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「終末のワルキューレⅡ」レビュー

1.0
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評価 ★☆☆☆☆(19点) 全15話

アニメ『終末のワルキューレ Ⅱ』新PV / Record of Ragnarok Ⅱ Trailer

あらすじ 人類の誕生から700万年。進歩の兆しがない人類を見限った神々は、1000年に1度開かれる「人類存亡会議」にて、人類に「終末」を与える決議を行った引用- Wikipedia

五十歩百歩

本作品は終末のワルキューレの2期。
1期と同様にNetflixオリジナル作品として制作されている。
監督は大久保政雄、制作はグラフィニカ,、ゆめ太カンパニー

1期

1期は海外でも話題になるほどのひどい出来栄えだった。
原作は人気の漫画作品であるものの、
そんな人気漫画を「スライドショー」のような紙芝居アニメにしてしまっており、
戦闘シーンの迫力や見ごたえが面白さの作品なのに、
アニメでは戦闘シーンの面白さがまるでない作品になってしまっていた。

そんな作品の2期だ。
1期はグラフィニカ単独の制作だったが、2期ではゆめ太カンパニーが加わっている。
といっても「ゆめ太カンパニー」自体がグラフィニカの子会社であり、
グラフィニカが子会社に投げただけとも言える。

ゆめ太カンパニー自体も東京ミュウミュウ にゅ〜♡や
マブラヴオルタネイティヴなどひどい作画で有名であり、
見る前から1期の出来栄えもあいまって期待感は薄いものの、
2期で少しでも良いから改善してくれと願いながら再生ボタンを押してみた。

テンポ

2期が始まって感じるのは若干テンポが良くなったか?という感じだ。
4回戦目の神側のヘラクレスの登場、彼は「正義」の人物だ。
しかし、人間側は連続殺人鬼という「悪」であるジャック・ザ・リッパーだ。

相変わらず人物に対する解説をモブやナレーションが請け負っており、
「止め絵」のまま淡々と解説しているシーンが多く、
カメラワークでアップや引き、左から右に動かしながら
作画枚数の少なさをごまかしている。

喋ってるはずの「モブ」の口は動かないのに女性キャラのおっぱいがわずかに動く。
メインキャラが喋ってるときでさえカメラを足元から映し出したりすることで、
「口」を移さないようにしていたりと、
作画枚数を減らすことを徹底とした演出はもはや見事としか思えない。
構図も「漫画」の小回りをそのまま持ってきたかのような構図が多い。

それでもテンポ感がやや増している部分があり、
作画枚数の少なさは常に感じるものの、
テンポがやや早まったことでカットまでのタイミングが早まり、
若干ではあるものの作画枚数の少なさが1期よりも気にならない部分はある。

1期がスライドショーでしかなかったが、
2期は最低限アニメーションとしての
クォリティがあると言って良いかもしれない。
武器や一部などの作画に瞬間的に「CG」を使ったりすることで、
手書きの作画枚数を減らしており、なるべくスライドショーにしない試みが取られている印象だ。

特に序盤で描かれる4回戦目は夜のロンドンを舞台にしており、
基本的に画面が暗い。暗いがゆえに作画をごまかせている部分もある。
まっすぐな正義を貫く「ヘラクレス」と、
罠や嘘で錯乱する悪の「ジャック・ザ・リッパー」。
考えられた戦闘シーンの展開は先が読めないからこそ面白さがある。

回想

ただ1期からの欠点は変わらない。回想シーンだ。
神側のキャラクターも人間側のキャラクターも基本的に
戦闘中に唐突に回想シーンが始まり
「こういう過去がありましたよ」というのが語られる。

1期からそうだったが、この作品のキャラは神にしろ
人間側のキャラクターにしろ「元ネタ」といえる人物や逸話があり、
そんな元ネタのエピソードを過去回想でひたすらにみせられる。
特に面白みもなく作画のクォリティが高いわけではない
過去回想を淡々と見せられてしまう。

1期から戦闘シーンのテンポ感は上がっているものの、
ストーリー構成のテンポは死んでおり、
ぐだぐだと過去回想をひたすらにみせられる部分は変わっていない。
1期では1試合あたり4話ほどかかっていたが、
2期でもそれは変わらない。

序盤のヘラクレスVSジャック・ザ・リッパーは
1話目で戦闘が開始し、2話目で過去回想、3話で過去回想、
4話と5話で決着という流れだ。

過去回想があるのは原作からの部分もあるから仕方ないかもしれないが、
アニメにおけるストーリー構成での調整をしていないせいで、
1期と同様にグダグダとしたテンポで描かれている。
4話で決着がつかなかったときは
「まだ終わらないのか…」と思ってしまったくらいだ。

戦闘の組み合わせや流れ自体は面白いものの、
その戦闘に挟まれる回想シーンの多さに1期同様胸焼けしてしまい、
どうでもいいモブのセリフも挟まれまくるせいで、
素直に戦闘シーンを楽しめない。

回想シーンは良いからとっとと戦えと何度も思ってしまうほど
ぐだぐだと1期と同様に回想シーンを見せられるのは
流石にきついものがある。

戦闘シーンの内容自体は面白い。それは1期と同じだ。
しかしごまかしまくる作画、挟まれる回想シーンの多さと
テンポの悪さがそんな戦闘シーンの内容の面白さを台無しにしている。

それ以外のシーンのテンポの悪さも凄まじい。
戦闘が終わったあとの幕間のキャラ同士の会話でさえ
テンポの悪さを感じさせる。

例えば「七福神」というキャラが出てくるのだが、
彼らが登場する際に一人ひとり「天誅」と叫ぶ。
まとめて言ってくれよといわんばかりのぐだぐだ感が
キャラクターが登場しただけで生まれる

