Persona4 the Golden ANIMATION

評価/★★★☆☆(50点)

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強くてニューゲーム

本作品は2011年に放送されたPersona4 the ANIMATIONの続編。
ペルソナ4 ザ・ゴールデンを基板にして作られている。

見出して感じるのは明るさだろう。
前作に比べると「OP」から明るく、色調も全体的に明るい。
そして「主人公」の圧倒的な明るさだろう(笑)
恐らく一作目を見た方だと「あれ?こいつこんな明るかったっけ?」という
違和感が生まれるほど無駄に明るい。

それには理由がある、この作品はゲームで言う「二周目」だ。
一期の最終話の成長したデータを2期の1話から引き継いでいるような状態で
主人公のステータスが高い(笑)
アニメにこういったゲームの二周目、いわゆる「強くてニューゲーム」の要素を持ちだしたのは
非常に新鮮かつ斬新だ。
二周目と気づくまで若干違和感があるが、二周目と気づけばその違和感が面白い。

だからこそ対比が面白い。
2期の1話を見た後に1期の1話を見直し、もう1度2期の1話を見たくなるような
「細かい違い」がふんだんに含まれており、この細かい違いが二周目の要素として放り込まれており
1期よりも二期のほうが異常にストーリーのテンポが上がっており明るくなっているため
同じストーリーラインでも気軽に楽しめるすっきりとした面白さがある。

簡単にいうとギャルゲーでありがちな「既読スキップ」状態で文章を読むような
サクサクしたストーリー展開だ。
1期を見るか原作をやっていないと展開が早すぎて絶対についていけないが、
逆に1期を見た後や原作をプレイした後だと余計な要素や間がなく、
さっくりと「強くてニューゲーム」をプレイしているような感覚だ

更に戦闘シーン、セーブデータを引き継いだ状態の主人公が異常な強さだ(笑)
1話目のとんでもない雑魚敵の数で難易度が通常よりも高く設定してあるのは分かるが
その圧倒的なザコ敵の数に対して主人公のペルソナ、イザナギは余裕で勝ってしまう。
この1話目の最後のシーンでしっかりと「強くてニューゲーム」であることを
見ている側の意思させ、1期とは違う楽しみ方ができる期待感を味わうことができる

そして前作との最大の違いである「マリー」という新キャラクター。
彼女はいわゆる「追加要素」として原作ゲームに登場したキャラクターであり、
もちろん1期には存在しないキャラクターだ。
彼女のキャラクターを掘り下げつつ彼女を中心としたイベントの描写で
ストーリーを構成している。

だが、彼女が加わったことでメインのストーリーはダイジェストちっくになってしまっている。
キャラクターの初登場シーンやメインイベントは基本的に描かないかダイジェストになっており
その分、サブイベントを1話の中に詰め込み話を構成している。
だからこそメインストーリーの面白さはないもののサブイベントばかりなので
もはや「ギャグアニメ」のような展開ばかりになっている。

しかしながらギャグアニメとしては優秀だ(笑)
1期のストーリーを覚えていることは限定であるものの、
1期では見れなかったキャラクターたちのコミカルすぎる姿や「シャドウ?なにそれ?」と
言わんばかりに青春を満喫してる彼らの日常ギャグは笑えるものばかりだ(笑)
1期では確実に見れなかったギャグシーンの数々は1期があったからこそ笑いに繋がり、
マリーを中心にノリノリに青春を楽しんでいる彼らの日常は純粋に楽しめる
洗練されたギャグシーンの連続は話が進めば進むほど強い笑いに変わっていく

そんな洗練されたギャグシーンの中できちんと補完的なストーリーを描く。
それは1期で描かれた各キャラクターの深い心理描写だったり、
事件が起こり吹っ切れた彼らに起こった変化を自分で振り返ったり、
ギャグだけではなく、きっちりとキャラクターの魅力をもう1段階掘り下げるような内容もあり
「ペルソナ4」という作品が好きな方にはたまらない内容だろう

