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「バミューダトライアングル~カラフル・パストラーレ~」レビュー

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評価 ★★☆☆☆(37点) 全12話

あらすじ 都会から遠く離れた、のどかなパーレル村に集った少女たち。自分たちが将来そんなきらめく姿になるとは想像もしていない彼女らは引用- Wikipedia

キャラデザさえ我慢すれば…

原作はカードゲーム「ヴァンガード」内のクランと呼ばれる組織の中の
海洋国家・メガラニカに所属する人魚アイドル集団のアニメ化。
この時点でややこしさの塊だが、アニメもやってるヴァンガードだが、
そのヴァンガードというカードゲーム内の世界観の一部をアニメ化と
考えてもらえばわかりやすいかもしれない。
監督は西村純二、制作はセブン・アークス・ピクチャーズ

キャラデザ


引用元:©CP△

見出して感じるのはキャラクターデザインの違和感だ。
特にキャラクターの「目」の部分の違和感はとんでもなく、
一瞬、作画崩壊か?と思うようなキャラクターデザインだが
OPやキービジュアルでも同じ目をシたキャラクターデザインなので
これがデフォルトのようだ。

しかし、それが気になって仕方ない。
とてもじゃないが2019年のキャラクターデザインとは思えない。
90年代のギャルゲー全盛期にこんなデザインもあったなと思うような
「古臭い」デザインと目の形の違和感は凄まじく、
このキャラクターデザインの時点で「見ない」人もいるだろう。

見ていて不安になるようなデザインだ。
このキャラデザは果たして正しいのか、自分の感覚がおかしいのかと
全12話疑問に思いながら見ないといけない。

これで原作からそういう感じのデザインなら仕方ないが、
原作のデザインとアニメのキャラデザはまるで違う。
一体何がどうなってこんなキャラデザになってしまったのか
本当に謎でしかない。

逆に作画を手抜きしてるシーンのほうが普通に見えてしまう。
本来ならそのシーンこそ作画崩壊なのだが、
ソッチのほうがまともに見えてしまう矛盾が生まれてしまっている

世界観


引用元:©CP△

この作品の登場人物は基本的に「人魚」だ。
故に水の中で彼女たちは暮らしている。
まるで、空を飛ぶように泳ぎながら移動している。
だが思い出し方のようにたまに水の音があるだけで
「水の中」という感じが一切しない。

お茶は普通に湯気が出てる、ケーキなどの食べ物も水浸しにならない。
水の音以外は「水の表現」がほとんどないため、
水の中で生活しているという感じが非常に薄い。
思い出したかのように空気の泡が表現されたり、水の音があるからこそ
なんとか水中であることがわからないでもないが表現が甘い。

ただ1クール「水中の表現」をしながらのアニメ制作は
かなりの予算がなければ難しいだろう。
作画の質もそんなに良くないことを考えると、
最初から無理があった世界観と言えるかもしれない。

声優


引用元:©CP△

メインキャラを演じる声優さんは「武田羅梨沙多胡」さん以外新人だ。
武田羅梨沙多胡さんも2年前にデビューしてるので新人扱いかもしれないが、
メインキャラの5人のうち4人が、この作品で初めめてメインキャラを
演じたりデビューしたりしている。

これで演技力に問題がなければ言及はしないが
一部声優さんの演技はやや気になる。
声に特徴があるわけでも演技力があるわけでもない声優の演技は
メインキャラのうち一人なら気にならないかもしれないが、
半分以上というのはちょっと気になってしまう。

いわゆる声優の「ネームバリュー」のある作品とも言い難く、
声優目当てで見るような作品でもない。

ストーリー


引用元:©CP△

人魚たちが暮らす村に一人の少女がやってくる。
カノンというその少女と、村で暮らす4人で
ボロボロの映画館を復興しようという話になる。

はっきり言うと物凄くまったりしている。
1話の時点で「テンポの悪さ」を感じるようなだらーっとした感じであり、
1話1話が悪い意味で長く感じる。
序盤の段階だとこの作品のやりたいことや方向性が見えてこない。

とっつきにくい世界観、違和感の強すぎるキャラクターデザイン、
まったりとしすぎるストーリー。
多くの視聴者を1話ないし2話で失ったと感じる。
キャラデザの時点で6割失い、ストーリーと世界観で2割の視聴者を失う。

残りの1話、アニメ好きやキャラデザに違和感を感じなかった人だけが
この作品を見続けたかもしれない。
そう感じてしまう要素が序盤にあまりにも多い。
私もアニメレビューをしていなければ10分で見るのをやめたかもしれない。

幼女向け


引用元:©CP△

はっきり言ってこの作品は「子供向け」のアニメだ。
プリキュアやアイカツといった子供をターゲットにした作品のような
雰囲気がある。これ放送時間が土曜の夜ではなく、
土曜の朝ならば色々と納得できる。

本家のヴァンガードの後か前に放送されれば、
ヴァンガードのアニメを見ていなかった層の新規開拓になったかもしれない。
この雰囲気やストーリーでなぜ大人向けの放送時間にしてしまったのかが
色々と謎でしかない。

物語としてはすごくシンプルだ。
特に目標もなく夢もなく田舎で過ごしていた少女が、
都会からやってきた少女と出会い、古びた映画館を見つけたことで
「自分のやりたいこと」を見つけ変化していく。
物語の構造としてはベタであるが、王道の面白さがある。

