかつ倒す敵もいない。
魔法少女になれる力をもらっただけで、目的がなく、
魔法少女になった少女の日常が淡々と描かれる。
つまりは魔法少女ものの皮を被った日常系だ。

そのせいか妙にフェチズム溢れる描写が多い。
水着姿になった瞬間に狙いまくったアングルや、「ある部分」にドアップにしたり、
お腹の描写に妙に気合が入っていたり、下着や裸の描写があったりと、
こういった「3分アニメ」にしては珍しいセクシーシーンだ。

ただ、あくまでも3分アニメとして珍しいだけで、
他の作品のセクシーシーンに比べていいというわけではない。
3分アニメだからこその目新しさは感じるが、それ以上のものはなく、
妙にフェチズムめいたこだわりは人によっては嫌悪感も感じるだろう。

更にストーリーがかなりゆったりだ。
日常系だから仕方ないとも言えるのだが、
1話1話が「ゆるふわー」としており、間延びしている感じもある。
日常系としても1話3分であり、地味なキャラデザのせいか
日常系ならではの癒しや萌えが少ない。
頻繁に描写されるセクシーシーンも日常系としては邪魔なシーンになっており、
いろいろな部分が中途半端になっている。

はっきりいってしまえば「流行り」に乗ろうとしている感じが強い。
魔法少女、日常系、百合、下衆いマスコットキャラなど、
最近のアニメでよくある要素を組み込んでいる感じがあり、
そのどれもが中途半端だ。

魔法少女としては魔法の要素は特に生かされない、
日常系としてはキャラに萌えづらく魔法要素のせいで日常要素が薄っている、
百合描写も取ってつけたような感じも強い、
下衆いマスコットキャラも「淫獣」というあだ名が流行りにのってる感じが強い、
もう一歩踏み込めば面白くなりそうなのに、
踏み込まずに一歩手前で踏みとどまっている感覚だ。

更にアニメオリジナルキャラである金髪ツインテール少女も、
本当に取ってつけたようなキャラクターであり、
これも「きんいろモザイク」あたりを参考にしたのかもしれないが、
オリジナルキャラを出すのならもう少しキチンと活かしてもらいたい所だ。

全体的に見て中途半端な作品だ。
魔法少女の日常系という試み事態は非常に面白いと思うのだが、
その試みが活かしきれておらず、どうにか活かそうと色々な要素を足しているが、
足してしまった要素が肝心の魔法少女の日常系という要素を薄めており、
アニメでその足した要素を強調してしまった感じが強く、
この作品の中途半端さが目立ってしまっていた。

色々と酷評しているが、決してつまらないわけではない。
全話見終わっても30分ほどであり手軽に見終われる良さがあるからこそ、
欠点が気になってしまい、もう一歩踏み込めば、もう一歩掘り下げれば
素直に面白い作品になりそうなもどかしさが常につきまとっている感じだ。

原作がまだ一巻しか出ていないらしく、2期があるとしても相当先だろう。
いっその事30分アニメで1クール新しく作りなおせば、
日常系作品として化ける可能性もありそうな作品だ。

「」は面白い?つまらない?

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