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魁!!女塾「武装少女マキャヴェリズム」レビュー

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評価 ★★★★☆(61点)全12話

あらすじ 不良との抗争の末に納村不道が送られた「私立愛地共生学園」――彼を出迎えたのは、武装した少女達だった引用 – Wikipedia

魁!!女塾

原作は月刊少年エースで連載中の漫画作品。
監督は橘秀樹、制作はSILVER LINK. / CONNECT。

見出して感じるのはやや懐かしい雰囲気だ。
乱闘騒ぎを起こしもともと女子校だった学校に転校してくる主人公、
いざ学校にやってくると武装している女子ばかりの学校で、
男子はほぼ全員化粧をしており女性への恭順をしめしていた・・・
というところからストーリーが始まる。

いわゆる「ヤンキー的」な匂いがすごいするアニメだ。
「一騎当千」「天上天下」「フリージング」など、
戦うJK的な要素のある作品は少し前に多く制作されていたが、
最近ではあまり見かけなくなった系統の作品だ。

1話冒頭から学校の「四天王」のようなキャラクターが次々と現るとともに
名前が筆文字テロップで出てきたりするなど、
ちょっと「ベタ」な感じのする要素を冒頭からプンプンに匂わせてくる。
この手の漫画やアニメを見たことが有るならば説明されなくとも分かると
言わんばかりの非常に分かりやすい設定と世界観だ。

しかし、その悪く言えば「ベタ」、
よく言えば「王道」なストーリー展開が心地いい。
ノリノリなBGMとともにサクサクとストーリーが進んでいき、
いわゆるダレや中だるみを感じさせない。

普通、この手のバトルアニメの場合はすぐに戦闘シーンを描くパターンが多い。
そのほうが1話としてのインパクトも強く作品の印象も残しやすい。
しかし、この作品はバトルアニメでありながら
戦闘が始まるのが1話の中盤からだ。

それなのに面白い。
アクの強い主人公とアクの強いヒロイン、
外見も内面もクセの強いキャラクターが多いからこそ、
このベタベタな学園バトルな世界観でのキャラ同士の会話が面白く、
「戦闘に至るまでの過程」をきちんと作り上げている

戦闘シーンはお世辞にも「作画が良い」とは言えない。
戦闘中に止め絵も目立ち、アニメーションとしておぉ!と唸るようなシーンが少ない。
だが、その予算や作画枚数の少なさを演出とカメラワークで誤魔化している

例えばカメラワーク。
カメラワークはキャラクターの「視線」を意識しており、無駄に動かすのではなく、
キャラクターの目線を意識しながらのカメラワークのおかげ
作画枚数の少なさを隠しており、アニメーションとしての迫力を
見ていて面白いと感じさせる画作りになっている。

そして技。
キャラクターが自らの技を出すときにその技名はあまり大声で叫ばない。
だが、放ったと同時に技名が筆文字でテロップとして映し出される。
わざとらしく技名を叫ぶのもバトルアニメとしては必要な演出では有るが、
この作品はあえて技名を大声で叫ばないかわりに、
キャラクターの動作1つ1つに技名が出てくる。

技にも1つ1つ「解説」がありトンデモ理論ではあるものの
技に設定と理論づけがなされており、
その技をキャラクターが出せば、その技を解説するキャラクターがきちんといる。
その解説があるからこそ戦闘シーンが面白く、
トンデモ理論では有るが戦闘に「説得力」があり、バトルの展開に納得ができる。

こういったトンデモ理論を持ち出すのは古い作品では有るが「魁!!男塾」を
彷彿とさせる要素があり、技だけでなく展開的にも
「あ、男塾っぽい」と感じるポイントが随所に有り、
あの作品を好きな方ならば間違いなく楽しめるであろう要素が多く含まれている

更にお約束的展開。
ラッキースケベ、ハプニングキス、パンチラ。
昭和のアニメのような懐かしさを感じるベタベタ的エロ要素が、
過激な描写こそ無いが程よいエロスであり、
セクシーシーンなのに出てくるたびに妙な安心感すら感じさせるほどだ。

キャラクターデザインなどは最近のアニメっぽい感じなのだが、
1つ1つのポイントがどこか懐かしく、どこか古い。
だからこそストレートかつ分かりやすい展開とクセの強いキャラクターを
すんなりと受け止めることができ、
この作品に対する抵抗感のようなものがまるで感じられない。

総評

全体的に見てよく言えば王道、悪く言えばベタな学園バトルモノではあるものの、
「魁!!男塾」を彷彿とさせるトンデモ理論で塗り固められた
キャラクターたちの技と技のぶつかり合いと解説、
テンポのいいストーリー展開が心地よさすら生んでおり、
妙に懐かしい要素とノリを最初から最後までたっぷりと楽しむことができる。

しかしながらせっかくの戦闘シーンを演出やカメラワークで盛り上げてはいるものの、
「作画枚数」の少なさのせいで迫力が出切らないシーンが有ったり、
もう少し作画がよければもっと熱くなれる戦闘シーンだったのにと
感じられるポイントも多く、その点は非常に残念だ。
予算の少なさを感じる部分をひしひしと感じてしまう

ただ、その欠点をごまかせるほどキャラクターの魅力とストーリー展開が面白く、
特に終盤のガチシリアスな展開での「ほんわか」してしまうキャラの魅力だったり、
1クールである程度ストーリーをまとめている構成は素晴らしかった。
もちろん原作が続いているため俺たちの戦いはこれからだと言う感じでは有るが、
まとめかたとしてはうまく、すっきりと見終わることができる。

個人的な感想

個人的にはそこまで期待して見始めたわけではないが、
所々に感じる懐かしい要素を序盤からビンビンに感じさせ、
癖のあるキャラクターの魅力で1話から最終話までしっかりと楽しめた。

売上的には1000枚前後とかなり厳しい。
時代が違えば2クールくらいでガッツリとやりそうなタイプのアニメなだけに、
少ない予算で1クールに押し込められてしまったことがもったいない作品だ。
1話を見て気に入れば最終話までブレること無く楽しめる作品なだけに、
まだ見ていない人は1話だけでもお試しで見てほしい。

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