「ルパン三世 プリズン・オブ・ザ・パスト」レビュー

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評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全9話

あらすじ ドルエンテ王国にあるエルギュイユ監獄。一度入ったら決して出ることができないと言われるその監獄に収監されているフィネガンの死刑執行が決まった引用- Wikipedia

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映画の宣伝のために作られてるのがひしひしと伝わる

本作品はルパン三世のテレビSP作品。
TVSPとしては27作品目の作品となっている。
監督は辻初樹、制作はトムス・エンタテインメント

脱走


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

毎度お約束の逃走劇から今作は始まる。
何故か捕まっていたルパンが脱走し、銭形警部に追いかけられるものの
次元大介とともに愛車を走らせながら逃げ回りつつ、
石川五右衛門や峰不二子がそれを手助けする。

お決まりのパターンから始まるものの、今回、ルパン三世が狙うのは
お宝ではなく「死刑囚」だ。彼は現代の義賊とまで言われた泥棒であり、
彼を救出して彼が盗んだお宝の分け前をもらおうと企んでいる。
死刑囚である「フィネガン」はルパンと双璧をなすとまで言われており、
色々な泥棒が彼を助け出そうとしている。

「ルパンと双璧をなす泥棒」というキャラクターは新鮮であり、
彼を助け出そうとする世界中の泥棒達という泥棒の展覧会状態という
舞台は期待感をつのらせてくれる。

次元の声


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

SNS上で散々言われていた「次元の声」だが、最近の次元の声はこんなもんである。
たしかに以前に比べて声に張りはなくなったものの、
かつて峰不二子さんを演じていた「増山江威子」さんは現在の
沢城みゆきさんに変更される直前は完璧におばあちゃんの声だったことを考えると、
まだ次元大介さんを演じる小林清志さんの声は現役だ。

久しぶりに小林清志さんの声を聞いた方が違和感を
おぼえるのは仕方ないかもしれないが、
86歳とはいえまだまだ現役だと感じる渋みがかった往年の演技だ。

あっさり捕まる泥棒たち


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

Theアメリカ人の泥棒だったり、百面相みたいな泥棒だったり、
ロボットを駆使する泥棒だったりといろいろな泥棒が出てくるのだが、
どいつもこいつもあっさりと捕まってしまう。
もはや何のために出てきたのか?と疑問に思うほどの意味の無さだ。

コミカルなシーンでギャグシーンとしてのキャラなのかもしれないが、
もう少し色々な泥棒が集まったからこその展開を見たいと感じてしまう。
何の思い入れも感情移入もしていないぽっと出の泥棒キャラが泥棒をするシーンを
見せられても心底どうでもよく、あっさり退場するだけに意味がない。

それならばルパン三世一味がそれぞれ分かれて個人個人のパターンで
死刑囚を助け出すというような展開のほうが良かったのではないだろうか?
1度失敗パターンを見せたあとにルパン三世たちが、それを攻略する。
いわゆる「ルパンすげぇぇぇ」と言わせたいための描写なら分かるが、
大した防衛システムではないため凄さがまるで伝わらない。

特に盛り上がるわけでもない監獄編の潜入シーンを
無理やり盛り上げるために雑魚泥棒を用意した感じだが、
盛り上がりにつながっていない。

目立つ作画枚数の少なさ


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

序盤から露骨に「作画枚数」の少なさを感じるシーンが多い。
止め絵を駆使しして演出で動かしてるふうに見せかけるようなシーンや、
せっかくのアクションシーンなのに作画枚数の少なさのせいで
まったくもって迫力のないシーンになっている。

通常のシーンでもバストアップのシーンが多く、
あきらかに予算が少なかったのだろうと感じてしまう。
ただ、これが通常の1クールのTVアニメならまだしも腐っても「ルパン三世」だ。
人気作品であり、人気キャラクターでもある。

しっかりと作れば多くの人が見てくれる作品の予算が
少ないというのは残念でならない。
ルパン三世ならば作画枚数をけずって迫力のない戦闘シーンでも
見てくれるのだろうという思いで作ってるのかもしれないが、
そこに「ルパン三世」というブランドに甘えてしまっているのは残念でならない。

共闘


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

物語も中盤に差し掛かるとルパン三世と銭形警部が協力する。
助け出そうとしていた泥棒も実は死刑囚なんかではなく、
独立国で死を偽装して悪事を企てようとしていることが明らかになる。

序盤から中盤まで細かいギャグシーンやコミカルなシーンも多く、
ギャグシーンとそれ以外のシーンでのメリハリがなく、
終始、軽いノリで物語が展開してしまうため緊迫感にかける。

銭形警部とルパン一味が無駄に和気あいあいとしてるシーンも
ものすごい違和感を感じてしまう。

泥棒を売りつける


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

監獄のある「ドルエンテ王国」は泥棒を捕まえてテロ組織に売りつけている。
ちょっとよくわからないのは売りつけている理由だ。
一部の泥棒は人質としての価値があり脅迫すれば身代金をゲットできるらしく、
それはまだ理解できる。

