「ゆるキャン△SEASON2」レビュー

5.0
日常
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評価 ★★★★★(84点) 全13話

あらすじ これも、ある冬の日の物語。山梨の女子高校生である志摩リンは、愛車の原付に乗って一路浜名湖を目指していた引用- Wikipedia

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腹を割って話そう

本作品はゆるキャン△の2期。
監督と制作ともに1期から変更はない。
1期から、へやキャン△を経て3年ぶりの2期となった。

きっかけ

2期の1話、それはある意味で始まりの物語だ。
1期の1話の時点では当たり前のように一人でキャンプをしていた少女、
そんな少女がとある少女と出会うことで互いに影響され、
仲良くなり、みんなでキャンプをする物語が1期だった。

2期ではそんな本来ならば1期の1話で描かれるような
「始まり」が描かれている。
志摩リンという少女にとってのファーストキャンプ、
彼女が祖父から譲り受けたキャンプ道具をきっかけにキャンプに興味を持ち、
彼女が初めてキャンプ地でキャンプをする。

彼女の「初めて」が非常に丁寧に描かれている。
2期の1話であえて「志摩リン」という少女の原点を振り返る。
初めてだからこそ何もわからない、試行錯誤し、テントを立て、
人に聞きながら火をつけ、カレーをつくり、食べる。
志摩リンにもこんなときがあったんだなとほっこりとさせられる。

彼女の始まりを描くことで、2期の1話の導入にもなり、
1期以上に彼女に愛着を持ててしまう素晴らしい1話だ。
いろいろ調べ、完璧に準備してきたはずなのにうまくいかない。
この3年でゆるキャン△のおかげでキャンプをやったオタクたちには
強い共感が生まれるかもしれない(笑)

緩やかに

この作品はいわゆる日常アニメだ。2期でもそれは変わらない。
しかし、そんな日常アニメではあるものの、
緩やかに時間は流れている。
1期のラストではクリスマスキャンプをし、年末を迎えた彼女たち。
2期ではその続きから描かれており、彼女たちのバイト風景が描かれている。

キャンプをするのにはお金がかかる、世知辛い(笑)
この手の趣味や部活系のアニメの場合はそこを無視されることもあるが、
本作品の場合は丁寧すぎるくらいに彼女たちのバイト模様も描かれている。
酒屋、郵便局、本屋。

バイトの休憩時間にはLINEで会話をする風景も見せることで、
彼女たちの「日常」を覗き込むような1期からの感覚は変わらない。
その日常の映し方の工夫にも変化が生まれている。
特徴的なのはまるで魚眼レンズで撮影したようなシーンだ。

これは原作の漫画で使われている手法のようだが、
アニメでも原作再現と言わんばかりに魚眼レンズ風のシーンが
時折挟まれることで、何気ないシーンや風景や一瞬のシーンの強みが生まれ、
まったりとした絵が続く本作品においていい強弱になっている。

そんな日常を緩やかに描く。ときは静かに、だが、確実に流れている。
もしかしたら何年後かにはこんな事はできないかもしれない、
飼っている犬も亡くなってしまうかもしれない、
そんな生きる上での漠然とした「不安」や「心配」は彼女たちにもある。
それでも彼女たちはそれ以上に「今」を楽しもうとしている。

だからこそ、テンポ感もかなりまったりしている。
1期以上に緩やかに、1日1日を噛みしめるように静かに流れていく時間と、
より丁寧に描かれる日常、人によってはテンポが悪いと感じるかもしれないが、
このまったりとした空気感こそが、ゆるキャン△という作品の魅力でもある。

お金

キャンプにはお金がかかる、それは当たり前のことだ。
最低限のキャンプ道具を揃えるだけならそこまでじゃない、
しかし、キャンプを好きになればなるほど
「アレもほしい」「コレもほしい」という思いに駆られる。
どんな趣味でも同じことだ。

もっとお金が欲しい、もっと色々なものがほしい。
そうすればキャンプはもっと楽しくなる。
そんな思いが彼女たちを駆り立てバイトに勤しむ。

序盤はキャンプのシーンよりもバイトのシーンのほうが多いくらいだ。
キャンプは毎日行けるものでもない、毎週行けるものではない。
学生である彼女たちには時間はあってもお金がない。