そして「足立」の掘り下げ。
1期を見た方にはご存知なため堂々とネタバレするが、
数々の事件の「真犯人」である彼の掘り下げストーリーはこの作品の見所でもある。
6話まるまる使って彼の心理状態の変化をたっぷりと描く。
どうして彼があそこまで狂ってしまったのか、どうして彼があそこまで絶望しているのか
1期では描かれなかった彼の深い、深い心理描写は
6話までの明るい雰囲気と打って変わってドロっと暗く、だが面白い。

主人公の視点からすれば些細なキッカケにしか過ぎない、
主人公の視点からすれば楽しい日常の1シーンでしか無い
だが、足立という一人の人物にとっては「きっかけ」であり、
彼にとっては「自分の必要性」を否定されたようなシーンだ
主人公のおせっかいとも言える行動が彼の心を追いやり、
主人公という存在そのものが殺人という行動へと結びつけてしまった

「足立」というキャラクターにここまで不思議な
感情移入をすることができるようになるとは思わなかった。
7話の彼の学生時代のストーリー、エリートとして入った警察でのストーリー、
出世できない彼のストーリー、そして田舎の町への転勤。
台詞こそ無いものの「足立」が自分の存在価値を否定されていくいまでの展開は
あまりにも辛く、生々しく、不思議な同情すらも生まれる描写だ。

5話までのギャグ展開ももちろん面白い。
だが、このペルソナ4ゴールデンという作品は「6話」と「7話」のためにあったと感じるほど
素晴らしいまでの心理描写だった。
足立というキャラクターが行った行為は犯罪で悪でしか無い。
だが、彼にはなぜか同情し共感すら覚えてしまうほど抉るようなストーリーといえるだろう

個人的すぎる意見になってしまうがこの6話と7話は1期の中で見たかったなとも感じてしまう
もちろん尺の問題やあの時はゴールデンは発売されていなかったので不可能なのだが
きちんとしたメインストーリーの中で「真犯人」の心理描写を見たかったとも感じてしまった

終盤からはマリーにより焦点が当たる。
彼女の正体を探るストーリーから彼女の正体がわかり、
結果として「真の黒幕」へと辿り着くストーリー展開だ
1期ではこの黒幕が出なかったせいで「引っかかる」部分があったのは事実だ
だが2期では黒幕がきちんと出たことでストーリーがスッキリと終わっており、
更にきちんと「後日談」が描かれたことでペルソナ4の印象がより深くなったといえるだろう

全体的に見てよく出来ている作品だったといえるだろう。
一期では描ききれなかったサブイベントを集めてコミカルに日常ギャグを描きつつ
マリーという新キャラクターを中心にメインストーリーを進め、
1期では掘り下げきれなかった「足立」という敵をより深く描写し、
後日談でペルソナ4という作品の余韻に浸ることができる。

しかしながら、やはりファン向けの作品ということは否めない。
メインストーリーはほぼ描かれないため1期か原作をやっていることが前提だ
確かにストーリーはテンポよく進むもののマリーというキャラを描きすぎていて
他のキャラクターにスポットが当たりづらくなってしまっている。
せっかく魅力的なキャラクターがいっぱいるのにサブキャラクター扱いになっており、
そのせいで全体的に「マリーストーリー」になっている

確かに面白くはあるものの、この内容が1期と一緒に放映されていれば・・・
ぶっちゃけていってしまえば4クールぐらいでペルソナ4という作品が1つにまとまっていれば
もっと楽しめたんじゃないのか?と感じる部分が大きく、
あくまで「補完」という意味合いが強く出てしまっていた
ファン向けとしてなら楽しめるのだが、ファン意外にはおすすめしにくい作品だ

またたまに妙に作画のレベルが下がることも気になる所だ。
一瞬のシーンではあるものの「え?!」と声を上げたくなるほど
ぐっと瞬間的に作画のレベルが下がるため妙に目立ってしまい、
もう少し安定した作画で作って欲しかったと感じる所だ

ただ、悪い部分ばかり書いたがギャグや足立の掘り下げなどはこの作品ならではのポイントだ。
あくまでファン向けの作品であることは否めないが、ファンならば楽しめる作品だろう