キズナ一撃

評価/★★★☆☆(45点)

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懐かしき90年代アニメ

本作品はアニメミライ2011という企画の中の1本
アニメーション制作は「アセンション」、
監督はクレヨンしんちゃんでお馴染みの「本郷みつる」

見出して感じるのは「あ、クレヨンしんちゃんっぽい」という印象だろう。
監督が本郷みつるさんだからこそなのかもしれないが、
「クレヨンしんちゃん」の映画で見たような演出が非常に多く、
2011年の作品でありながら90年代のクレヨンしんちゃんの映画を見ているような感覚だ

最近のキャラクターデザインではありえないような
「荒い線」で縁どりされたキャラクターデザインは、
デジタルに移行した現在のアニメーション制作ではまず見られない
「人が描いた」というのがその荒々しさがストレートに伝わってくる作画になっており、
繊細な細かい動きはないものの「荒く大胆」なキャラクターデザインだからこそ
「荒々しい」アクションシーンを見ることができる

序盤から「指」と「指」でヒロインの祖父と父が喧嘩をする
指をまるで剣に見立てて戦う様子は文字で表現すると非常にシンプルだが、
アニメーション好きなら思わず「おぉ」と唸ってしまうほど見惚れてしまうシーンだ

だがストーリー的には非常にスローテンポだ。
確かに作画的に見所のある所も多い作品ではあるのだが、
「25分」という尺のわりにはゆったりしたテンポでストーリーが進む
見ているこちらが「あれ、ストーリー進めなくて大丈夫?」と思うほどテンポが遅い。
メインストーリーを放っておいて「ボケ」や「ギャグ」をするための「前振り」が物凄く長く、
更にギャグがくどい。

これが2クールや4クールの長い尺のアニメなら、その中の「1話」として
ゆったりしたテンポでのストーリー展開も飲み込めるが、
「全1話」の25分尺のアニメのストーリー構成ができていない
ストーリーは確かにシンプルなストーリーで1話完結の話としては悪くないのだが、
そのシンプルなストーリーを「回りくどい」展開や前振りの長いギャグのせいで
シンプルなストーリーがシンプルに楽しめなくなってしまっている

ただ、話が進むと「キズナ」というヒロインのストーレートな可愛さも出てきて、
そんな可愛い女の子が大人顔負けな拳法で戦うという展開は悪くない
小さい体の女の子が縦横無尽に大人相手に戦うという設定から生まれる
「スピーディー」な戦闘シーンも荒削りなキャラクターデザインと
90年台のアニメの演出だからこそ荒削りなキャラクターデザインが
映える戦闘シーンになっている。

全体的に作画、キャラクターデザイン、声優、ストーリーなど悪くなかったのに
作品を作り上げる根幹に余計な要素を肉付けしすぎてしまっている
本来もっとシンプルでストレートに「すっきり」と面白いとえる作品なはずなのに
25分という尺を稼ぐための余計な尺稼ぎギャグやいらないと感じてしまうシーンのせいで
すっきりと楽しめなくなってしまった。

キャラクターたちの「過去」も過去回想で描かれてしまい
ストーリーの中に唐突に挟まれるため違和感が大きく、ストーリーのテンポが崩れてしまう
せっかくの戦闘シーンやせっかくの演出をもっと素直に楽しみたかったのに残念だ
これが4クールや5クールの長いスパンで放映されるアニメの「1話」なら高い評価が出来たが
1話完結の短編アニメとしては色々とスッキリとしない感じが残ってしまった

ただ作品のテイストや「90年台のクレヨンしんちゃん映画風」の作画を楽しめるという意味では
本郷みつる監督の作品が好きな方ならば楽しめるだろう
個人的にはこの作品の作画タッチが子供の頃から染み付いてるだけに
もっと見たいと感じる部分も大きかった