RDG レッドデータガール

評価/★☆☆☆☆(19点)

RDG レッドデータガール 第6巻 [Blu-ray]

制作/P.A.WORKS
監督/篠原俊哉
声優/早見沙織,内山昂輝,福山潤,釘宮理恵,米澤円ほか

あらすじ
世界遺産に認定された熊野古道、玉倉山にある「玉倉神社」。そこに住む鈴原泉水子は、中学三年まで、ふもとの中学と家の往復だけの生活を送ってきた。しかし、高校進学は、幼なじみの相楽深行と共に東京の「鳳城学園」へ入学するよう周囲に決められてしまう。互いに反発する二人だったが、修学旅行先の東京で恐ろしい事件が襲いかかる。泉水子が負う特殊な体質と一族の大きな秘密とは…。

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何か特別な力を持った少女とそれを守るツンツン男子、そして犬。

原作はすでに完結している小説作品。
アニメ化前にはコミカライズ化されるなど
メディアミックスサれている作品だ。
原作者の荻原規子さんの作品としては西の善き魔女以来のアニメ化となる。

1話から印象はあまりよくない。
ウジウジっとしたヒロインが何か特別な力を持っていて
それを守るイケメン男子という構図は分かるのだが、
そんなヒロインに対し「切れまくる」という印象の悪さ。
物語が進めばヒロインに対し好意を抱くんだろうなというのはわかるが、
それにしても無条件にブチ切れる姿はあまり受けつにくい
更に子供時代から、ヒロインをいじめまくっている。

1話から暗く重く、そこに興味を惹かれる何かが足りない。
「ヒロインの持っている力は何なのか」という部分だけでストーリーをつなげてしまい
和風な雰囲気の中にある「つかみ」に完璧に失敗してしまっており、
更にそれ以降も「ファンタジー」なのか「ホラー」なのか
それとも「恋愛もの」なのかと、この作品をどんな風に受け止めつつ見ればいいのか
序盤の段階では掴みかねる部分が多すぎる。

更にそこに「用語」が物語を余計に複雑にさせる。
巫女や神、山伏といったキーワードが出てくるのはいいのだが、
物語の中でそれが難解にさせる用語として出てきてしまっているため、
1話、2話、3話と見ていっても「どういうことだ?」と感じる部分が多い

盛り上がりどころや緊張感のあるシーンも有るのだが、
バトルシーンがあるわけではないのでイマイチ盛り上がりにかけてしまい
淡々とストーリーを描写している印象を受ける。
物語として重要な部分や驚くような展開があっても、登場人物は驚いているが
見ている側は全く驚かない。「へ~そうなんだ」と感じておしまいになってしまっている
簡単にいえば物語に入り込めない、この作品の世界観に何時まで経っても慣れない

中盤以降は特殊な力を持った物が集まる学校が中心の話になるが
コレもわかりづらい。
いつのまにか生徒会に入ってたり、裏生徒会長が出たり、ファンクラブがあったりと
学校の中で覇権のようなものを争っているのは分かるのだが、
なぜ争っているのか、なぜ集められているのかがよくわからず
なんとなく話はわかるがよくよく考えるとよくわからないストーリーが展開している

はっきりとストーリーが理解出来る部分の説明を濁しているのが原因だ。
肝心の設定をきちんと説明しないため「ふわっ」っとしか状況がわからない
何も1から10まで説明しろ!とは言わないのだが、
最低限の説明の更に最低限の部分だけ説明し、後は用語で固めてしまっている。
本来なら説明しなければならない部分をしていないので「なんとなく」察するしか無い

そもそも本作品は全6巻の小説のアニメ化だ。
1クールという尺で5巻までの内容をアニメ化している。
そのせいで明らかに尺が足りず、設定や状況の説明、キャラの描写などを
原作を読んでいない私でも明らかに省いているのが分かるほどぶつ切り感じがある。
前の話と次の話で状況がガラリと変わってしまうことも多く、話と話の繋がりが甘い。
ストーリーをきちんと理解できないのに状況が変わってしまうため
何かが起こってもついていけず、かなり唐突な印象を受けてしまう。

その唐突な間を埋めるために見ている人が自分でストーリーを整理して
「こういうことなのかな?」という風な頭の中の作業が必要になってしまい、 その作業が楽しいわけでもなく、やらされている感じがある。
作業の末に導いた答えが「正しいよ」「間違ってるよ」という答えも描写されてないので
自分の中のこの作品の設定やストーリー展開が何時まで経ってもふわふわしている。

ネット上の感想を見ると、この部分を「理解力に乏しい」という表現をしてる方がいたが
それとコレとは別な話だ。

自分で想像力を働かせないといけない、働かせないと全然ストーリーについていけない
自分の中で楽しい気持ちで「コレはこういうことなんじゃないのかな?」という風に
興味を惹かれる何かがあって考察するのではなく、考察しなければ一切楽しめない。
もう少し情報が出れば、考察作業も楽しくなるかもしれないが
アニメだけ見ずに素直に原作小説も読め!と制作陣に強制されているだけに過ぎない

これは理解力の問題ではなく、ストーリー構成の問題だ。
コレを理解させるためにはココが必要だけどコレ以上説明すると説明しすぎ
というのが尺の問題でやりきれておらず、「最低限のストーリーをつなぐためだけ」の
ストーリー構成になってしまっている。

登場人物の心情も把握しかねる部分が多い。
主人公である「いずみこ」はあれだけいじめられやり、やつあたりされていた
「深行」に対して恋愛感情に近いものを序盤で抱いている。
嫌悪感すら抱いていたはずの相手に対してあまりにも恋愛感情への変化が早い。

中盤以降の学校の生徒達も何処かおかしい。
力を試すためといきなり襲いかかったり、どうでもいい双子の話が中心になって
ヒロインが完璧に傍観者になっていたり、そうかと思えばいきなり翼が生えたり、
終盤では合戦が始まる。
正直展開についていけない部分が多すぎた

全体的に見て原作を読まずにこの作品を見終わると
「雰囲気はいいけど話はわからない」という感想しか浮かばなくなる。
一週間に1話という間隔で見れば余計にわかりづらさを強調しており、
更に1クールでは尺が圧倒的に足りない。
きちんと本作品をアニメ化するならば2クールは必要だっただろう。
面白そうな要素はあるのに、それをきちんと「面白い」という風に感じられない。

非常にもったいないな~と感じる作品だ。
原作は面白いのだろうなと感じる部分があるだけまだマシだが、
アニメ単体として見れば「雰囲気」と「作画」がいいだけのアニメという印象だ
1年後にはストーリーは完璧に忘れているだろう。

せめて2期を想定した作りになっていれば、もう少しましになったかもしれないが
全6巻のうち5巻くらいまでアニメ化してしまったようなので、
残り1巻だけを2期というのはかなり厳しいはず。
非常に惜しまれる作品です。