「ぱすてるメモリーズ」レビュー

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ファンタジー

評価 ☆☆☆☆☆(5点) 全12話

あらすじ 私たちの使命は、作品世界を壊そうとするウイルス退治すること!この世界を守るために、私たちが頑張る!オタク文化の聖地と言われたアキハバラも今ではオフィス街引用- Wikipedia

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悪意のあるパロディはパロディにあらず

原作はソーシャルゲームな本作品。
監督は篠崎康行、制作はproject No.9。
篠崎康行氏は長年演出家として活動されている方だが、本作品が初監督。
なお、長年演出家をされた方が監督をすると総じて駄作になるジンクスが
私の中にはある。

古臭さ


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

見出して感じるのは古臭さだ。
特にキャラクターデザインと色合いは00年代のアニメのような古臭さを感じる。
作画の質の悪さも起因してる部分はあるものの、
全くオリジナル性を感じないどこかで見たことのあるキャラクターデザインは
「絵」が重要なソシャゲ原作とは思えない。

1話から馬鹿みたいにキャラクターをどんどん登場させるのは
ソシャゲ原作アニメのお決まりみたいなものだが、
大量のキャラの誰一人として名前と容姿が結びつかない。
テンプレート的かつ魅力がまるでないキャラが出てきてもまるで意味がない、
むしろベタすぎるキャラ付けにイラっとくるほどだ

原作の絵もちらっと検索してみてみたが、
ちゃんと「今どき」のキャラクターの絵だ。
ややギャルゲーっぽい雰囲気はあるものの、
なぜ、アニメではこんな古臭いキャラクターデザインになったのか
謎でしかない。

それでなくとも、いろいろな部分が古臭い。
「演出」部分も特に「どこかで見たことのある」古臭さ全開であり、
1話を見てるうちに何度もデジャブに襲われる。
キャラクターにもまるでオリジナル性を感じないため、余計にデジャブだ。
しかもテンポが悪すぎる。

オタク文化が衰退した日本という舞台で
1話は「ごちうさ」の1巻を探すだけだ。
既視感あふれる展開やキャラクターとテンポの悪さで
Aパート部分で見るのをやめた人も多いだろう。

しかし1話終盤、この作品は衝撃的な展開を迎える。
突然謎の空間からキャラクターが現れ、しゃべるマスコットキャラまで出てくる
そのマスコットキャラがこんなことを言い放つ

「大変だぴょい、別の作品世界でまたウィルスが発生しているぴょい!」

つまり未知のウィルスにより創作物が破壊されており、
その漫画やアニメの世界が破壊されると、その作品の思い出が無くなる。
そのせいでオタク文化が衰退してしまっている。
彼女たちはそんなウィルスと戦っている。

1話を20分間位グダグダやってた展開は何だったのかと思うほど
いきなりの急展開に戸惑うしかない。

許されないパロディ


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

この作品の2話は現在放送停止になっており、BDにも収録されない。
原因は「許諾をとっていないパロディ」だ。
2話で彼女たちは「ご注文はうさぎですか?」の世界に行っているのだが、
許諾をとっていないだけならいざしらず、
ご注文はうさぎですか?のアニメの背景をそのままトレースして使用している。

正直、呆れ果てるしかない。
アニメを作っている会社がここまで著作権に対する意識が甘いとは思わず、
パロディだけならまだ許されたかもしれないが、
背景のトレースなど許されるはずもない。

というよりも小ネタとしてのパロディならいざしらず、
1話まるまる、その世界で物語が進行する。しかも、パロディにしては悪質だ。
例えば同じことをシている「仮面ライダーディケイド」や
「仮面ライダージオウ」などは正史より少し違った世界だったり、
正史の後の世界だったりする。

しかし、この作品は元の作品のまま元の世界が壊されている。
2話のご注文はうさぎですかの世界は
「ご注文はうなぎですか?」になっており、
キャラクターの顔やありとあらゆるものが「うなぎ」になっている。