だが「隠し持ってるお宝の場所を吐かせればお宝をゲットできます!」
という理由で売りつけているのが意味不明でしか無い。
売っている側が自分で吐かせてお宝を手に入れればいいだけだ。
捕まえた泥棒を捕まえた理由を作るためのテロ組織への売買でしかなく、
強引な展開でしか無い。

それならば「洗脳装置」や「薬物」などで洗脳して、
テロ組織へ売りつけるくらいの展開でなければ、
わざわざ泥棒を捕まえて売るメリットがない。

世界中の泥棒を集めるというアイデアを思いついたのは良いが、
そのあと集めた泥棒の使い道がなくなったのだろう。
脚本家の脚本の甘さをひしひしと感じる要素だ。

弱い


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

敵も敵で小物ばかりであり、歯ごたえのある敵が居ない。
ルパン三世のTSVPの場合、ルパン一味に相対するような敵キャラが居ることが多く、
その敵キャラと次元大介や五右衛門が戦うシーンの面白さもあった。

しかし、今作にはそんな敵は居ない。
歯ごたえの内的をTVオリジナルキャラが倒してしまい、ろくな戦闘シーンがない。
そもそも作画枚数が少ないため、そういう激しいバトルシーンを
描けないからこその敵役の不在なのかもしれないが、
結果として見ごたえのないシーンばかりになってしまっている。

???


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

死刑囚の泥棒に脅迫された監獄の所長は監獄のとある仕掛けを作動させる。
監獄は変形を始める。ただ内部が密閉されただけで「変形した意味は?」と思うほどに変形する必要性をまるで感じない。
これで変形してロボットにでもなるならまだ理解できるが、
ルパンを逃さないために作動させる仕掛けにしてはあまりにも大掛かりだ。

名前すらよら覚えていない敵と仲間になった監獄の所長のバトルも
まるでNARUTOのような空中線を繰り広げるのも違和感しか無く、
どんだけのジャンプ力を持ってるのか、重力を無視したかのような
戦闘シーンはルパン三世だからこその戦闘シーンではない。
制作側がコレをやりたかっただけだろう。

何の思い入れもなく掘り下げもろくに無いキャラ同士の重力無視バトルは
何の面白みもなく、それを眺めているだけのルパン三世一味という構図は
「何を見せられているんだろう」という感覚しか残らない。
王子が語っていた「光の剣士」という要素も完璧に持て余してしまっており、
何のカタルシスもなく終わってしまう。

総評:薄味


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

全体的に見て2時間の尺のなかで1つ1つの要素がとっちらかってしまっており、
死刑囚の泥棒、世界中から泥棒を盗むために集まる泥棒、監獄島、光の剣士の伝説と
だらーっと1つ1つの要素をまとめずに見せられている感じが強く、
終始盛り上がりに欠け、テンポも悪い。

作画の質自体はそこまで悪くないものの、作画枚数の少なさは顕著であり、
あきらかに手を抜いている。
迫力のない戦闘シーンやスピード感にかけるアクションシーンの数々、
そうかと思えば唐突に重力無視の空中戦が繰り広げられたりと、
映像面での面白みもまるでない。

シンプルに出来栄えの悪い作品だ。
あさーく、盛り上がらず、面白みにかけるストーリー、
ただ多いだけでろくに掘り下げられないゲストキャラクター達、
作画枚数の少ないアクションシーンの数々。

制作側が「ルパン三世」というシリーズの作品の1つとして
この作品をしっかりと面白いものに仕上げようとしう気持ちがまるで感じられない。
おそらくは12月6日に公開されるフルCGのルパン三世の映画の宣伝のために
急ごしらえで作られたのだろう。
それが見ていてひしひしと伝わってしまうほど浅すぎる作品だった。

個人的な感想:年2回の時点で怪しかった


引用元:画像引用元:原作:モンキー・パンチ (C)TMS

ルパンのTVSPは定期的にやっているが、
前作のグッバイパートナーが2019年1月であり、1年も立っていない。
全前作が2016年の作品と考えるとあきらかに今作の制作は早い。

映画の宣伝のために新作を作る。
それが今作の目的であり、それ以上でもそれ以下でもなかったのだろう。
だからこそ予算が少なく作画枚数も少なく、ストーリーの練り込みも浅すぎる、
そんな制作側のルパン三世という作品に対する情熱をまるで感じない作品に
仕上がってしまっている。

近年のTVSPは声優の変更など色々あったものの、その変更よりも
脚本面の悪さのほうが顕著だった。
この作品はまさにそんな脚本の悪さの象徴のような作品だった。

本当に残念だ。
せめてフルCGで作られるルパン三世が面白いことを期待したい。

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