アブソリュート・デュオ」

2015年3月22日

☆☆☆☆☆(1点)

スポンサーリンク

まさかフリージングを褒める時が来るなんて・・・

原作はライトノベルな本作品。
監督は中山敦史、アニメーション制作はエイトビット

見出して感じるのは「期待感」だろう。
ライトノベル原作のファンタジーアニメときくと
中二病全開であまりいい印象の作品は多くはない。
だが、この作品の1話のAパートはライトノベル原作とは思えないほど
非常に「殺伐」としている

「ブレイズ」と呼ばれる武器を具現化できるものがおり、
そんな彼らに戦闘技術を教える「学園」に入学する
だが、そんな入園式早々、隣の人と殺し合いをしてもらいます状態になる
武器の具現化などは既視感のある設定ではあるものの、
きちんとしたアクションシーンで魅せ、
メインヒロインかと思ったキャラクターをあっさり退場させることで
物語の世界観に入り込める。

ただ、そんな1話のAパートが終わると「既視感」の連続だ
どこかで見たことのあるようなキャラクターが大量に出てきて、
どこかで見たことのあるようなストーリーを展開する
非常に安易にヒロインとの同棲生活が始まり、
非常に安易にヒロインのセクシーシーンを描写する

1話のAパートの緊張感はどこへいった?と思うほど
ありがちな「ファンタジーラノベ」アニメになってしまい
1話のAパートのジェットコースターのようなストーリー展開が
Bパートでは急にテンポが落ち淡々とした展開になってしまう。

ヒロインは確かに可愛い。
銀髪で「ヤー」というロシア的な返事で無表情ヒロインではあるものの
非常に無防備で恥じらいなく主人公に裸同然の格好で近づきまくる
山本希望さんの可愛らしい声のおかげもあり、可愛いはずなのだが・・・
わざとらしい。

無防備なセクシーシーンも「ありがち」なセクシーシーンでしか無く
特にそこに強いセクシー要素や萌え要素があるわけではない
とってつけたようなセクシーシーンでは何も盛り上がらず、
話が進むと「強引すぎる」セクシーシーンも目立つ。

キャラクターの中身がきちんと描かれないままに
中途半端なセクシーシーンを見せられても苛立ちしか感じず
ギャグとしても、セクシーシーンとしても必要性を感じない
強引なセクシーシーンは邪魔でしか無い

そんな邪魔でしか無いセクシーシーンが非常に多い。
確かに作画的にはある程度きっちりとした描写で描かれているのだが、
若干古いキャラクターデザインとセクシーシーンが合っておらず、
そのくせメインストーリーよりもセクシーシーン優先で
話の間にどんどん入れてくるため、見れば見るほど萎えてくる

そのせいでメインストーリーの進みが異常に遅い。
メインヒロインと同居始まりましたで1話、
メインヒロインとパートナー組みましたで2話、
メインヒロインとパートナー組んで初めて戦いますで3話と
メインで描かれるストーリーの内容に対して余計なシーンが非常に多く
その余計なシーンが「閑話休題」のようなサブ的な面白さがあるわけでもない

これでメイン部分のストーリーが面白ければ見れたかもしれない。
だが、この作品のメインストーリーは非常に薄く、
これで戦闘シーンさえよければもう少し「見れる」作品になるかもしれないが
この作品の戦闘シーンは酷い。

主人公が「盾」と攻撃できない装備のため基本的にガード。
そんな盾にわざわざドストレートに突っ込んで攻撃したりと
主人公の盾にわざと攻撃を当ててるようにしか見えないシーンばかりだ
主人公の能力が盾だから目立たせたいのはわかるが、
わざわざ敵が盾に向かって攻撃するなどギャグにしか見えない

人体に攻撃すれば普通にダメージを受けるのだが、
同時に「武器」を破壊すると精神ダメージを受けるという設定が
あるためなのも分かるのだが、
主人公の盾は早々壊れないので余計にギャグでやってるように見えてしまう
思わず「馬鹿なの?」と言いたくなるようなレベルの低い戦闘内容ばかりだ

単調な戦闘でも見せ方さえしっかりしていれば面白さが出てくると思うが、
基本的な戦闘シーンの魅せ方ができていない
攻撃が「当たった」ように見えなかったり、
止め絵を多用したりアップを多用したりと
戦闘シーンでの演出が単調で迫力が出ていない。
シーンによっては「ギャグなのか?」と感じるようなズレた描写まである