何ともくだらない。
正直、面白い面白い以前のくだらなさであり、
その作品が好きな人にとっては冒涜のような行為に近い。
悪ノリといえばわかりやすいかもしれないが、正直悪質なパロディだ。

これで許可をとってれば笑えるかもしれないが、
許可をとってないのに背景までトレースしてやりたい放題なのは
「大人」としてやってはいけないことだろう。

元ネタ


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

この作品は毎回のように色々な作品のパロディ世界に行くのだが、
絶妙に古い。2話の「ご注文はうさぎですか?」は最近のアニメだが、
3話は「ローゼンメイデン」だ。
ローゼンメイデンの1期は2004年のアニメであり、15年も前だ。
知名度のある作品ではあるものの「見たことがない」という人も多いだろう。

ある程度、元ネタを知ってる前提になってるネタも多く、
元ネタを知らなければ笑えないパロディは流石に厳しい。
これである程度の「縛り」があるならば理解できる。
例えば年代だったり、ジャンルだったり、何かしらの縛りがあれば
作品としての統一性も生まれる。

しかし、年代もバラバラ、ジャンルもバラバラ、
アニメどころかゲームのパロディ世界にまで行く。
製作者は自分たちが知ってる作品なため笑えるのかもしれないが、
聖闘士星矢からロウきゅーぶまで見てるアニメオタクは
かなり絞られる。

せめて、最近の深夜アニメ縛りくらいには出来なかったのだろうか。
脈絡のないパロディ世界の数々は正直ついていけない部分が大きい。

敬意を感じない


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

パロディは元ネタに対して敬意がなければ失礼だ。
小ネタやセリフの中でちょこっとパロディするならともかく、
この作品はまるまる1話、その世界に行くから余計に
その作品に対して敬意がなければ失礼極まりない。

しかし、この作品はそんな敬意をまるで感じない。
「ごちうさ」ではキャラの可愛さを台無しにする「うなぎ顔」で、
「ローゼンメイデン」ではあの衣装をジャージに変えている。
ある意味で作品のアイデンティティの部分をこの作品は侮辱することで
笑いに変えている。

これのどこが面白いのだろうか?
許可をとってないため本来の作品通りのキャラや世界じゃない
パロディの世界だから好き放題してもいいと思ってるんだろうか?
卒業アルバムの思い出の写真に「いたずら書き」して笑ってるようなものだ。

これできちんと原作に許可取り、
パロディでない本当の作品の世界なら面白かったかもしれない。
実際のキャラもきちんと登場し、声優さんもそのまま登場すれば
きちんと「アニメ版ディケイド」として機能した作品だったかもしれない。

しかし、それが出来ないからと言いって中途半端なパロディ世界で
侮辱して笑いを取るスタイルは苛立ちしか感じない。
やってることが中途半端で笑いにつながっていない。

多すぎるキャラクター


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

この作品は14キャラクターも出ている。
そこに毎話ごとにパロディ世界の住人が加わるが、
本当に掘り下げ甘いため特に印象にも残らない。

毎話、3人ずつパロディ世界に行かせているが
ろくに掘り下げられないキャラクターばかりで何の印象にも残らない。
毎話出ている悪役のほうがよっぽど印象に残ってしまうほどに
掘り下げが甘く14人のキャラクターを使いこなせていない。

もう少しメインキャラをしっかりと据えるべきだ。
出せばいいというものではない。

テンポの悪さ


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

この作品の致命的な部分でもあるテンポの悪さはかなり厳しいものがある。
グダグダとしたストーリー展開である程度パターン化しまっており、
正直、笑える笑えないの前にこのテンポの悪さとお決まりの展開ばかりの
ストーリーは微妙だ。

アニメや漫画の作品がウィルスに犯される、
3人のキャラクターがそのパロディな世界に行って
改変された世界を見てリアクションして、悪役が現れて戦う。
その作品のジャンルらしい対決などもあるが、基本はグダグダだ。

