ファンタジー

万能野菜 ニンニンマン

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☆☆☆☆☆(8点)

万能野菜 ニンニンマン

苦手なものを克服しない子供向けアニメ

本作品はアニメミライ2011という企画の1本
アニメーション制作は「PAワークス」、監督は「吉原正行」

見出して感じるのは「NHK」っぽいな~という印象だろう。
いわゆるオタク向けのアニメでは採用されないような至って普通のキャラクターデザイン、
制作がPAワークスと聞くとキャラクターデザインが可愛らしい作品が多いが、
この作品に限って言えばPAワークスらしさは感じない
NHKの朝にやっているような子供向けのアニメの中に出てくるキャラクターデザインだ

そして主人公も小学二年生の女の子だ。
ニンジンが嫌いで、ピーマンが嫌いで、牛乳が嫌いで、犬が怖くて、
学校の登下校の道にある森が怖い女の子。
そんな女の子が無理矢理嫌いなものを食べると「気絶」してしまった
すると不思議なことに彼女の目の前に「ニンニンマン」が現れた
というところからストーリーが始まる

ニンニンマンと書くと少し分かりづらいかもしれないが、
いわゆる「妖精」や「不思議な生物」のような存在だ
少し古いが「ミルモでポン!」のミルモがニンジンやピーマンになっているような感じだ
彼女にしか見えない不思議な野菜と牛乳の妖精たち、
そんな妖精たちは彼女のためが困ったときに「苦手なもの」を食べると現れ
特別な力を使って助けてくれる。

この作品はそれで終わりだ。
よくある子供向けのアニメの中の設定と話、それ以上でもそれ以下でもなく
シンプルな内容は子供向けと考えれば分かりやすくストレートな話だ。
この作品らしい要素、この作品らしい見所がなく、見終わった後に残るものがない。

さらに言えばテンポも悪い。
ストーリー的に物凄くシンプルでやりようによっては15分でできるだろう
だが、微妙なテンポの悪さのせいでシンプルなストーリーがより薄味になってしまっており、
ニンニンマンたちの活躍するシーンも「おぉ!」と言うような動きはない。
彼らが唯一活躍する「犬を助ける」というシーンは
本来この作品で最大の盛り上がりを見せる部分なはずが
ありきたりかつ面白みにかけるシーンになってしまっている。

ストーリー的にも結局「苦手なものを克服」はしておらず、
苦手なものは苦手なままで終わってしまっている。
子供向けと考えてもストーリー展開や内容として弱い部分が多く、
4クールぐらいのアニメの1話ならまだ納得できるが、
25分の短編アニメとして制作された作品としては褒められる部分が少ない

全体的にアニメミライという企画の意図に沿った作品とはいえず、
ありきたりなつまらない作品だ。
演出やアニメーションの動きとして面白い部分があるわけでもない、
作画のレベルにしても崩れこそしないものの「見所」と呼べる部分もない
よくある話をよくある作品に仕上げただけで
流石「PAWORKS」と言いたくなるような特徴もない。

唯一見どころがあるとすれば声優さんが豪華なところくらいだろう。
早見沙織、釘宮理恵、森川智之、井上喜久子、高橋美佳子、小山茉美と
見事なまでにベテラン揃いだが、ベテランの演技力が活かされるようなシーンがなく
宝の持ち腐れだ。

これが4クールぐらいの作品であれば
「苦手なものを克服」してしまうと「現れなくなるニンニンマン達」というような
ストーリー展開にもできるのかもしれないが、
1話限り25分の短編アニメと考えるともう少し詰め込んだストーリーと
きっちりとした起承転結が欲しかったところだ

「」は面白い?つまらない?

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