それでも序盤は食べるものはやたら豪華だ。
うな重、大海老天丼と美味しそうなお高めの料理の数々は
親や姉のお金で食べるものだ、そんな自分たちのお金ではないからこその
うまさもある(笑)

ようやく稼いだ1万円、そんな1万円で手に入れるランプ。
それは特別なものだ。
社会人にとっては1万円など大した額ではない、だが、
学生の彼女だからこその1万円の重みと、手に入れた喜び、
そして初めてのバイト代でかった「姉へのプレゼント」は
より「なでしこ」というキャラに感情移入させる。

珍しい組み合わせ

今作「なでしこ」はなかなかキャンプに行かない。
バイトをし、キャンプ道具を買い、またバイトをしている。
そんな彼女はともかく、他の4人はキャンプを楽しんでる。
志摩リンはひとりキャンプの良さを改めて感じ、
大垣千明、犬山あおい、斉藤恵那は3人だけでキャンプをしていたりもする。

珍しい組み合わせだ。
斉藤恵那は志摩リンの友達であり、他の3人とは友達ではなかった。
しかし、1期で交流を持ち、友だちになったからこそ、
新しい組み合わせでお出かけをすることもある。
3人のキャンプ、3人だけのキャンプは独特の空気感だ。

ほわほわとゆるく、マイペースで思いつき。
だが、それでも本当に楽しそうで自由だ。
冬の山中湖で3人だけで楽しむキャンプ。
だが、うまいこと行くとは限らない。

トラブル

キャンプはトラブルがつきものだ。
特に冬のキャンプにおける「寒さ」はときに命の危険すら及ぶ。
準備不足、リサーチ不足を自覚し、自覚したあとにどうするか。
常にうまいこといくわけではない、自然の中で楽しむものだからこそ、
そんな自然の厳しさをこの作品はきちんと描いている。

どんな場所に行くにしても自然の中に行くならば
「連絡」が取れるようにしておく。
その大事さと危険性をこの作品はリアルに真剣に描いている。

そんな厳しさを描いたあとに「暖かさ」も描く。
温かいテントの中、薪を燃やすストーブの暖かさ、
そして人の「優しさ」に彼女たちが触れる。
一歩間違えば事故になる。キャンプというものを描いているからこそ、
大事なことをこの作品は濁さずに描いている作品だ。

1期はキャンプの楽しさを描いている作品だった。
2期は、そんなキャンプの楽しさも描きつつ、
キャンプにおけるお金や自然の驚異などの欠点も描いており、
より深く1期以上に「キャンプ」というものを描いていると言ってもいい。

トラブルを乗り越えた先に見た3人だけの景色。
それは3人の友情をより深めた証だ。
少し照れくさそうに、少し寒そうに、だけど楽しそうな3人の姿に
ほっこりしてしまう。

一人で

そんな中で、なでしこは密かに計画してる。
たった一人だけのキャンプ、志摩リンのように、彼女に影響されて
キャンプを始めた彼女が、志摩リンのようにひとりキャンプを楽しもうとする。
みんなでやるキャンプの楽しさをなでしこは知っている、
だが、志摩リンがやっている「ひとりキャンプ」の楽しさを彼女は知らない。

志摩リンに教わり、準備し、彼女はたったひとりのキャンプに挑む。
それは2期の1話で描かれた志摩リンのように、
友達が楽しいと思うものも自分も知るために。
自分の知らない世界を知りたい。
「各務原なでしこ」という少女は1期の1話から変わらない、
好奇心にあふれる女の子だ。

そんな彼女がたった一人でお店に入る。
大人に混じって、初めて一人で外食をする。
些細な出来事かもしれない、だが、高校生の女の子にとっては大きな一歩だ。
自分は少し大人になったのかもしれない、高校生という年齢の彼女が
自分自身で自分が大人の階段を登りつつあることを自覚する姿は可愛らしく、
食べているものも本当に美味しそうだ。

