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なぜ迷い猫オーバーランの失敗を何故繰り返すのか「18if」レビュー

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評価 ★☆☆☆☆(16点)全13話

あらすじ 目覚めた月城遥人。しかし彼のいたはずの部屋は”他人の夢の世界”に引き摺り込まれた”間の世界”だった引用 – Wikipedia

なぜ迷い猫オーバーランの失敗を何故繰り返すのか

原作は【18】キミト ツナガル パズルというスマホゲー。
総監修は森本晃司、制作はGONZO。
ほぼ毎話に監督が変わるという迷い猫オーバーランみたいな作り方をしているが、
特にそこが売りになっているわけではないようだ。

見出して感じるのはオシャレな感じのOPだろう。
普通のアニメの1話の場合はOPの前にAパートが入ったり、
オープニング1話の最後で流すことのほうが多いが、
いきなりややオシャレなOPが流れる。
ただ、ハイセンスな感じのOPは「質アニメ」っぽさを感じ、
このOPで見るのを辞める人がイそうだなと感じるほどだ。

更に始まる本編のクセが強すぎる。
どう表現していいかクセの強すぎる女性キャラクターが謎の世界を闊歩しながら、
大量のぬいぐるみに囲まれて、謎のセリフを言い放ってるかと思えば、
ゲーム画面っぽい戦闘が始まり・・・と、
ちょっとわけが分からなすぎて受け入れがたい展開だ。

幻想的な描写で「夢の世界」を描写しているのは分かるのだが、
作画の質があまりにも悪く、
日本のアニメというよりは海外で作られたアニメのような質感で、
キャラクターデザインや作画の癖が強すぎる。

ストーリー展開のクセも強い。
やけに状況の飲み込みが早すぎる主人公が他人の夢の世界に入り込み、
夢を見ている本人の悩みを解決することで眠り続けている人の目をさます事ができる
というような展開なのだが、それすらもイマイチ理解しにくいほど
1話の時点では世界観や話を飲み込みきれない。

演出のクセも強く、そのせいで飲み込みきれないストーリーを余計に
飲み込めないものに仕上げてしまっており、
作画の質の悪さも相まって1話で切った人が多いだろうなということが
手に取るように分かってしまう。

更に厄介なことに話によって監督が変わるせいで一話ごとに癖が変わる。
これでもう少しベテランの監督陣営ならばその癖も楽しめたかもしれないが、
この作品が初監督な監督さんが多い。
話によっては脚本すらも監督がやっていることもあり、
監督初心者、脚本初心者な人が1話まるごとやっていることも有る。

基本的に「夢」をテーマにして主人公が他人の夢の中に入り
悩みを解決するというような展開では有り、
それが根幹になっている。

テーマ自体がシンプルであるがゆえにいくらでも話を作れるし、
いくらでも自由にできるという事は監督のセンスがモロに出る。
それゆえに面白い回と面白くない回がはっきりと別れてしまっており、
当たりハズレが大きすぎる上に癖も強い。

いわゆる「質アニメ」だ。
こういった演出の癖がありストーリーが分かりにくい作品を
好きな方も居るのは分かるが、それならばもう少し作画の質が無いと
演出の癖やストーリーの難解さが締まりきらず、格好がつかない。

更に主人公。
物分りが良すぎる上に適応能力も高すぎる上に疑問も持たない。
勢いでお悩みを解決し、勢いで行動する。
これだけならいいのだが話によって性格が変わりまくるため、愛着が一切わかない。

無慈悲な感じの主人公かと思えば感情的になり、夢の中だからと平気で人を殺す。
そうかと思えば女子高生と仲良くなってデートしたりと、
次の話では最近のラノベ主人公になったりとブレブレだ。

掴みどころのないこの作品の主人公にある種ふさわしいとも言えるのだが、
監督も脚本も毎話違うのだから主人公のキャラクター性がブレるのは
ある程度しかたないかもしれないが、許容範囲を超えるブレだ。

作画も悪いせいで主人公の泣き顔が最高にブサイクすぎて、
ストーリー的には感動できる展開のはずなのに私は爆笑してしまった。
ぜひ皆さんにも、この泣き顔をご覧いただきたい(笑)

せっかく感動できるようなストーリーを積み重ねたのに、
この顔の作画でそんな感動が大爆笑になってしまうことがお分かりいただけると思う
こんな主人公に感情移入することのほうが難しい。

総評

全体的に見て狙いは分かるのだが大外れしてしまった作品だ。
他人の夢の中に入れる主人公と色々な原因から眠り続ける少女たち、
オムニバス形式のように各話で印象の異なるストーリーを展開し、
同時に監督も各話で違うことによって挑戦的な演出や描写をしたかったのだろう。

だが、圧倒的な予算不足か時間不足なのかはわからないが、
せっかく監督や脚本家が頑張って築き上げたストーリー展開を
台無しにするような作画の数々はかなり厳しく、
作画が悪い性で挑戦的な演出やカメラワークがただ見難いだけのものになっており、
何時までたっても掴みどころのない、飲み込みきれないアニメになってしまっていた

ストーリー的には一応完結しているのだが、
製作会社「GONZO」らしいハッピーエンドと言い難いエンディングであり、
あっけにとられてしまうエンディングだ(笑)
結局何がしたかったのかよくわからないキャラクターもおり、
見終わった後に消化しきれない何かが胃の中に残るような感覚だ。

個人的な感想

個人的にはやりたい事が分かるだけにもう少し実力のある監督と、
作画にかける予算が欲しかったと感じてしまった。
描かれている内容自体はそこまで悪くはないのだが、
作画のせいで悪いと感じてしまう。ある種のもったいなさも感じるのだが、
1話1監督方式はやはりろくなことにならないようだ

売上的には数字も出ないほどの爆死、大丈夫かGONZO(苦笑)
DVD・BDともに1巻がAmazonに在庫なし状態になっており、
気になって調べたらBOXで販売するようだ。
1巻を買った人のことすら考えていない作品だ。

「」は面白い?つまらない?

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