トリアージX」

2015年6月15日

☆☆☆☆☆(5点)

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面白さまでトリアージ

原作は漫画な本作品。
原作者は『学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD』での作画担当。

見出して感じるのは「ああ・・・この手のか」という達観した感じだろう
1話開始1秒で「水着のおっぱい」を何の脈絡もなく画面いっぱいに描写する
これで作画の質がよければ紳士アニメとして楽しむことができるだろうが、
1話の段階でキャラクターデザインのせいもあるのだろうが
どこか「のっぺり」した質感で描かれており、
不自然にでかすぎる胸の描写のせいでセクシーさを感じさせない

そもそもOPと作画の質が違いすぎる。
OPで描かれるキャラクターの作画は「艶かしさ」を感じさせ、
このレベルの作画を維持できればセクシーシーンでもエロさだけではなく、
ハードボイルドなストーリーの中で際立つ「妖艶さ」として評価できたが、
肝心の本編での作画の質が明らかに落ちてしまっており、
「規制」も頻繁に入るためセクシーシーンが見づらさしか産んでいない。

その割には妙に「銃火器」や「車・バイク」などの描写にこだわっている
あまり質の高くないキャラクターの作画と
アンバランスすぎるこだわりを感じる銃火器や車・バイクなどの小物の描写が
不自然な違和感を産んでしまっており、
セクシーさとハードボイルドなシリアスな雰囲気が見事に不調和を起こしている

更にストーリー。
いわゆる「必殺仕事人」的なストーリーを想像してもらえばわかりやすい
法でさばけない悪人を闇に紛れて裁く。
毎話毎話、わかりやすい「悪」な敵が描かれて、
それを主人公たちの組織が躊躇なくさばいていくという感じだ

はっきりいってしまえば「目新しさ」というのが1つもない。
ハードボイルドなセクシーアクションアニメであり、
それ以上でもそれ以下でもない感じが強く
色々な部分が「どこかで見たことのある作品」を彷彿とさせる
ただ、それが悪いわけではなく「王道」の「悪を裁く」という
ストーリーは古臭さは感じるものの分かりやすくストレートな面白みを感じる

だが本来、この作品にあるストレートさをアニメにおける演出で消してしまっている
ストレートなエロ、ストレートなおっぱい、ストレートなハードボイルド、
ストレートなシリアス、ストレートなストーリー。
その「実直さ」と「真面目さ」が本来はこの作品に評価すべきところだろうが、
その真っ直ぐな部分を「古臭い」演出で台無しにしてしまっている。

魅せるべきポイントというのをわかっていないのか
本来「かっこよく」見せないと行けない所やエロさを感じさせないと行けない所を
古臭さと「ズレ」た演出のせいでストレートな部分が極端に仕上がってしまっており、
1つ1つのシーンで不自然な過剰さを感じさせる。
その古臭い演出も作画の質さえよければ「王道」の演出として見れたかもしれないが、
室の悪い作画のせいでその雰囲気すらもない

更に魅力のないキャラクターたち。
それぞれが「1度死んだ」過去を持つキャラクターであり、悪を憎む理由がある。
そのバックボーン自体は悪くないのだが、そのバックボーンをあまり生かさず
印象に残らないキャラクターが多すぎる。
一人ひとりのキャラの印象が薄く名前すら頭に残らないのに
無駄にキャラクター数が多いため余計にキャラの魅力が薄まってしまっている

そして1話1話のストーリーが薄い
基本的にテンポが悪く、そのわりにはストーリー内容が薄いため
こういったアクションアニメに必要な「爽快さ」が生まれておらず終始グダグダだ
その割には原作1巻あたり1話という詰め込みなストーリー展開になっているようで、
細かい部分や本来盛り上がるために必要な要素が削られてしまっているのだろう

日常ストーリーやアクションシーンまでのストーリーでフラストレーションがたまり、
肝心のアクションシーンでそれが開放されるならいいのだが、
作画の質と古い演出のせいで開放されることはない。
終始盛り上がらず、終始緊迫感に掛けてしまっており
最初から最後まで「面白さ」の肩透かしをずっと食らっているような感じだ

ストーリー的にもものすごく中途半端で終っており、
あまりにも中途半端すぎて思わず
「あれ?まだ続きあるよね?」と思うほどブツ切りだ。
様々な部分で「雑さ」が目立ち、作品の完成度が低すぎる作品だ

全体的に見て「また」角川アニメ特有の悪い部分が多く出てしまった
原作の宣伝のためと割り切っているのはわかるが、
1クール、しかも全10話という短い尺で低予算。
そのせいで詰め込みすぎと省きすぎのストーリー展開で
原作にあるはずの「面白さ」が極端に削られてしまい、
ガンアクションセクシーアニメなのに作画が悪いせいで
アクション部分もセクシー部分も中途半端な仕上がりにしかなっていない。

こんな出来栄えでは本来の目的であるはずの原作の宣伝にもなっていないだろう。
Wikipediaによると「序盤の展開はかなり省略」されているようだ
そのせいで「物語の主人公」のキャラクター描写ができておらず、
いつまでたってもキャラクターの魅力を感じられないまま
中途半端なアクションとセクシーシーンを中途半端に見せられたような作品だ

ついでだが、これは個人的な意見でしか無いのだが
「元AKB」な声優さんが2人ほどこの作品に出演されている
それ自体に別に問題はなく演技も新人声優と
考えればある程度の演技をしており違和感はない。
だが、そんな彼女に明らかに「歌わせる」シーンが多く、
不自然なほどに歌わせまくっており違和感しか生んでいない。

元アイドルというだけで批判の対象になりやすいのに、
作中でのシーンで批判が生まれやすくすることはないだろう。
こんなハードボイルドシリアスな作品で歌わせまくるのは
雰囲気を壊す要因にしかなっていない
作画の予算もないのに「躍らせる」シーンを描写してもまったくもって意味が無い。

ただ、1つだけ面白かった部分がある。最終話の最後のシーンだ。
1クールのアニメのラストのシーン、作品における「締め」とも言えるべきシーンで
高速道路を1人歩いて家に帰る主人公の図は
妙なシュールさを生んでいた。
エンドロール中も主人公がずっと歩いている(笑)
あのエンドロールのシュールさが作品全体にあれば評価は違ったかもしれない。