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6年越しの2期は王道の面白さを感じさせる「青の祓魔師 京都不浄王篇」レビュー

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評価★★☆☆☆(38点)全12話

あらすじ 人間の住む「物質界(アッシャー) と悪魔が住む「虚無界(ゲヘナ)」。本来は干渉することすらない二つの次元だが、悪魔はあらゆる物質に憑依し、物質界に干渉していた。引用 – Wikipedia


6年越しの2期は王道の面白さを感じさせる

本作品は青の祓魔師の2期。
前作は2クール作品だったが、物語の後半からアニメオリジナルストーリーになり、
原作無視な内容になっていた。
そもそも原作が7巻しか発売されていない状態で2クール作る意味がわからない。
監督は1期から変更されており初見浩一、制作はA-1 Pictures。

個人的な話になるが、この作品を見る予定はなかった。
1期が全体的にお世辞にも良い出来栄えとはいえず、
前作から6年ほど経過しての2期になるが、
あまり1期の内容も詳しくは覚えていなかったからだ。

しかし、wikipediaである記述を見つけてしまい逆に見たくなってしまった。
それがこちらだ。

「原作第5巻から第9巻にあたる「京都・不浄王編」をアニメ化。
テレビシリーズ第1期後半のアニメオリジナルストーリーには準じず、
原作の設定に基づいた物語が展開される。」

つまり1期後半のアニメオリジナルストーリーは無かった事になっている(笑)
リメイクという形でアニメオリジナルストーリーが無かった事になることは
たまにあるが、この作品の場合リメイクでもないのに1期の後半の内容を
無視である(笑)
この大胆な1期のオリジナル部分無視な行為のおかげで見たくなってしまった。

見出して感じるのは原作ファン以外を突き放した感じだろう。
「これまでのお話」というのが、もう少しでも描かれれば、
1期から6年たって忘れかけているアニメのみの視聴者も、
1期の内容を思い出すきっかけになったかもしれないのだが、
ふわっと少しだけ触れる程度だ。

これで1期が2年か3年くらい前なら問題ない、だが6年前だ。
物語が始まって3分位でもう本筋である「不浄王」に関連する
ストーリー描写が始まってしまい、
これまでのお話はキャラ同士の2,3セリフくらいで語られるくらいだ。

更に物語の途中から描かれることで人間関係がギスギス状態から始まる。
しかも、そのギスギス状態が長い。
主人公は敵である悪魔と人間のハーフであり、
しかも、その悪魔は敵の親玉であるサタン。

そのせいで同じ祓魔師になるための学校に通っているクラスメイトと
ギスギスなのだが、このギスギス状態は1期の後半ではなかった。
アニメだけ見てる人は1期の記憶を半分だけ消さないと、
この状況を素直に飲み込み難くなってしまっている。
下手にここだけ回想シーンを入れるため厄介だ。

しかしながら2話以降はひとりひとりのキャラクター描写がしっかりしだす。
1期では原作ストックがなかったせい&アニオリ展開のせいで、
キャラ描写が浅かった印象だが、
2期では主人公以外のキャラクターの掘り下げをきっちりとやる。

やや冗長に感じる心理描写や過去描写が多いものの、
しっかりと物語のキャラクターを描写するからこそストーリーを楽しめる。
ストーリー自体は割と王道な少年向け漫画な話だ。
キャラ描写さえしっかりすれば、その王道を素直に楽しめる。

ただ、序盤から中盤までやや主人公が蚊帳の外な感じが強い。
地味な修行中だし、牢屋に入れられてしまう。
これが2クールの作品だったら気にならなかったかもしれないが、
主人公が活躍しだすのが8話ぐらいからというのは、
1クールの作品としてはやや遅い感じがある。

それでも1話から最終話できっちりとキャラクターが成長しており、
それぞれのキャラクターの印象もきちんと深まった。
続きは原作でという感じになっているのが残念だが、
見終わった後の後味は悪くない。

全体的に見てもったいない作品だ。
きちんとした王道の面白さが根底にある作品なのに、
1期はアニメ化が早すぎてアニオリ展開で残念な感じに、
2期はアニメ化が遅すぎる上に尺が足りないので
中途半端になってしまっている。

原作が完結してからきっちりと4クールくらいで
アニメ化すべき作品だっただろう。
1期に比べれば2期はかなり見やすく、面白い作品になっているが、
1クールでは「俺たちの戦いはこれからだ」で終わってしまっており、
6年越しの2期でこの終わり方は残念だ。

2期のストーリー構成的にも起承転結がすっきりしているストーリーなだけに、
TVアニメというよりは映画として2時間位にまとめたほうがよかったかもしれない。
ファンならば確実に足を運ぶだろうし、
1期の後半を無視したという要素も1本の映画としてならば気にならない。
売上的にも1巻は3000枚と1期に比べればかなり右肩だ。
映画のほうが売上的にも回収しやすかっただろう。

色々と欠点を書いてしまったが、普通に楽しめる作品だ。
1期の中盤まで楽しめた方や原作ファンならば
確実に面白いと感じられるだろう。

本当にこの「青の祓魔師」という作品は色々とタイミングが悪い作品だ。
早すぎた一期、遅すぎた2期。
3期というのはあるのだろうか(苦笑)
3基があるならば完結してから、きちんとした形で見たい所だ。

「」は面白い?つまらない?

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