「映画 ゆるキャン△」レビュー

4.0
映画
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評価 ★★★★☆(65点) 全120分

あらすじ 高校でキャンプを通して親しくなった5人の女子。彼女たちは高校卒業後、それぞれ会社員、教員など別々の道を歩んでいた。そんなある日、とあるきっかけで再び集まった5人は、キャンプ場を作ることを決め、そのために奔走する引用- Wikipedia

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一生、キャンプします

本作品は「ゆるキャン△」の劇場アニメ作品。
監督は京極義昭、制作はC-Station

変わらない日常

映画冒頭は変わらないいつもの日常が描かれる。
なでしこやりん、いつものメンバーでいつものように
キャンプを楽しむ風景は安心感すら感じる光景だ。
この今が、いつまでも続けばいい、いつまでも変わらずに続く。
そう感じさせるような始まりだ。

ゆるキャンはいわゆる日常アニメだ。
一言で言ってしまえば女子高生たちがキャンプを楽しむ。
それ以上でもそれ以下でもない。
見ている側もそんな彼女たちの日常を楽しんでいる。

このアニメの、この作品の時間は本当に緩やかにしか進んでいない。
1期と2期を経てはいるが、彼女たちは進級もしておらず、
季節も冬のままだ。
その緩やかな時間の流れが「日常アニメ」というジャンルの魅力でもある。

しかし、この作品は非常に大胆なことをしている。
冒頭のいつもの日常から、時間が一気に経過する。
一年や2年ではない、明確に何年とは言われてはいないが、
恐らくは10年ほどの時間がこの作品では経過している。

彼女たちはもう学生ではない。大人だ。

変わってしまった日常

序盤はそんな約10年の変化を描いてる。
いつもの、あの5人それぞれの変化だ。
例えば志摩リンは、名古屋の出版社に努め日々の仕事におわれつつ、
一人暮らしをしながら週末に時折キャンプに行っている。

あの頃よりもお金はある。
しかし、社会人になった彼女たちには時間がない。
それぞれの立場、環境がかつてのように
5人でキャンプを毎週のようにしていたときから変わってしまっている。

変わらない日々のはずが、変わってしまった。
一人一人の変化と成長、そして今が描かれることで、
見ている側はどこか寂しさすら感じてしまう。
彼女たちは大人になった、大人になってしまった。

ちくわも歳をとった、お酒だって飲めるようになった。
高校生の頃の友達と二人で居酒屋に行くなんて当たり前だ。
そんな日常の変化に淋しさを感じつつも、
変わらないものもあるのとを感じさせる。

それは5人の絆だ。
地元を離れた子も多い、1年や2年、会っていない子もいる。
しかし、それでも彼女たちの友情は変わらない。
高校時代のかけがけのない変わらない日常で築き上げた絆があるからこそ、日常が変わっても、友達だ。

そんなかけがえのない関係性と、大人になったからこその
日常の描写は緩やかに、だが、思わずみていると
焼き鳥やカニを食べたくなる料理の描写が
彼女たちの今の日常の描写を盛り上げてくれる。

ここをキャンプ場とする

そんな大人になったからこそ仕事に追われる日々の中で、
千明は山梨県の観光推進機構に転職している。
地元に帰ってきた彼女は地元を盛り上げるために、
とある場所をどうにかしようと考えている。

志摩リンと飲んだ結果、酔った勢いで彼女は
5年前から放置されたとある場所をキャンプ地にしようと試みる。
彼女一人だけでは無理だ、かつての友と、あの頃のように、
みんなでキャンプを楽しむ場所を作りたい。
そんな彼女の思いに4人も賛同し、5人だけでキャンプ地を
作ることになるところから物語は動き出す。

ただ、このあたりはやや無理がある部分がある。
放置された土地はそれなりに広く、手入れもされてないため
草もボーボーだ。
学生時代で時間があるならともかく、それぞれ仕事があり、
5人中3人は県外に住んでおり、週末くらいしか時間がない。

しかも4人はあくまでもボランティアで無給だ。
一ヶ月かそこらで出来るならともかく、
1年ほどかかるほどの作業量だ。
それぞれの仕事があり、今は遠くに住んでるのに、
毎週のように土日山梨で無給でキャンプ場を作る。

色々と現実的なことを思わず考えてしまうほど、
このスタートラインにはやや無理が出てしまっている。

DASH村?

この作品は公式でコラボするくらいに水曜どうでしょうイズムのある作品だった。
しかし、この作品でやっていることはどちらかといえば
鉄腕DASHのDASH村だ。
放置され荒れ果てた土地、雑草まみれで何もない。
そんな場所をDASH村よろしく、開墾していく。

最初は手作業だ。5人だけで機械も使わずに、日が暮れるまで草むしり。
しかし、中盤くらいになると近所の農家の方が
彼女たちにアドバイスし、彼女たちに機械も貸してくれる。
5人だけでキャンプ場を作る光景はDASH村を見ているかのような
気分にさせてくれる。

自分達だけで、自分達が理想だと思うキャンプ場を作る。
ゆるキャンらしい日常とその積み重ね、
大人になったからこその彼女たちの変化も感じさせながら、
徐々にキャンプ場ができる様子が面白く、
その過程の中での成長も感じさせる。

5人のうち4人はいい意味で変わっていない。
それぞれ大人になり、それぞれの職につき、やりたいことをやっている。
それは「なでしこ」も同じだ。
しかし、彼女は5人の中で1番大人になっている。

免許を取り、キャンプ道具を売るお店で働く。
そんな当たり前に大人になった彼女は、
大人になったからこそ学生時代の彼女らしさを感じつつも、
同時に5人の中で1番、大人になったことを感じさせる。

1人で東京で暮らし、働き、洗濯物を取り込む。
そんな彼女の何気ない一人暮らしや、
仕事場でのちょっとした出来事が描かれれば描かれるほど、
彼女が大人になったことを強く感じさせる。

どこか親のような目で彼女を見てしまう。
「あーおとなになったんだね、成長したんだな」と
感じさせるちょっとした描写が素晴らしく、胸を締め付けられる。

5人であのころのようにするキャンプ。
でも大人になったからこそ一味違う。
自分達がつくったキャンプ場で大人だからこそ
高いキャンプ道具を贅沢使って行うキャンプ、
そこで作られる料理におもわず涎が垂れそうになってしまう(笑)

そんなキャンプ場に訪れる「ちくわ」の姿にも
ちょっと涙腺を刺激されてしまう。
もうすっかり老犬になってしまったちくわの姿、
あの頃のようにはしゃぎ回れるわけじゃない、歳をとったちくわの姿に
彼女たちの時間の経過も感じさせる。

余談だが、私は下手したらものがたりのなかで
ちくわが死ぬんじゃないかと見てる間にひやひやした(笑)
杞憂で終わってくれてよかった。

シリアス

ただ、終盤のシリアスはややわざとらしさを感じてしまった。
映画としてひと盛り上がり作るための展開なのはわかるものの、
彼女たちのキャンプ場計画がとある出来事のせいで
頓挫してしまう。

大人になってできることも増えた。
だけど、大人になってもできないことがある。
お金があっても、時間がない。
大人になっても覆せないものもある。
だけど、今できることをできるだけしよう。

そういうメッセージ性を出したかったのはわかるものの、
やや違和感のある展開になってしまっており、
作品全体としての冗長さも感じてしまう部分も多い。
最後まで見れば、ゆるキャンらしさを感じる作品ではあったものの
ちょこちょことつまづきを感じてしまう作品だった。

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総評:ゆるキャンの映画というむずかしさ

全体的に見て、ゆるキャンとしてのおもしろさは感じつつも、
1つの映画作品としては微妙に感じてしまうポイントも多い作品だ。
大人になった彼女たちの成長と変化、大人になった彼女たちの
変わってしまった日常と変わらない友情、
そして日常という名の食事の描写は素晴らしかった。

そのいっぽうで、キャンプ場づくりの部分はボランティアだったり、
終盤のシリアス展開を生むためのやや強引な展開だったりと
気になる部分も多く、変に挫折やシリアスな要素は
必要だったのだろうか?と感じてしまう部分がある。
この辺りは見る人の好みによるところも大きいだろう。

ただ、その好みの部分を差し引いても、
1つの映画としてはやや物足りなさを感じる。
これが全6話くらいのアニメだったりすれば違和感もないが、
映画という媒体とゆるキャンという作品の相性の悪さを感じてしまった。

いい意味で挑戦的な作品ではあるものの、
それゆえに好みが分かれる作品になってしまった印象だ。

個人的な感想:カニ

凄まじい飯テロ作品だった。
手羽先、カニ、キャンプ料理の数々、
ストーリー部分に関しては好みが分かれる部分があるものの、
大きなスクリーンで見る飯テロの数々は
お腹の虫が鳴いちゃって大変な作品だ(笑)

個人的にはなでしこの成長ぶりにおもわず、
親心のようなものを刺激されてしまう作品だった。
そういった意味でも、tvシリーズのゆるキャンよりも
対象年齢、ターゲット層が上がっている作品と言えるのかもしれない。

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この作品をどう思いましたか?あなたのご感想をお聞かせください

  1. ちくわ野チワワ より:

    無理矢理に土器が見つかるとキャンプ場作り出来ないような、キャンプ場作りは少し無理あるがやれない事は無いし、ドックランのあるキャンプ場って余り無いからね、キャンプテーマとしては良いし地元盛り上げやスポンサーとか考えると良い、アニメだけでは使って無い施設を使えるようにする場面を多くすれば時間余りなかった、土器も重要品でなければ…あのままでも良かったのに、何せ臨時急行電車ゆるキャン 梨っ子号するぐらい期待作品の為、これからが本物人気にする価値ある。

    5.0 rating

  2. キャノピー より:

    ゆるキャン映画としては5点満点で4.5点。映画としては2.8点くらいかな。
    3時間くらいあった構想を無理やり2時間に詰め込んだような、ストーリー的な流れよりを見せたい物を順番に見せられた感じが強かったです。
    特に肝心の土器とキャンプ場の融合というのがあまりに弱いし、完成してからの描写がほとんどなく「あれ?」という感じで終わってしまった。
    ゆるキャン的な平和な世界や、所々に見せられたゆるキャン的エピソードはとても良かったです。

    3.0 rating