ただ、一人キャンプのはずなのに近くにいる小学生と
楽しんじゃうのも彼女らしい「一人キャンプ」だ(笑)
キャンプをあまり楽しいと思っていなかった2人、
そんな二人の小学生に「アウトドア」の楽しさを
なでしこは教えてくれる。

志摩リンからなでしこがキャンプの楽しさを教わったように、
彼女もまた意図せず、誰かにキャンプの楽しさを伝えている。
そんなひとりキャンプを楽しんだからこそ、
また、みんなでキャンプをしたいと思う。

一人で楽しんだ楽しさを誰かと、誰かと楽しんだ楽しさを一人で。

みんなでキャンプ

終盤はみんなで伊豆キャンプだ。
志摩リン、野外活動サークルのみんな、恵那、先生、あおいの妹、
大勢でキャンプをする楽しさを全開に描いており、
その中で描かれる「食事」も安定の飯テロだ。

その中でのちょっとした夜更かしの中での会話が染み渡る。
なでしこと恵那、1期では無かった2人だけの会話。
その何気ない会話と、少し未来のことを話す2人の会話が心地よく、
なんてことのないシーンだが、2人がなんの遠慮も、気遣いもなく、
腹を割って話している日常がこの作品の象徴とも言えるかもしれない。

志摩リンにも変化が見える。
みんなでキャンプはしている、だが、彼女はマイペースだ。
みんなが車の中で、彼女は一人だけ原付きで移動し、
朝早く起きれば一人だけで温泉に行ったりする。

それでいいのだ、彼女が彼女らしくいられる。
みんなでいても「自分らしく」いられる場所がここにある。
1期では「苦手」とまでいっていた大垣千明にさえ、
LINEをするようになり、まるで恵那とする会話のように
冗談を飛ばしたり、いじったりもしている。

なでしこ以外とも志摩リンが仲良く、そして着飾らず、
自分らしくいられるようになっていっているのを感じてしまう。
疲れて自分一人だけ眠ってしまってもいい、一人で温泉にいってもいい。
それを怒る人はここにはいない。

「友達」だからこそ「対等」な関係性だからこそ、
そこに気遣いや遠慮はない。
腹を割った5人の関係性が構築された2期と言えるかもしれない。

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総評:今を楽しもう

全体的に安定の2期だ。1期はキャンプの楽しさをひたすら描いていたが、
2期ではそんな楽しさだけではなく、厳しさもきちんと描いている。
キャンプ道具やキャンプ地にいくためのお金、
冬のキャンプの危険性、ひとりキャンプの危険性。
1期で楽しさを描いたからこそ、2期では厳しさも描いている。

もちろん、厳しさだけではない。
志摩リンのキャンプの始まりを描き、意外な3人でのキャンプを描き、
なでしこのひとりキャンプを描き、最後にはみんなでのキャンプを描く。
どのキャンプも本当に楽しそうで、出てくる料理の描写も
1期と同じように飯テロ不可避だ。

その中で緩やかに時間が流れている。
漠然とした将来への不安は少しありつつも、
彼女たちは今を全力で楽しもうとしている。
ひとりキャンプを、みんなでのキャンプを。
気心をしれた友達同士だからこそ面白い。

1期では出会ったばかりだったキャラクターたちが、
2期では5人が硬い友情で結ばれている。
時間は緩やかに流れている、だが、この友情は変わらないのだろう。

そう見ている側に感じさせる日常と関係性の描写があり、
1期からの面白さもありつつ、2期だからこその面白さも
感じさせてくれる作品だった。

個人的な感想:どうでしょう

もはや、水曜どうでしょう要素を隠していない2期とも言える。
あの人の声優出演から、水曜どうでしょう的演出まで
わかる人にはわかる「水曜どうでしょう」要素の数々に
出てくるたびに大爆笑してしまった(笑)

原作もまだ続いており、いつか3期があるかもしれない。
2期は1期とはまた違った魅力や要素があるがゆえに、
3期はどんな面白さが出てくるのか楽しみだ。

「ゆるキャン△SEASON2」は面白い?つまらない?

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