「くノ一ツバキの胸の内」レビュー

日常
スポンサーリンク

評価 ★★☆☆☆(37点) 全13話

あらすじ 人里離れた山の奥深くで、とあるくノ一集団が暮らしていました。引用- Wikipedia

スポンサーリンク

おでこまみれ

原作はゲッサンで連載中の漫画作品であり、
原作者は「からかい上手の高木さん」でおなじみの山本崇一朗。
監督は角地拓大、制作はCloverWorks

男断絶

1話から女尊男卑が凄まじい作品だ(笑)
この作品はタイトル通り、「くノ一」を扱った作品であり、
男性が一切居ない「くノ一」の里での日常を描いている。
彼女たちは生まれてからこの方「男性」というものを見たことがない。
噂と想像でしか彼女たちは「男」というものを知らない。

それゆえに妄想が凄まじい。
「男は怖いもの。恐れるべきもの」
「男ってすっごいアホなんだって!体はでかいけど脳は小さいらしい!」
「サルにそっくりなんだろ~?」
と言われ放題である(苦笑)

山に男がいると聞けば、男を倒すために脱走するくノ一もおり、
彼女たちの「男性」というものへの偏見があり、
知らないからこその興味と恐怖がある。

そんな「くノ一」たちの中で主人公である「ツバキ」は
男性への好奇心が止められない。どこか憧れすらある。
それは思春期ゆえの、生物としてのある種の「本能」なのかもしれない。
裏を返せば「性欲」ともいえる。

恋や愛ではない、純粋な性に対する欲望だ。
姿の見えない「男性の低い声」を聞いただけでも
彼女は欲情に近いものを感じている。
性の目覚め、性への興味、思春期の性欲というものを
描いている作品と言えなくもないのかもしれない。

そんな主人公の男性への興味と、
くノ一たちの男性への偏見を軸に、
彼女たちの日常が綴られている。

キャラの多さ

ただ序盤から気になるのはキャラクターの多さだ。
1話から主人公と同じ班のキャラクターたちだけでなく、
違う班のキャラクターも大量に出ている。
ソーシャルゲーム原作なのかな?と思うほどのキャラの多さだ。

最終的に名前を覚えているキャラクターが殆どおらず、
毎回のように色々なキャラがメインである主人公たちと絡み、
1話完結の物語が展開されるものの、一部のキャラを除き基本的には使い捨てに近い。
二度と出てこなくなるわけではなく、背景に居たり、
ちょこっと絡みがあるキャラも多いが、メイン回が終われば存在感が薄い。

これが2クールないし4クールくらいの尺がある作品ならば、
2周、3周とメイン回が回ってくるかもしれないが、
1クールしか無い本作品において40人近いキャラクターは流石に多すぎだ。

そもそもメインキャラクターの掘り下げもそこまで行われていない時点で、
どんどんと色々なキャラが自己紹介がわりに出てきても、
あまりに印象に残るような感じにもならず、
外観的、キャラクターデザインの優秀さ故のキャラの可愛さがあるからこそ、
なんとか話が成り立っているものの、キャラの内面や魅力があまり見えてこない。

主人公は「男」に興味があり、メインキャラの一人は
そんな主人公を姉さんと慕い、もうひとりのメインキャラは
おっとりした感じだ。メインキャラでさえコレくらいの印象でしか無い。
多すぎるキャラクターを「紹介」するようなエピソードが非常に多く、
もう1歩掘り下げるようなエピソードが少ない。

基本的にキャラクターの表面をなぞるだけのようなエピソードが多く、
1クールのうちの9割がそれで構成されてしまっている。
制作側もなんとかキャラの印象をつけようと、
毎回メインになる班ごとのEDを用意していたりと努力は垣間見えるものの、
それが効果的に作用しているとはいい難い。

この手の日常ギャグコメディの場合、
キャラが増えることでワチャワチャ感が出て面白くなる作品もあるが、
この作品の場合はそうではない。
もう少し既存のキャラの見せ場や活躍、掘り下げがほしいと感じながら、
どんどんと新しいキャラが出てくる

彼女たちがなぜ、「異性」とのかかり合いを一切絶たれ、
なおかつ男性というものを恐怖の対象として教え込まれているのか。
中盤くらいになると、きちんと理由が描かれる。
それはくノ一ゆえに、男女ゆえに、忍の里ゆえのものだ。

もう少し、この「男性に対する教育」の理由が序盤で
明らかになっても良かったのでは?と感じる部分では有るものの、
この教育の真実を主人公だけが知ることによって、
彼女の男性への、恋への憧れも強くなる。

自分の中にある思春期特有の感情、それはもしかしたら
「恋」なのかもしれない。
思春期の少女の心の二次性徴を、特殊な環境で描くことで、
それが主人公の魅力にもつながっている。

男性を見たこともない主人公が、男性への憧れから、
男性という「性」自体への恋心が生まれている。
特殊な環境だからこその恋心の描き方はこの作品だからこそのものだ。
中盤をすぎると「男を知るくノ一」が出てきたりすることで、
物語への変化も生まれている。

基本的に1話と最終話以外は1話2エピソード構成になっており、
話の当たり外れはあるものの、いい意味でもある意味でも
安定したくノ一の日常が描かれている。

戦闘シーン

この作品はCloverWorksが手掛けていることもあって、
戦闘シーンのクォリティは流石だ。
くノ一な彼女たちは常に己を鍛錬し、高めあっている。

そんな日常の中での戦闘シーンも多く描かれており、
血などの表現はなく、ガチな戦闘ではないが、忍術を駆使して戦うシーンの
動きの洗練さは流石だ。
グリグリと動く戦闘シーンの面白さが
彼女たちの日常の中でのいいスパイスになっている。

特に最終話の戦闘シーンは思わず笑ってしまうほどの
動きまくりな戦闘シーンであり、
日常アニメとは思えないほどの戦闘シーンはこの作品の魅力でもあった。

スポンサーリンク

総評:おでこに酔いそう…

全体的にみてキャラクター数の多さが作品の足を引っ張っている印象だ。
作品の8割はキャラクターの紹介エピソードで終わってしまっており、
そういうエピソードの多さの割には印象に残るキャラが少ない。
主人公やベニスモモくらいしか印象に残るキャラがおらず、
キャラデザは可愛いものの、その外面だけを見せられている印象だ。

ストーリー的にも「くノ一」の里の男子禁制かつ、
男子への恐怖を植え付ける教育だからこそ生まれる主人公の
男性への思春期への興味と想像が彼女の魅力にも繋がり、
みたこともない「男」への妄想をふくらませる彼女たちの
エピソード自体は面白いものの、そのエピソード自体が少ない。

基本的にはくノ一たちの日常アニメであり、
それ以上でもそれ以下でもない感じで終わってしまっており、
もう1歩なにかほしい、もう1歩踏み込んでほしいと感じてしまう作品だった。

個人的な感想:流石に多い

1クールで40人近いキャラは流石に多すぎだ。
ソシャゲ原作ならまだ擁護のしようはあるものの、
1クールの漫画原作のアニメとしては取捨選択がしきれておらず、
アニメ化においてもう少しキャラ数を絞ってもよかったのでは?と
感じてしまう作品だった。

「くノ一ツバキの胸の内」は面白い?つまらない?

この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください