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「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」レビュー

3.0
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評価 ★★★☆☆(42点) 全12話

【PV】「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」アニメ化決定

あらすじ 主人公はオンラインゲームを遊んでいる途中に寝落ちしてしまったのだが、次に起きるとどういうわけかそのオンラインゲームの世界に、自身のゲームキャラクターであるアークの姿と能力で転移した
引用- Wikipedia

すまし汁

原作は2014年~2018年まで小説家になろうで連載されていた小説作品。
監督は小野勝巳、制作はスタジオKAI、HORNETS

オーバー….

1話早々に女性の叫び声から始まる。
野盗に襲われる二人の女性、演技自体は真に迫っているものの、
作画のレベルはそこまで高くはなく、決定的なシーンに至る前に
謎の騎士が現れて野盗はあっさりと殺される。
ある意味でインパクトのある始まりではある。

ただ、その後が問題だ。1番の問題は主人公の設定だ。
主人公は気づくと、いつも遊んでいたゲームキャラの姿と装備で
異世界に転移してしまっている。
なぜ転移してしまったのか、そういう驚きなどは一切主人公は感じず、
淡々と自分ができる技を確認したりしている。

状況把握能力が異様に早いのは「なろう系」作品にはありがちだが、
テンプレ的な設定もあいまって特に新鮮さはない。
テンプレートというよりは「ありがち」でしかない設定だ。
主人公は「骸骨のアバター」のままであり、
そういった部分もまた「オーバーロード」を彷彿とさせてしまう。

ただ雰囲気やノリはだいぶ軽く、サクサクと進むテンポ自体は悪くないが
元の世界に戻ることを一切考えない主人公には違和感が強すぎる。
いわゆる「前世」、この世界に来るまでの主人公が一体どんな人物で
何をしていたなのかも一切描かれないため、
そこはあまり重要視していないのは分かるが、ツッコミどころは生まれている。

そういった引っかかる部分はあるものの、
基本的に明るく前向きな主人公とギャグ的なノリが相まって、
なろう作品に生まれがちな不快感がなく、
「ギャグ」としてみれば悪くない。

クエスト

序盤の展開はわかりやすい。
この世界でお金を稼ぐためにギルドのようなところに登録し、
クエストをこなし、人々のトラブルを解決していく。
なにか魔王を倒す!や勇者が出てくる!みたいなメインストーリーが
あるわけでもなく、まるで水戸黄門のごとく人助け道中が描かれる。

小さな子供の手伝いをしたり、野盗を退治したり。
一応、王国内でのゴタゴタがあるようで、
主人公はそれに知らず知らずのうちに巻き込まれてはいるものの、
それが別にメインストーリーになるわけでもない。

あくまでも彼はこの世界を「ゲーム」のように捉えており、
それゆえに楽しんでいる。
ゲームのようにイベントを楽しみ、自身が骸骨騎士であることも
「ロールプレイ」の一環として楽しんでおり、
それゆえの軽いノリが作品全体で生まれている。

ゲームのようにこの世界を捉え、どこか蚊帳の外感があるものの、
だからこそ彼は「正義の味方」としての自分を演じており、
弱いものや困っている人を見捨てられない。
根本的に主人公は「いい人」であり、「いい人」だからこそ、
チートな能力を駆使しても嫌悪感がわかない。

悪役も清々しいまでの悪役であり、
女性は襲うわ、傷つけるわ、ゲスな行動や台詞のオンパレードだ。
悪役がわかりやすく悪役だからこそ、そんな悪役が倒される展開は
「すっきり」とした勧善懲悪ものの面白さを生んでいる。

最強?

主人公であるアークは魔法やスキルをゲームのときそのままに使える。
序盤から中盤はその力をいかんなく発揮し、
いわゆるチート的な強さを見せている。しかし、決して最強ではない。
スキルや魔法、ステータスの強さはあっても
「技術」は足りておらず、歴戦の猛者相手には手もでないレベルだ。

チートではあるが最強ではない。
それゆえに主人公は強者から「学ぶ」姿勢がきちんとあり、
そのおかげでこの手のチート能力持ちにありがちな
「イキり」感や不快感を生んでいない。

この作品はテンプレ的な設定や水戸黄門のごとく、
わかりやすい悪役を倒すというシンプルなストーリーではあるものの、
ある意味物語において1番大事な
「主人公」に対する好感度だけはきちんと保たれて描かれている。
そのせいか、なろうテンプレかつシンプルなストーリーではあるものの、
不快感なくサクサクと楽しめる良さがある。

繰り返し

ただ序盤からずーっと捕まっているエルフや亜人を救う展開が続く。
人間たちのエルフや亜人に対する扱いがひどい世界らしく、
まるで奴隷のように扱われており、
そんな彼らを出会ったエルフや亜人に依頼されて助けるという
流れがずっと続いてしまう。

物語にあまり変化が生まれておらず、ずっと似たような話だ。
一応は主人公が行動する裏で王族のゴタゴタが描かれていたりもするのだが、
基本的に直接的に主人公がそこに何かするわけではなく、
人助けをしていたら、王族を助けてしまっていたり、
画策する王族の邪魔になっていたりするだけだ。

そのせいかメインストーリーはひたすら同じことの繰り返しだ。
序盤から中盤にはいわゆるサービスシーン的なものもちらほらあったが、
中盤以降はそういったサービスシーンもなく、
淡々と同じような展開を繰り返してしまっている印象が拭えない。

1クールではなしの区切りがいいところで終わってるともいい難く、
王家のゴタゴタも解決しないまま、
主人公の呪いも解決しないまま、なんとなく俺たちの戦いはこれからだで
終わってしまっている作品だった。

総評:異世界水戸黄門

全体的にみて徹底的になろう系にありがちなストレスが無い作品だった。
ゲームのキャラのまま異世界に来る、このテンプレ設定を基本に
異世界で悪事を働く奴らを毎話のようにやっつけていく。
基本的にはこの繰り返しであり、勧善懲悪なストーリーをサクサク進め、
チートな能力持ちの主人公ではあるものの、イキったりはしない。

1クールであまり話が進んでいない感じはあるものの、
毎話サクサクと悪い奴らをやっつける流れは
「水戸黄門」的な勧善懲悪の話の面白さがあり、
そこに適度に迫力のある戦闘シーンと明るくコメディタッチで描かれる
珍道中と主人公のロールプレイを楽しむかのような性格が
作品全体を明るく、ストレスなく楽しまさせてくれる作品にはなっている。

いい意味でも悪い意味でも無難だ。
この作品だからこその要素や、強い面白さはないものの、
適当に流し見するには楽しめる。
「娯楽」に徹底した異世界作品として割り切った作りになっており、
そういった意味では1クールに1本くらいこういう作品があっても
いいかもしれないと思える作品だった。

個人的な感想:無難

ものすごく無難に作られている作品だ。手堅いと言えるかもしれない。
若干ではあるものの90年代のロードムービータイプの
ラノベファンタジーっぽさもあり、
2クールくらいでのんびり描かれれば、作品全体の印象も違ったかもしれない。

「骸骨騎士様、只今異世界へお出掛け中」は面白い?つまらない?

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  1. 匿名 より:

    異世界もの=大冒険と考えていると薄味ですが
    ゲームの中のモブ冒険者の日常と考えるとそんなもんかなって感じです。
    たまたま主人公が異世界転生した見た目のクセが強いモブ冒険者だったと考えると……それはそれで薄いな…