戦闘シーンになって戦闘が始まってもだらーっと描くため
緊張感なんかあったもんじゃない。
ギャグの多い作品なのにグダグダではギャグがギャグとして成立しない。

ごちゃまぜ


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

終盤になるとネタ切れしたのか色々な作品をごちゃまぜにして
1つの世界にしてることもある。
味っ子や美味しんぼをごちゃまぜにするというアイデア自体は悪くないが、
特にそれが面白いわけではない。

味っ子や美味しんぼのパロディキャラが出てきても、
結局料理対決するのは「ぱすてるメモリーズ」のキャラたちだ。
審査員も「美味しんぼ」なため、味っ子キャラの良さを奪ってしまっている。
ごちゃまぜにするのはアイデアとして悪くないが、
活かし方が意味不明だ。

ただ7話のゲーム回はこの作品で唯一面白い。
パロディ元としては「魔界村」と「ドラゴンクエスト」ではあるものの、
いわゆるレトロゲーあるあるみたいなもので構成されており、
魔界村パロディなども控えめに使っており、
これくらいなら許可のいらない許容範囲だろう。

最初からこのごちゃ混ぜ方式で「日常アニメの世界」というような感じで
同じジャンルの作品をまとめた世界にして、色々な作品のパロディや
そのジャンルのあるあるをネタにすれば面白くなった作品かもしれない。


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

敵がなぜウィルスをばらまいて作品を壊しまくってるのかが謎だ。
一応組織だって動いてるようなのだが出てくるのは一人だけ。
敵の目的がそもそもよくわからない。なぜ作品の世界を壊したいのか。
本来ならそこを描くべきだが、全く触れてくれない。

序盤で一応「こういう作品があるから私がモテない!」と
私的な理由を述べてたりもしたが、それが毎回あるならば納得できたが
序盤の「ロウきゅーぶ!」パロディのとき以外は理由は教えてくれなかった。

最後は主人公たちに協力して敵を倒している。
だが、作品を壊すためにウィルスをばらまいたはずなのに
なぜ協力して倒そうとするのかが意味不明でしかないままに
作品が終わってしまった。

総評:嫌悪感


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

全体的に見て駄作だ。
ソシャゲ原作特有のキャラクターの多さのせいでキャラを覚えきれず、
無駄に出てくるキャラクターのせいでストーリーが浅くなってしまっており、
ウィルスのせいで壊されてしまったいろいろな作品を元に戻すという
要素自体は悪くないが雑なパロディと侮辱して笑いを取る部分は嫌悪感しかない

これできちんと1作品ずつ許可をとって実際の作品の
実際のキャラたちでその作品をもとに戻すというような内容なら
面白かったかもしれない。
しかし、許可を取ることをせずにやってしまったことでパロディな世界観で
中途半端なことしか出来ておらず、あげくはトレースして怒られてお蔵入り。

企画段階である程度こんな結果になることは目に見えていたはずだ。
雑なパロディ要素を笑える人もいるかも知れない、
話によっては見れる回もあったが、
作画の質も含めて色々とひどい作品だった。

個人的な感想:きつい作品だった


引用元:© FURYU/「ぱすてるメモリーズ」製作委員会

序盤の段階でこの作品を好きになれず、話が進んでも嫌悪感が増す一方だった
この作品のパロディのやり方は
「許可を取れなかったので仕方なく」やっただけのパロディでしかない。

7話や10話のような色々な作品がごちゃまぜになった世界というのは
悪くない感じだったため、あの7話と10話のようなテイストで
全話やれば面白くなった可能性はあった。

しかし、制作側のモラルに欠ける制作スタイルも含め、
嫌悪感しか残らない作品だった。
なお、この作品のせいかはわからないが原作運営元のフリューが
「ゲーム原作アニメの減損損失5.9億円を特損計上」している。

BD・DVDに関しても2話を除いてBOX売りに変更されてることを考えると
相当にやらかしてしまったのだろう。
正直、そんなに制作費がかかってるような作画には見えなかったが、
経費はかかるし怒られるし売れないし駄作という何とも悲惨な
アニメだった。

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