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「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん 1話 ツンデレと王子と天の声」レビュー

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評価 ★★★☆☆(59点)
https://www.youtube.com/watch?v=lFOrPb_Gl4A

あらすじ ある高校の放送部の部員である遠藤は、ひょんなことから、放送部の仲間である小林に誘われ、いわゆる乙女ゲームである『マジカルに恋して』(通称「まじこい」)をプレイすることになる引用- Wikipedia

ゲーム実況で運命を変えろ!

原作は小説家になろうで連載されていた作品。
監督は吉村文宏、制作は手塚プロダクション

悪役令嬢

この作品はいわゆる悪役令嬢ものだ。
悪役令嬢はなろう系でも一時期ブームになり、
数多の作品が生み出され、アニメ化も多くされている。
悪役令嬢に転生してしまった主人公が自身の
バッドエンドを回避するというような内容が多いが、この作品はちょっと違う。

私は常々「小説家になろう」作品はゲーム実況的なニュアンスがあり、
主人公という実況者を通じて作品というゲームの世界を
楽しむような作品が多いと言ってきた。
そんな私の声が天に届いたのか、この作品はまさに「ゲーム実況」をしている。

この作品に「転生」という要素はない。
高校生である「小林」は「まじこい」という乙女ゲームが大好きであり、
そんなゲームの布教活動を同じ部員である「遠藤」にしている。
そんな彼にゲームをやらせるために「発声練習」という名目で、
実況しながらゲームをやらせるところから物語が始まる。

まさしくゲーム実況を見るのがこの作品だ。
遠藤は乙女ゲームを実況し、小林はゲームのキャラを解説する。
二人一組のゲーム実況YouTuberをみているかのような気分だ。

本来はキャラの説明をナレーションで済ませるというのは悪手だが、
この作品の場合は実況と解説という役目をキャラクターが
そのものが自らやっているため、どこかギャグにもなっており、
ハイテンションな実況と解説がクセになる

天の声

そんな実況と解説が「ゲーム内のキャラクター」にも聞こえてしまう。
天の声、神の啓示、キャラクターは天から自分にだけ聞こえる声を
彼は受け取り、本来はゲーム内のキャラが知るはずのない
キャラクターの「心理」までも聞こえてしまう。

遠藤と小林、そんな「神の声」を聞いたゲーム内のキャラたちは
本来のシナリオとは別の道へと進んでいく。
物語の構図としてはシンプルだ。

「ゲーム」の内容を知っているからこそ、先の展開をわかってるからこそ、
本来はゲームの中に転生した主人公がそれを変えようとするのだが、
この作品はあくまで「天の声」「プレイヤー」という形で
ゲーム内のキャラに影響を与える。

やっていることは同じでも、視点や見せ方が違うだけで
テンプレートがテンプレートにならない。
「なろう」という有象無象の作品が生まれる媒体だからこその、
ちょっとした視点の変化による作品の面白さの変化というのを
この作品では味わうことができる。

「キャラクター」たちからプレイヤーへも語りかけてくる。
本来は音声認識もなく、決められたルートに進むしか無い
ゲーム内のキャラクターたちが天の声によって決められたルートから外れていく。

本来はキスシーンでないところでキスをしたり、
わかるはずもない相手の心がわかってしまったり、
プレイヤーがゲーム内にリアルに影響を与えることができる最高の
ゲーム実況が始まる。

どのルートでも「死にゆく運命」にある悪役令嬢である
リーゼロッテを彼らは救うことができるのか。
実況と解説で(笑)

そしてもう1つの「恋」も描かれる。
実況である遠藤、解説である小林。遠藤は小林のことをひっそりと想っている。
進展しそうで進展しない二人の仲だったが、
実況と解説を通じて二人の「恋」も発展するかもしれない。
ひと夏の恋、ひと夏のゲーム実況が今始まる。

更にもう一人、ゲーム実況にくわわる人物を匂わせたところで1話は終わる。
きちんと1話でメインキャラクターの印象がつき、
物語への期待感もぐっと感じさせてくれる作品だった。

総評:テンプレも視点を変えれば名作に!?

全体的にテンプレともいえる乙女ゲームの
悪役令嬢の運命を変えるというストーリーを基本に、
そこにメタ的な実況者と解説役を配置し、
彼らが「神の声」という形でキャラに指示を出すことで
運命をかえていくという設定の面白さを1話から感じることができる。

乙女ゲーム内のキャラクターはベタさは感じる部分はあるが、
解説と実況の二人はテンションの高さも相まって魅力的に感じ、
彼らの解説と実況がギャグにもなっており、
そんな彼らの声を聞いた「ジークヴァルト」の反応も
コメディテイスト溢れたものになっている。

1話でしっかりと世界観と設定を印象付け、
キャラクターに愛着を湧かせるものになっている。
作画のクォリティ自体は特筆すべき部分はないものの、
この調子で1クール進めば名作になる可能性もある作品かもしれない

個人的な感想:ノリ

1話の段階ではこのハイテンションなノリに
いい意味でついていけたが、2話以降もこれ続くと
疲れそうな感じはある(苦笑)

物語がどう進んでいくか、現実世界の二人の恋はどうなるか。
1話としてはきっちりと物語の期待感を感じさせてると同時に
ハイテンションな声優さんの演技を楽しむことができたが、
息切れせずに1クール終盤までついていけるのか、
アラフォーおじさんとしてはやや懸念してしまう部分だ。

「ツンデレ悪役令嬢リーゼロッテと実況の遠藤くんと解説の小林さん 1話 ツンデレと王子と天の声」」は面白い?つまらない?

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