手垢まみれの王道ファンタジー「エンドライド」レビュー

評価★☆☆☆☆(13点)全24話
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あらすじ 中学生・浅永瞬はある日、父の会社にあった水晶に触れ、地球の裏側に存在するという異世界・エンドラに飛ばされてしまう。その頃エンドラでは、とある理由で現王・デルザインを憎む王子・エミリオが復讐を果たそうとするが逆に捕まり、牢獄に閉じ込められていた。その牢獄に突如現れた瞬はエミリオと運命の出会いを果たす。
引用 – Wikipedia


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手垢まみれの王道ファンタジー

本作品はTVアニメオリジナル作品。
監督はキディ・グレイドなどでおなじみの後藤圭二、
制作はブレインズ・ベース、ラパントラック。
キャラクター原案に萩原一至、和月伸宏。

見出して感じるのは・・・というよりOPで爆笑してしまう。
まさかの「LUNA SEA」である(笑)
前情報を仕入れずにいきなり流れる河村隆一の歌声のインパクトは凄まじい。

OP中に流れるアニメーションはいかにもなファンタジーバトルアニメであり、
るろうに剣心の和月伸宏、BASTARD!!の萩原一至、
両名の若干古臭さはあるが「少年漫画」らしいキャラクターデザインが、
いかにもな主人公像を描写しており、いい意味で王道な作品を予感させる。

しかし、いざ本編が始まるとのっぺりとしたが作画になる。
肌が「テカテカ」した感じの作画はいかにも後藤圭二監督らしい
タッチではあるのだが、そのテカテカした肌感は
女性キャラクターが中心のキディ・グレイドなどの作品では生きるが、
王道の少年漫画系アニメではいきてこない。

バトルシーンの演出も最悪と言っていい。
この作品における能力は「身体からなんか武器を出す」能力であり、
それ以上でもそれ以下でもない。

そんな身体から出てくる妙な形の武器を
ぶつけ合いながら戦うというバトルシーンは「チャンバラ」でしかない。
武器を映さず、顔のドアップを無駄に写すようなシーンも多く、
一辺倒な武器のぶつけ合いは迫力なんてものは0だ。
一応武器ごとに能力があるようだが、基本はチャンバラで戦闘シーンの旅に萎える。

更に声優。
話題性の1つとして子役だった「美山加恋」がヒロインに起用されている。
しかしながら、声が声優向きの声質ではなく、
下手というよりは強い違和感を産んでしまっている。
いかにも「演技しています」な感じの声といえばわかりやすいだろう。
キャラクターを通してマイクの前で演じている本人の姿が見えるような感じだ。

ストーリーの進み方もRPGかな?と思うほどの構成だ。
2クールという尺の余裕からサブキャラまで回想付きでガッツリ掘り下げる、
掘り下げる割には魅力にかけるキャラクターが多く、
ぐだぐだと会話劇を続けられても盛り上がらない。

内容的にはいわゆる「異世界召喚」タイプのファンタジーストーリーなのだが、
この手のジャンルとしては「手垢」の付きまくった内容であり、
王道ストーリーとしての安心感はあるものの、今更感が物凄いある。

ストーリー展開も内容自体は王道なのだが、
唐突な展開が非常に多く、はっきりって浅い。
物語に必要な「溜め」や「引き」がなく、場面が切り替わっていく。

2話の段階で「雑魚モンスターに出会ってバトル」というような展開もあるのだが、
アニメというよりはRPGのような感じのストーリー展開だ。
プレステ2ではなくプレステのポリゴンバリバリのRPGのような、
ベタベタかつ印象に残らないストーリーは、
とてもじゃないが2016年のアニメとは思えない。

簡単に言えば今更感が強い。
これが1990年代くらいの、スレイヤーズやオーフェンなどの
ラノベファンタジーアニメ全盛期の頃のアニメならば納得できる。
2クールという尺も90年台のアニメならば普通だっただろう。

しかし、2016年の今、なぜこの内容でアニメ化したのか?と
アニメ化という企画そのものを疑いたくなるような内容はかなりきつい。
久しぶりに敵側に「四天王」的な存在のいるアニメを見た気がする(苦笑)
中学生が初めて書いたライトノベルというのがギリギリ納得できるほど、
作品の内容に手垢がつきすぎている。

見終わった後だから言えるのだが、
正直、序盤から中盤までの内容で「必要性」を感じない部分も多い。
まとめようと思えば1クールでまとめられる内容を
無理矢理2クールに伸ばしているせいで
王道の面白さが薄まってしまいる。


全体的に見て盛り上がりに欠ける作品だ。
王道すぎるファンタジーストーリーに目新しさはなく、
キャラクターもベタであり魅力にかけるキャラクターが多い。
肝心のバトルシーンはチャンバラ状態で見応えというものがなく、
2クールという尺を存分に余らせたグダグダなストーリー構成では
王道のストーリーが映えない。

正直、この世界観や設定で名作を生み出すことは至難の業だろう。
ソーシャルゲームの宣伝という縛りも有り無茶もしにくい。
この作品は「ソーシャルゲーム」が出ることが事前に決まっており、
ソシャゲの宣伝のためのアニメだ。
はっきりいって制作陣のやる気が感じられない。

Wikipediaによると
「世界観や基本設定はクライアント側から提示されていた」ようだ。
そこに話題性だけでキャラクター原案に萩原一至、和月伸宏を起用し、
話題性だけでLUNASEAを起用し、話題性だけで美山加恋を起用し、
人気声優を起用して、この作品の予算の6割位は使い尽くしたのだろう。
作画もかなり不安定だ。

後藤圭二監督はややクセのある作品を手がけることが多いが、
そのクセがいい意味で作品の独自の雰囲気を醸し出し、
印象に残る作品を生み出す監督だ。
いわゆる「王道作品」では後藤圭二監督という監督の良さがいきてこない。

1クールでまとめたら素直に面白い作品になったかもしれない。
本当に「どうでもいい」と感じるサブキャラの話が非常に多く、
サブキャラのせいでメインのストーリーが進まない。

お手軽かつ、すぐにこの作品を見終わりたい方は、
丸々1話使った総集編までご丁寧にあるので、
今から見る人は1話を見た後に13話の総集編を見ても問題ないかもしれない。
あとは17話から最終話まで見れば物語は理解できる。
それくらいの内容でしかない作品だ。

個人的に後藤圭二監督が好きなだけに残念すぎる作品だった。
B級アニメや駄作アニメのようにギャグアニメと割り切るには
笑えない部分が多く、2クールはかなり厳しかった・・・。

なお、肝心のソーシャルゲームのほうは未だに正式サービスを開始していない。
こういうのは放送と同時にゲームへ誘導できなければ
宣伝効果も薄れるだけだと思うのだが・・・

ちなみに売上は爆死、175枚とある意味で奇跡的な数字だ。
Amazonの商品ページも1レビューしかついていない。
男性キャラが多いことを考えれば女性向け作品だったのかもしれないが、
そういう雰囲気も薄く、ターゲット層我よくわからない作品だった

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