Fate/kaleid liner プリズマイリヤ ツヴァイ!

評価/★★★☆☆(50点)

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魔法少女、増えました

本作品はFateのスピンオフ作品である「プリズマイリヤ」の2期。
なお3期も決定している。

見だして感じるのは明らかに「予算」が増えたことを感じさせる作画だ。
特に冒頭から映しだされる背景の描写は1期と比べると段違いに描き込まれている
更にキャラクターの作画も肌の質感が1期がぷにっという感じならば
2期は「ぷるん」っとした感じになっている。
サブキャラクターである「杖」達の浮遊感なども明らかにレベルが上がっており、
1期の段階でもそれなりに作画は良かったが、
2期になってからは更に質が上がっているのを見れば見るほど感じることが出来る。

特にそれを感じるのは「変身シーン」だ。
イリヤと美優、2人の魔法少女の変身シーンは背景の描写から細かい動き、
変身していく過程の丁寧な描写と2人の関係性を表すような動きの数々は
短いシーンながらも印象に残るシーンだ。

ストーリー的には1期の続き。
カード回収を終えたイリヤ達はカード回収の後始末のため、乱れた地脈を調整におとずれていた
だが、そんな中事故が起こりイリヤの目に前に「もう一人のイリヤ」が現れた・・
というところからストーリーが始まる。
ただ、1期に比べるとストーリー展開が非常にゆっくりだ。

1期の段階で伏線や説明されていない設定などはあったものの、
ある程度ストーリーはきちんと終わっていた。
ストーリーの内容次第では2期は蛇足でしか無くなってしまう。
だからこその丁寧なストーリー展開なのかもしれないが、
もう一人のイリヤが現れるまでの過程、いわゆる「物語が始まるまで」がゆっくりだ

しかし、物語が動き出すと「予想外」の展開で圧倒される(笑)
激しい戦闘をしているはずなのにいきなり「濃厚なキス」をしたり、
敵に圧倒的にやられているような状況だったのに「あっさり」敵が負けたりと
ストーリー展開自体は非常にゆっくりなのだが「ギャグ」やサービスシーンを盛り込む事で
キャラクターたちの魅力をより深める内容になっており、
2期からの登場人物である「クロ」のキャラクター描写もしっかりと見せる。
1期からのキャラクターはより魅力が深まり、同時にクロのキャラクター描写をすることで
2期のストーリーを自然な流れで1期からつなげてくれる。

更に戦闘シーン、前述した「レベルの上がった作画」は戦闘シーンにも反映しており
1期に比べると「カメラワーク」のレベルも上がっている
キャラクターたちが走っているシーンや飛び上がったりするシーンで
大胆にカメラワークを舐めまわすように全身を写すことで迫力のある戦闘シーンに仕上げており
動かすシーンは大胆に動かし、じっくり魅せるシーンは舐めまわすように見せ、
TVアニメではあるものの「劇場アニメ」のようなカメラワークで魅せてくれる。

しかしながら1期に比べると「キャラ萌え」アニメの要素が強くなっている。
確かに日常描写を増やしたことで1期よりもキャラクター描写が深まっており、
1期ではあまり登場シーンのなかった同級生などもきちんとストーリーに絡んでいる
だが「クロ」という新キャラのキャラ描写を深めることに集中するあまり、
本来、もう一人のメインヒロインである「美優」の描写が減ってしまっている

更に日常描写を増やしたことでストーリーのテンポが落ちている。
1期は全10話のストーリー構成をうまくストーリーを進めていたが、
2期は日常描写を増やしてしまったことで本筋のストーリーがなかなか進まず
キャラ萌えのサブストーリーばかりを描いている印象だ。
戦闘シーン自体も1期に比べると少なくなってしまっている。

ストーリー自体も一期は「王道魔法少女」の面白さがあったが、
1期では匂わす程度だったスピンオフ元であるFateの設定や世界観の複雑さを
2期では本格的に持ち出してきてしまっていることで
ストレートな面白さはやや落ちてしまっており、
それに伴う「キャラクターの心理描写」も分かりやすくはない。

しかし、シリアスな雰囲気や複雑な設定を描写していたかと思えば
その雰囲気と設定をあっさりと説明する分かりやすさと清々しさもある。
無駄に設定の描写を後回しにしたり、
シリアスな雰囲気をずーっと続けるのではないのは好印象だ。
明るい雰囲気と暗い雰囲気のメリハリときっちりつける事で
複雑な設定を受け入れやすくしている

ただ、6話で2期のメインストーリーは終わってしまっており
その後の4話は「3期」のストーリーへの繋ぎだ。
3期からの大きなストーリー展開のためのストーリーになってしまっており、
当然、いろいろな伏線や設定を3期に投げすぎてしまっている。
1期が綺麗にまとまっていただけに、
2期が「3期前提」のストーリー構成になってしまっているのは非常に残念だ。

角川アニメのお約束である「全10話」という尺の微妙さも原因だろう。
本来は2期と3期あわせて2クールないし1クール(全13話)でもできたはずだ
キャラ描写を深めるという意味合いはあるもののサイドストーリーが非常に多く、
全10話という話数を埋めるための尺稼ぎをしている印象の話もある。
そのせいで終盤のストーリー展開がやや唐突になってしまい、
唐突なままで「3期」ヘ続くストーリーになってしまっているのは残念だ

全体的に見て3期を前提にしたストーリー構成の問題はあるものの
1期から見ていれば「キャラ描写」が深まるサイドストーリーが多く
キャラ萌えストーリーとしては優秀な描写が多く楽しめるだろう。
新キャラである「クロ」を中心にし、1期では明かされなかったイリヤの秘密も明らかになり
その中で1期では描写不足だったキャラクターをじっくりと描写していた。

また戦闘シーンにおける「カメラワーク」はぜひ見ていただきたい部分だ。
まるで「実写映画」のように一人ひとりのキャラクターを舐めまわすように
3次元的にカメラを動かすことによって立体的なアクションシーンを作り上げており、
見ていて面白い、見ていて気持ちのいい戦闘シーンの数々は
1期よりも戦闘の回数は減ったものの迫力という点においては2期のほうが勝っている。
しかし、ストーリー的な盛り上がりは1期には劣ってしまっている

1期が「正当魔法少女」モノですっきりとした作品に対して
2期は「Fate」の要素が強くなってしまっており、よりスピンオフの要素が強い。
Fateを見ていなければ分かりにくい用語や設定と世界観があり、
1期に比べると1つの作品としての完成度は劣る。
2期はあくまでFateのスピンオフという作品としての意味合いが強く、
更にあくまで3期を前提にしたストーリー構成になってしまっているのは残念だ。

ただ3期は既に決定しているため、
このフラストレーションが3期で見事に開放されて
この2期があったからこそ3期がもっと面白くなったといえるような
完成度に仕上げて欲しい所だ。

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