飽き

5話まででヘラクレスVSジャック・ザ・リッパー戦が描かれる、
6話からまた新たな戦いが始まるものの、
人物が変わってるだけでやってることはずっと一緒だ。
テンポ感の悪さも相まって「飽き」も流石に生まれてくる。

それもあってか、場外乱闘的な話や
過去に登場した人間側のキャラが再登場したりと
マンネリ感を打破しようとするような話もあるものの、
試合が始まればいつもの感じであることは変わらない。

しかも、よりによって5回戦目の人類側の選手が「力士」だ。
呂布、アダム、佐々木小次郎、ジャック・ザ・リッパーと
盛り上がる選手陣だったが、5回戦目にして「力士」だ。
4回戦目までの人選と比べるとちょっと見劣りしてしまう。

劣化

明らかに作画も中盤から劣化している。
序盤こそ「暗闇」だからこそアニメーションの悪さをごまかしきれていたが、
中盤からの試合は暗闇ではないためごまかしが効かなくなっており、
思わず「ダサい」と感じるような戦闘シーンになってしまっている。

特に序盤の試合は「武器」を使った戦闘シーンが多く、
それゆえに演出やCGによる描写でアニメーションとしての魅力を
出せていたが、中盤からの試合は「肉弾戦」なだけに
余計にアニメーションにおけるセンスが問われる。

1期のような止め絵でこそないにしろ、
連続パンチなど画面いっぱいに拳を映し出したりしながら、
アップを多用しつつ背景をやたら動かしながら
戦闘アニメーションにしているものの、面白みにはつながっていない。
1期よりは確かに動いている、だが動いているだけだ。

1期はアニメーションとは呼べないほどのスライドショーであり、
2期はそういった意味ではアニメーションという媒体の
土俵にはなんとか立っているものの幕下未満だ。
特に回想シーンの作画はわかりやすく手を抜いている。

過去のシヴァについてのエピソードは、
ありとあらゆるインド神と戦っているのだが、
戦っているシーンよりもモブを映したり、
シヴァとルドラの戦いもアップばかりの止め絵まみれだ。

力士側の過去エピソードも相撲シーンは止め絵まみれで
そんな止め絵につけた集中線を微妙に動かしてごまかしてる。
予算もやる気も最初の4話でつきたのかもしれない。
連撃と超スピードで何人もの相手に殴られているような気分になる。
そういう技を使うシーンも同じ作画を繰り返してるだけだ。

無駄

1期から気になっていたことだが、
別に台詞があるわけでもないのに
巨乳な女神である「アフロディーテ」を映すシーンが無駄に多い。
お色気要員として映しているのかもしれないが、無駄でしか無い。

結局やってること、見せ方がずっと同じだ。
神と人間の戦いが始まり、試合が始まれば
苦戦している方の過去回想が始まり本当の実力を発揮し逆転し、
逆転された側の過去改装がまた始まり隠していた力を発揮し、
実力が均衡して決着がつく。

これを人を変えてやってるに過ぎない。
あとはもう、どう戦闘シーンを魅せるかが重要だが、
2期の1戦目は見れたが、2戦目は1期よりは若干マシだが
面白みのない戦闘シーンになってしまっている。

特にラストはお互いがぼろぼろになりながらも
命を削りながら最高潮の力で殴り合うという
文章で表現すれば面白そうに見えるシーンでさえ、
スローの連発、一発一発殴るたびに「観客」のシーンが挟まったりと、
まるで盛り上がらない。

ラストの「首を吹き飛ばす」結末の一撃もあっさりしたものであり、
2期でもアニメとしての魅力の無さを
感じてしまう作品だった。

総評:すごい!作画枚数が増えてる!(当社比)

全体的に見て1期よりはマシになっている部分はある。
特に序盤の戦いは暗闇というシチュエーションや、
武器を使って戦うスタイルだからこそCGを駆使して、
1期よりもきちんとアニメーションとしての魅力を感じさせてくれる。

しかし、問題は中盤からだ。
序盤で作画の予算がつきたのか、中盤からは明らかに
作画のクォリティもアニメーションのクォリティも劣化しており、
1期ほどではないにしろ、2期の作画も悪い。

1期からの欠点である回想シーンの多さも、
2期ではより顕著になっており、
2期になると「話の構成」もパターン化してしまっており、
はっきりいって飽きてしまった。

本来はそんな原作からの問題も、
戦闘シーンの魅力や対戦カードの魅力で補っているのかもしれないが、
アニメと言う媒体ではそれを表現しきれておらず、
欠点ばかりが如実に目立ってしまっている。

きちんと作れば面白くなる作品なのに、きちんと作られていない。
1期よりは多少は改善された部分はあるものの、ほぼ誤差の範囲だ。
スケジュール的な問題なのかNetflixの戦略なのか分からないが、
2期はなぜか6戦目である11話以降は
分割して配信される予定なのも謎であるものの、
せめて分割した6戦目のクォリティが上がってることを期待したい。

個人的な感想:はぁ…

2期の序盤は作画のクォリティやアニメーションとしての
魅力を感じる部分があり、もしかしたら2期は見れる作品に
なるかもしれないと期待したが、中盤であっさりと力尽きてしまい、
見ていて思わずため息が出てしまった。

中盤くらいになると1期からみているせいか、
流れがパターン化してしまってることも実感してしまい
飽きも生まれてしまっていた。

配信自体は好評なようなので
3期の可能性もあるかもしれないが、
もう少しクォリティを上げてほしいところだ…

「終末のワルキューレⅡ」は面白い?つまらない?

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