pupa

☆☆☆☆☆(5点)

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何がしたかったんだろうか・・・

原作はコミック アース・スターで連載中の漫画作品。
元々は2013年秋アニメの予定だったが何故か伸びて2014年冬アニメになった。
1話5分ほどの短編アニメ。

見だして感じるのは「苛立ち」だろう(苦笑)
ブルーレイなどのディスクではもちろん表示されないものの、
テレビ放送時は以下の様な状態だ。

わかるだろうか、常に左上と右上に原作の宣伝がされている。
この時点でこの作品に対する期待感は一切なくなり
「原作の宣伝」をしたいだけのためのアニメであることがひしひしと伝わる。

更にわけの分からなさ。
原作の宣伝のためのアニメなのに「原作を読まないと」わからないストーリー描写だ
この作品はいわゆるホラーテイストの作品であり、
そんなホラーテイストの作品を「1話5分」で描くのは無理がある。
というよりOPとEDがあるため実質本編は3分だ、恐ろしいまでの速度でストーリーが進んでいく。

いわゆる「ホラー」に必要な貯めが一切なく流れとしては
謎の女「紅い蝶を見る前に帰りなさい」→ヒロイン「わ~赤い超綺麗」→妹怪物化と
話を理解させることを諦めているかのような無謀すぎるストーリー構成であり、
面白い面白くない以前の問題になってしまっている。

更に売りであるグロ要素。
この作品はヒロインである妹が「化け物」になってしまい、
超絶自己再生能力を持つ兄が自らを妹の餌になるという内容だ。
そういう設定のため1話の段階から妹の臓物的なものがプシャー!ととび出すのだが、
演出、作画、テンポが全て悪く「グロい」シーンがまったくもってグロくない(苦笑)
せめて短い尺の中でグロいシーンがもっと衝撃的かつ迫力があれば印象には残ったと思うが
迫力がなさすぎて恐怖感やグロさがなく、淡々とした印象しか残らない。

意味不明な「実写」の取込み演出などもある。
グロさの演出で「実写」を取り入れたかったのは分かるが、
アニメーションという媒体で「グロさ」を出すために実写に頼るのは安易でしか無い。
その安易さを感じさせない演出があって初めて実写を取り込む意味があるが、
むしろ絵を見ないほうが楽しめる。

ヒロインを演じている「木戸衣吹」さんの「食事」シーンの演技や
悲壮感のある演技などは本当に素晴らしく、
そんなヒロインに絶対的な愛情で自らを捧げる主人公を演ずる
「島﨑信長」さんの叫び、食われる痛みの演技も素晴らしい。
だが、その演技の素晴らしさをアニメーションが邪魔をする(苦笑)
絵を見てしまうと完成度が低すぎて思わず笑ってしまう。

そもそも設定の殆どを描写しないためwikipediaや原作を読んでいなければ
ストーリ-を理解することが不可能だ
妹が突然怪物になったり、兄がなんか不死身になってたりと
本来なら描写しなければならないはずのシーンをカットしているのがわかりやすく、
意味不明な演出や「そこはカットしてもいいんじゃ?」と思うシーンを取り入れており、
更に設定の説明を後回しにしたりして余計に混乱する。
尺の短さ云々より、ストーリー構成が雑過ぎて面白さが伝わらない。

全体的に見て原作の宣伝にすらなっていないアニメだ。
逆にわざとやっているのかと思うほどグロさがないためシュールギャグのようにも見える。
わざとやってるのかと思うようなストーリー構成、
わざとやってるのかと思うような迫力の無さ、
わざとやってるのかと思うような強引なストーリー描写と、
本気で作っているとは思えないほど1つの作品としての完成度が低すぎる。

特に6話などギャグアニメとして非常に笑える。
ひたすら妹に食べられる兄の描写をしてストーリーを一切進めず、
兄が白目を剥いて終わる(笑)
これで絵がなければ声優さんの演技のお陰で怖さが伝わるが、
レベルの低い作画のお陰で白目を剥く主人公の表情がもう・・・ギャグにしか見えない。
更に最終話などグロシーンはなく、前話まで色々と大変な状況だったはずなのに
意味不明で無駄に明るいストーリー描写で終わる、本当に意味がわからない。

本当はきちんと作れば面白い作品なのかもしれない。
原作は大ヒットなのは画面にいつも表示されていたので分かるが
1話30分の枠やOVA,映画などできちんとした尺で作られたら面白いのかもしれない。
そもそも何故、この作品を「5分枠」でアニメ化しようと思ったのか謎だ

原作を連載しているコミック アース・スターは確かに「てーきゅう」「ヤマノススメ」など
短編アニメの多い連載雑誌だ。
しかし「世界でいちばん強くなりたい!」や「ノブナガン」など
普通の尺でもアニメ化されている。
何故、この作品が短編枠でのアニメ化なのか本当に意味がわからない。

これならば原作の1話などを丁寧に1話5分全12話でアニメ化した方がマシだったろう
無駄にストーリーを進めるために、結局見終わった後に
「何がしたかったんだ?」という印象しか残らない作品だった。