あかんこれ・・・あかーん!!!「艦隊これくしょん -艦これ-」レビュー

2015年3月26日

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評価 ☆☆☆☆☆(6点)全12話

あらすじ 海を蹂躙する脅威、それが「深海棲艦」。その脅威に対抗できるのは、「艦娘」と呼ばれる在りし日の艦艇の魂を持つ娘たちだけ――引用 – Wikipedia

あかんこれ・・・あかーん!!!

本作品はDMM×角川によるブラウザゲーム「艦隊これくしょん」のアニメ化作品
監督は草川啓造、アニメーション制作はディオメディア

見出して感じるのは水上スキーだろう。
プロモーションアニメが出た時からいい意味でも悪い意味でも話題になったが、
海で走るわけでもなくザーッと水しぶきを上げて移動するさまは
若干のシュールさこそあるものの、慣れてしまえばそこまで違和感はない
そんなことより気になるのは「提督」の描写だ

この作品の原作ではプレイヤーは「提督」となり艦娘たちに指示を出す。
だが、この作品ではそんな「提督」が描かれない
いや、描かれないというのは語弊がある。
艦娘たちは上司である「提督」に挨拶したりするシーンがあるのだが
その姿だけが描写されないのだ(苦笑)
ちなみに「影」は描写される

ゲーム原作のアニメでときおり「主人公」の存在を消すことはあるものの、
この作品は消すのではなく「透明人間」のごとく姿も声も描写しないため、
妙な違和感が生まれている。
描かないなら描かないでもっときっちりと描かなければいいのに、
中途半端すぎる描写は強い違和感を感じさせる原因となっている

更に序盤から大量のキャラクターをぶち込んでくる。
ゲームでお馴染みのセリフと共に戦闘シーンや日常シーンの中で
自己紹介もシたりシなかったりの中で大量のキャラを登場させる
はっきりいって「おなじみ」のセリフが効果的に作用しておらず、
無理矢理登場の時に言わせている印象が強い

そのせいで原作ゲームをやっていれば出るだけで嬉しいかもしれないが、
無理矢理お馴染みのセリフとともに大量のキャラを出すため、
その大量に出るキャラクターを捌ききれておらず、
1キャラ1キャラの印象が物凄く薄くなってしまっている
原作ゲームの宣伝も兼ねてるはずが原作ゲーム未プレイの人にはやさしくない

メインとなるキャラクター、サブとなるキャラクター、出さないキャラクター。
原作ゲームが非常に多くのキャラクターが居るゲームなだけに
「誰を出さないか」というのは重用なところだ。
だが、この作品はそもそもソレができておらず
キャラクターを無造作に出しすぎている

適当に大量にサブキャラクターを出し、お約束のセリフや
お約束シーンを「適当」にぶち込んでくるため
原作に相当の愛着がなければ楽しめない。
1シーンの中に大量のキャラクターを出し過ぎだ。

ストーリーの中で自然にお約束セリフや、キャラクターが出てくれば
もっとキャラクターに愛着がわくはずなのに、
まるで義務のごとくどんどん入れてくるため
せっかくのキャラクターやせっかくのセリフの印象が薄くなってしまっている

更に戦闘シーン。
戦闘シーンでは基本的にCG感ばりばりで、戦闘シーンの重みがない
最近のCG技術は以前と比べればかなり進歩しており、
アニメーションの中でのCGで一番の欠点でもあった「軽さ」は
以前に比べれば感じなくなってきた。
だが、この作品はひたすら軽い

艦娘たちが攻撃を受ける際の「衝撃」、
艦娘たちが銃弾やミサイルを放つ際の「衝撃」の描写が尽く軽く
ダメージを与えてもダメージを受けても、そこに決定的なまでに「迫力」がない

作画自体は綺麗ではあるものの、綺麗なだけで
戦闘シーンにおける「圧」がこの作品からは一切感じない
本来は「海」の上での浮遊感の軽さがCGで生きてくるはずなのだが、
手抜きのためにしかCGを利用していない。
私個人の感覚かもしれないが「海の上で膝立ち」したときは苛立ちしか感じなかった

そして日常パートでのストーリー・・・というより設定、
原作ゲームはあまりストーリーはなく、
「擬人化した艦隊」で戦争の歴史をなぞるのがゲームとなっている
だからこそ「メインストーリー」を膨らますために設定を足している
ソレは別に悪いことではないのだが、その設定の説明が一切ない