誰にも見られない映画がこのまま廃れるのはもったいない。
それはやりたいことを見つけられない田舎の少女自身にも重なっている。
シリーズ構成は「横手美智子」さんだが、
ベテランらしい実力を感じる脚本になっている。

5話


引用元:©CP△

都会からやってきた少女はアイドルのスカウトを受けていたのだが、
彼女はオーディションで歌う途中で突然、声を出せなくなってしまい、
都会から田舎に「逃げて」きた。

彼女の自身のなさが声が出せなかった原因にもなっており、
田舎で暮らし、映画館を復興させ、田舎の少女と交流するなかで
彼女自身も徐々に変化していく。
3話まで見るとこの作品がやりたいことは見えては来る。

3話を超えると一人ひとりにきちんとスポットを当てつつ、
キャラクターを掘り下げ、5人のメインキャラの印象がしっかりと深まりつつ、
それと同時に映画館の復興も進んでくる。
少女たちの成長や変化と映画館の復興が相対的に描かれることで、
良い比喩表現になっている。

不器用ながら彼女たちは一所懸命、映画館を復興させ、
村のみんなに映画を見てもらうことに成功する。
5話まで見ればこの作品の面白さがしっかりと伝わる。
しっかりと伝わるだけに、ここまで見る人がどれくらい居るのかが
本当に残念でならない。

中盤まで見ればキャラクターデザインも流石に見慣れてくる。

終盤


引用元:©CP△

終盤になると今度は「映画を作ろう」という話になる。自然な流れだ。
最初は映画館にあった作品を見たことがきっかけに
映画館を復興させようと決め、映画の面白さや素晴らしさに触れ、
村に映画の撮影隊が来たことで、今度は自分たちで
その映画自体を作りたいと思うようになる。

5人で1つの作品を作り上げ、都会からやってきた少女には
「オーディション」を再度受けないかという話が舞い込んでくる。
しかし、彼女は悩む。
都会には色々なものがあるが、田舎には都会にないものがある。
それが4人の友達だ。

彼女はこれまでと同じように「5人」で成し遂げたいと考える。
映画館を復興させて、みんな映画を作って、5人でなにかやってきた。
だからこそ、5人のまま、これからも何かをシたいと考える。
それが「アイドル」だ。一人ではできなかったけど5人ならばできる。

やや唐突にアイドルになった感じは否めないものの、
話の流れとしては本当に綺麗にまとまっており、
1クールですっきりと見終われる作品に仕上がっていた

総評:キャラデザさえ…


引用元:©CP△

全体的に見てキャラクターデザインだけが本当に惜しい作品だ。
人魚たちがくらす世界で田舎に暮らす4人の少女と、
都会からやってきた一人の少女が出会い、ともに暮らす中で、
映画館を復興させ、みんなで映画を作り、自分たち自身を見つめ直し、
自分たちが何をしたいかを考え最後に結論を出す。

キャラクターの成長と変化の物語が1クールできちんと描かれてる。
ストーリーだけならば本当にキレイに美しくまとまってる作品だ。
しかし、そのストーリーの面白さが見えてくるのが3話で、
はっきりと分かるのが5話だ。

ヴァンガードの中のアイドルグループが
なぜ出来たのか?といういわば前日談的な話ではあるのだが、
アイドルになるための流れを本当に綺麗に描いている。

普通の1クールのアニメならば3話で面白くなれば十分だが、
この作品の場合は拒否感の生まれやすいキャラクターデザインのせいで
1話か2話で切られてしまう可能性が高い。
キャラデザ自体は中盤になると見慣れてくる部分はあるものの、
しばらく時間をおいて見るとやはり違和感のあるデザインだ。

最後まで見れば面白かったといえる作品なのだが、
作画やキャラデザの問題や新人声優の多さ、世界観の設定の違和感など、
色々と足を引っ張っている要素が多い。

もし今から見る人がいるならば6話くらいまで見てほしい。
6話まで見るとこの作品の面白さがしっかりと伝わるはずだ。
もし1話で切ってしまった方も3話ないし6話くらいまで見れば
キャラデザにも慣れてストーリーの面白さが見えてくるはずだ。

せっかく面白いストーリーの作品なだけに、
本当になぜこんなキャラクターデザインに
仕上がってしまったのかが謎でしかない作品だった

個人的な感想:悪くなかった


引用元:©CP△

最初は「何だこの作品」という印象の作品だったが、
最終的には面白かった作品だった。
それだけに、その最初の印象がどうにかならなかったのかと嘆いてしまう。

これで幼女向けアニメなら、このデザインでもぎりぎり許されたかもしれない。
内容的にも子供向けな部分もあり、
なんで深夜アニメとして放送してしまったのだろうか。
朝アニメとして放送すれば、
最終話で一気に飛んだ時系列の部分も描かれたかもしれない。

それだけに1クールの深夜アニメとして制作されてしまったのが
色々と謎だった作品だ。

「」は面白い?つまらない?

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  1. 猫まっしぐら より:

    映画を作ろうまでは自然な流れだと思うけど5人でアイドルになろうは音楽少女のラスト並みに流れが突飛すぎましたね。
    最後まで見ててそこが全く理解が追いつきませんでしたし、それまでのシナリオ構成もそういう流れでもなかったですしね。
    あとキャラデザは最後まで慣れないでしょ。瞳の形が三角て人類にはまだ早すぎるというか、ホモサピエンスの次の人類に託すレベル。