そもそも、この作品はストーリーの先が見えない。
主人公たちは「ブレイズ」と呼ばれる魂の具現化をし武器を作れる能力を持っている
その能力は1000人1人くらいしか持っていない。
その能力を向上し育てるための学園が舞台だ。

問題はここからだ。
主人公たちが具現化した武器の刃を向ける相手は基本的に
同じ学校の生徒達であり、生徒たちは卒業した後に「治安部隊」に所属するらしい
ただ戦う敵がなかなか描かれない。
彼らは何のために力を向上させるための特訓を行っているのかが全くわからず、
作品の世界での能力の必要性がそもそもわからない。

似たようなアニメで「フリージング」というのがあるが、
あれも学園内でヤクザ同士の抗争のごとく人間同士ばかり戦っているものの、
一応、その能力を向ける人類以外の敵が存在し、
作品の世界での能力の必要性は感じる。
フリージングのほうがセクシーさも戦闘シーンも設定の練り込みもよっぽど上だ

ようやく敵らしい敵が中盤から出てくるのだが、
そんな敵には「ブレイズ」は効かない、敵の目的や行動理由もよく分からない
普通はキャラクターが増えれば増えるほど、
ストーリーが進めば進むほど面白くなっていくはずが
この作品の場合は話数を重ねるたびに設定の練り込みの甘さや
世界観の描写不足、キャラクターの魅力の無さが目立ってくる
ストーリーの積み重ねによる面白さが全くない

一応、ハーレムラブコメ要素もあるのだが
メインヒロインである「ユリエ」以外のキャラクターの魅力が本当に薄く、
どこかで見たことのあるキャラクターデザインと設定で
本当にソレ以上に何もない。
この作品らしいのキャラクターの魅力というのを「ユリエ」以外には感じず、
そんなヒロインたちのセクシー要素が描かれても何も感じない

全体的に見て決定的なまでに練り込み不足な作品だ。
1話のAパートの段階では緊迫感とヒロインの可愛さを感じ楽しめるのだが、
ソレ以降はストレートにつまらないといえるストーリーを淡々と描写しており、
単純につまらないのではなく、様々な設定の練り込みの甘さのせいで
「ストーリー」を作れておらずセクシーシーンに頼りきってしまっている。

そのせいで主人公たちが戦う理由や主人公たちの能力の使い道、
ヒロインたちの目的や行動理由などが全て「ふわっ」っとしており
根本的な作品の「芯」がなく、いつまでたっても外見だけで物語を描いており
ストーリーもキャラも「中身」がなくスカスカだ
「アブソリュート・デュオ」に至るのが本作品の目的らしいのだが、
そのアブソリュート・デュオの説明もふわふわで全くわからない

敵味方の組織関係の説明もあまりなく、対立してますという「雰囲気」だけで
敵対関係を創りだしており、そこに中身が無い
敵も味方もキャラクターの「行動理由」と「目的」の説明が全てあやふやで
だからこそシリアスな状況になってもキャラクターがピンチになっても
何の感情移入もできない。
ここまでストーリーが「どうでもいい」と感じてしまう作品の珍しい

1クールという尺を使っておいてこれほど何も描かれていない作品も珍しい
敵味方の組織が目指している「アブソリュート・デュオ」とは何なのか?
主人公の過去やユリエの父を殺した犯人は誰なのか?
せめて、アブソリュート・デュオが何かだけでもわかれば
もう少しストーリーに入り込めたかもしれないが、
Wikipediaにもどこにも書いていない(苦笑)

原作からこうなのか、アニメでそう見えてしまうのかわからないが
「戦闘シーン」のセンスだけは本当にプロの仕事か?と思うほどギャグアニメレベルだ
私は普段、アニメのキャプチャをレビューに載せることはほぼない。
本当に衝撃的過ぎて言葉で言い表せないシーンをお伝えするときのみだ
そんな私が今回、この作品で本当に目を疑ってしまったシーンがこちら

これ・・・真面目な戦闘シーンなんだぜ・・・アブソリュート・デュオ・・・ pic.twitter.com/VV9JYf1EtA

— 笠 希々 (@animekannsou) 2015, 3月 24

この他にもシリアスなシーンでの戦闘シーンでギャグアニメレベルの
描写を平気でする。
単純に予算の問題ではない、これはセンスの問題だ

2015年TVアニメ一発目の作品のこんな評価になってしまって本当に残念だ
去年は魔法戦争という作品が色々とぶちかましてくれたが、
あっちのほうがまだ別の意味での「面白さ」があるだけにマシだった。

今年、この作品を超える駄作が生まれないことを願いたい。