そもそも艦娘たちの存在も「かつての「軍艦」の魂を持つもの」とふわっとしており、
敵の設定も「どこからともなく現れて海が占拠された」というだけだ
そもそも艦娘たちが通常の「人間」なのかどうかもよくわからないのに
一部キャラクターの「男漁り」ネタがあったり、
なぜか武器の知識を学ぶための学校に通っていたりと
ストーリーを膨らますために付け加えた設定が強い違和感を生んでいる

ゲームにはない世界観や設定を付け加えたからこそ
その付け加えた部分にしっかりと理由付けをシなければならない
だが、話の基本となる「芯」がいつまでたっても描かれず
何のために彼女たちは戦っていて、彼女たちはどんな存在と立ち位置なのかという
物語の基本的な「理由」が描かれないまま
なんとなく戦闘してなんとなくストーリーが進んでいる。

敵に対して本来は守っているはずの人間や上司も描かれない。
艦娘たちのなんてこと無い日常となんか海を占拠してる敵とひたすら戦うのみだ
ストーリー展開的にはゲームと同様に「史実」にもとづき展開しているものの
あくまで「史実に沿っている」だけで、それが「ストーリー」になっていない

更にゲーム準拠の設定。
ゲームでは艦娘たちがダメージを受けると「お風呂」に入って直す。
こういったゲームでの基本的な設定なども「説明」がなく
当然知っているでしょ?といわんばかりに当たり前に描きすぎている。
ファンだけが楽しめればいい作品ならばOVAとかでやればいい。
TVアニメと言う媒体をきちんと理解していない。

この作品でナニがしたいのか、どういうストーリーにしたいのか。
作品の方向性が「ブレ」てしまっており、各話の印象もかなり違う。
3話でシリアスな内容を描いたかと思えば、
そんなシリアスなんてくそくらえなんて言わんばかりに4話では明るい描写が多い

物語において重用なはずの「キャラクター」の死の描き方があまりにも雑で
その死から生まれるシリアスな雰囲気が持続せず、すぐに明るくしてしまう。
ギャグをやりたいのかシリアスをやりたいのか日常をやりたいのか
全てがどっちつかずになってしまっており、この作品の方向性が
いつまでたっても定まらない。

シリアスをやるなら、もっと世界観や設定をきっちり固めて
提督もきっちりと出してちゃんとしたストーリーを描くべきだ。
「轟沈」というキャラクターを失う恐怖のあるゲームの面白さと雰囲気、
「史実をなぞる」という轟沈の運命のある艦娘たちのキャラの悲壮感など
シリアスに徹していればもっと原作ゲームをプレイしている人たちの
「感情移入」を誘えたはずだ。

11話のような「前世の記憶」「史実の記憶」に引っ張られる艦娘の設定など
もっと全体で活かせば「史実」をなぞりつつ
それに抗い生き抜こうとする「艦娘」のシリアスストーリーが作れたはずだ
どちらも本当に中途半端にやってしまった結果、
どっちつかずのまま作品として崩壊してしまっていた

総評

全体的にゲームはゲーム、アニメはアニメと割り切れていない
ゲームに出てるキャラクターを出せばいいんだろう、
ゲームでキャラクターがしゃべっているセリフを喋らせればいいんだろう
ゲームと同じように史実なぞればいいんだろうというように
あまりにも雑にゲームの内容をアニメの中に取り込みすぎている

本来はもっと削るべきキャラクター数、本来はもっと削るべき設定を
削らずに練り込みもせずに、設定をきちんと固めもせずに雑にぶち込んだ状態で
アニメとしてのストーリーを膨らせるために中途半端に設定を付け加えることで
余計に雑さが極まり、作品の「統一感」がなくなってしまっている

統一感がなく雑で薄いストーリーで大量のキャラを描写されても印象が深まらない。
特に終盤の提督など生死不明にしても特に心配されず、
序盤で轟沈したキャラの伏線などの描写も意味不明だ

個人的な感想

個人的には11話のように「この作品を面白くできそう」なポイントが見えるだけに
シリアスも日常コメディも両方やりたいなら「2クール」の尺が必要だっただろう
特に最終話はこの作品を象徴するような荒唐無稽さだ。
あまりにも荒唐無稽すぎて逆に笑えてきたが・・・(笑)

本当に色々ともったいない。
きちんとやればもっと面白くなりそうな作品なのに雑に作りすぎだ。