たまゆら

評価/★★★★☆(69点)

たまゆら 評価

全4話
監督/佐藤順一
声優/竹達彩奈,阿澄佳奈,儀武ゆう子,井口裕香ほか

あらすじ
瀬戸内の竹原を主な舞台として、写真好きの女子高校生である沢渡楓とその友達が、それぞれのまだおぼろげな「夢」を追いかける物語。『ARIA』のスタッフが中心になって製作されている。 竹原の町並みや風景を作中で忠実に再現している

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ぽってぽってぽってぽって。なので。

本作品はAIRなどの癒しアニメでおなじみの佐藤順一さんによるOVA。
舞台となった竹原市が町おこしにもなっており、
OVAからテレビシリーズが2期まで制作されている。

基本的なストーリーは日常もの。
瀬戸内の竹原を舞台とし、そこに引っ越してきた高1の写真好きな少女を中心に
高校生という難しい年頃の少女たちの将来への不安や悩み、
また主人公の少女が父親をとった写真の場所を探すというのがメインな話になっている。

この作品、私は不覚にもオープニング曲を聞いた時点で
この作品面白いぞという予感を感じてしまった。
そのOPがこちら


日本で知らない人は居ないかもしれない?というのは言い過ぎかもしれないが
魔女の宅急便のEDでお馴染み、荒井由実さんが歌っていた
「やさしさに包まれたなら」を声優の坂本真綾がカヴァーしてらっしゃいます。
この曲がこの作品の雰囲気とぴったしあっており、物語の期待感を高めてくれる。

そんな期待感に答えてくれるのは街並みだろう。
作画のレベルが高く「竹原市」の暖かかつ、少し古風な雰囲気のする街並みは
作品の世界観をより「身近」に感じさせ、よりキャラクターが生きる要素にもなっている。

街並みの作画はもちろんお好み焼きなどの食べ物も非常に美味しそうに描かれており、
出てくるおやつの数々や食べ物を食べる度に幸せそうにするキャラクターの表情も
可愛らしいキャラ描写につながる。
キャラクターの「ぽてぽて」っとした動きやSDキャラが動く様子など
キャラ描写を深めると同時に自然に「癒される」雰囲気を作り出している。

ストーリー的にはほのぼのとしたものだ
主人公の少女が写真好きということもあり、登校途中に手でカメラを作り
指の中のフレームに抑える様子など、何ともいえない可愛さがあり
主人公の声優である「竹達彩奈」さんの声質とも合っており
「~~なので」という主人公の口調も良かった。

主人公の友達3人もそれぞれキャラ付けがしっかりとしており、
それぞれの立ち位置からしっかりとキャラクター同士の掛け合いをし
ゆったりとした世界感の中でもしっかりと「くすくす」っと笑えるような笑いを産んでおり
キャラ萌えやギャグとは違った「日常アニメ」だからこその魅力が出ている。

更に主人公の語りも多く話の中に取り入れられている。
竹達彩奈さんのかわいらしい声をゆったりと耳にささやくように入り込み、
1話15分という短い構成の中で語りが生きており、
15分なのに30分のような濃厚さを感じられる。

本筋のストーリーとしては将来を決めかねている少女たちにくわえ、
主人公の亡くなった父親と行った思い出の場所を探す。というストーリーも展開されている。
山を登ったり、銭湯に入ったり・・・
そこに強い伏線はないが、日常ものとしてはこの世界感に浸り癒される。

しかし、ストーリーの尺が短いだけに「キャラの名前」を覚える前に終わってしまった感じもある。
1時間という尺の中で若干キャラ数が多すぎた
もう少し絞れば最後の「父との思い出」のシーンの感動も極まったと思うのだが、
やはり1時間という尺なだけにストーリー展開が早いため溜めが甘かった。

全体的に序盤は良かったが終盤は尻つぼみしてしまった印象が強い。
これは全4話のOVAという尺で考えると仕方ないかもしれないが、
結局父親との思い出の場所もふわっっとしてしまい
短い尺の中で話を広げすぎないのは好感が持てるのだが、
もう少し話のオチの付け所をしっかりして欲しかったと感じてしまう。

しかしながら、オチをしっかり付けなかったことで
逆にもっとこの少女たちの話を見たい!と思わせるだけの余韻が残った。
後のテレビシリーズ展開を考えたストーリー構成と考えれば、
OVAの中で十二分に「たまゆら」の魅力を味わえる作品だ。
全4話1時間で見れるというのも手軽に見やすい癒やすアニメとして最適だろう

また声優陣もいまをときめく、竹達彩奈、阿澄佳奈、井口裕香の3人にくわえ
ベテランの中田譲治や緒方恵美なども出てるのがポイントだろう。
私的には竹達彩奈さんはツンデレ系よりも
こういった、ほわっとしたキャラクターのほうがあっているのでは?と感じたくらいだ。

個人的には是非見てほしい作品と同時に、物足りなさを感じてしまう作品だった。
だが、テレビシリーズが展開されている今となってはこれでありかなと思えてしまう。
テレビシリーズを考慮した上でのOVAと見れば、完成度の高い作品といえるだろう。

休日に見える「癒やしアニメ」をお探しの方にはオススメだ。
1時間でしっかりと「佐藤順一」の世界観に浸ることができ、
最後に少し温かい気持ちで見終わることの出来る作品だ。