BAYONETTA Bloody Fate

評価/★★★☆☆(58点)

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2013年に蘇った90年代OVA

原作はPS3やXBOX,Wiiなどで発売されたゲーム作品
アニメーション製作はGONZO、
監督はバジリスクなどで有名な木崎文智氏。

開始早々、世界観の説明に3分近いナレーションがある(苦笑)
本来、映画の場合は冒頭で視聴者を惹きつける派手なシーンであることが多いが
このアニメの場合「ゲームが原作」のため、
ゲームをやっていない人にもわかりやすいように世界観の説明が必要なのは分かるが
できればストーリーの中で明かされていく描写のほうが良かったと感じざる得ない。
冒頭からだらーっと世界観の説明をされても退屈なだけだ

そして戦闘シーン。
冒頭でいきなり「天使」のようなものとヒロインが戦うシーンが描写される
作画の質自体は最近のアニメというよりも「90年台のOVA」っぽさを感じさせる
言い方を変えれば古いとも感じられる渋い作画、
1シーン1シーンで「決め」のシーンを魅せるためのアニメーションの流れなど
2013年に放映されたアニメという雰囲気を感じさせない。

だが、それが決して悪いとはいえない。
この「古さと渋さ」は最近のアニメでは絶対に感じない懐かしさを感じさせ、
最近の劇場アニメの戦闘シーンでよくある早いだけの戦闘シーンではなく、
決めポーズと決めポーズの連続による戦闘シーンは不思議なかっこよさすら生まれている。
ちょっと良い方は更に古いが「ハードボイルド」な雰囲気だ

そしてそこにベテラン声優さんの演技が光る。
田中敦子さんの妖艶さを感じさせる声と耽美な演技による決め台詞が
この作品の世界観を後押ししており、
更にそこに玄田哲章さんのダンディな演技がいぶし銀のごとく光り、
高木渉さんのもはや声だけでゴロツキとわかる演技、
たった一言で「ラスボス」ということがわかる若本規夫さんの演技など
ベテラン声優の演技が光りまくる。

そんな演技があるからこそこの作品の世界観をより「ハードボイルド」に、
より「ダークネス」に、より「耽美」に仕上げている。
これが新人声優なら画面が締まらなかっただろう、演技力のあるベテラン声優人だからこそ
作品の世界観を深いものに仕上げている。

だが、肝心のストーリーは微妙だ(苦笑)
恐らく原作ゲームをやっていない人にとっては冒頭の説明だけでは
世界観を把握しきれないまま、なんかボンテージファッションのお姉さんが
でかい天使と戦っているだけのストーリーに見えてしまうだろう。
ある意味それは正しく逆に「決めシーンを描くためにストーリーは諦めました」と
言わんばかりの清々しさすら感じる(笑)

はっきり言おう、ストーリーは制作会社のGONZOらしい大味な感じだ。
この作品の世界観を後押しするおまけでしかない、雰囲気だけ出ていればいい。
ストーリーを端から端まできちんと描写するのではなく、
あくまでも「ベヨネッタ」というゲームの世界観をアニメーションという媒体で
表現するための装飾品として割り切ることで、
テンポよくハードボイルドなストーリーが耽美な世界観の中で描写され、
作品の世界観に「ぐっ」っと引き込まれるようになっている。

基本的に敵が現れる→倒す→敵が現れる→倒すの連続でストーリーが進む。
1戦闘は割と短く、あっさりと敵がやられるパターンが多いのは残念だが
その中でも「必殺技」をきっちり魅せ、様々な武器でとどめを刺すシーンの印象は残る
ただ、あまりにもあっさりすぎるパターンが多く
もう少し苦戦するような描写があってもいいのではと感じてしまう部分はある
せっかく巨大な敵や中ボス的な存在が現れても歯ごたえがない

序盤で感じた1シーンごとの決めによる戦闘シーンの面白さは終盤になると薄れ
逆に「大味」すぎて笑えてくる戦闘シーンになっている(笑)
キャラの元の原型を留めない巨大な召喚による対決や、
「巨大な木馬」と鞭によるシュールギャグのような戦闘シーンは
大味だがスケールの大きい描写になっており、笑えるという意味で面白い。
木馬のシーンだけはぜひ劇場の巨大なスクリーンで見たかったと後悔してしまったほど
シュールギャグとしてレベルが非常に高かった(笑)

全体的に見て90年代や80年代によくあったOVAのような作品だ。
世界観やストーリーについてはきちんと詳しく知るためにはゲームを演るほうがいいが、、
雰囲気はしっかりと感じることができ、ストーリーの細かい部分を省いて
割りきって描写したことで序盤から中盤までのハードボイルドな雰囲気を
たっぷり味わいつつ、終盤でのシュールギャグバトルで爆笑し、
いろいろな意味で「よくわからない清々しさ」すら感じさせて作品が終わる(笑)

決して真面目に見たり、名作!と思って期待して見てはいけない。
ハードルは低めに、ギャグアニメを見るような気持ちで
この映画を見始めると意外と楽しめるはずだ。
個人的にはPG12という年齢制限をせっかくしているのだから
90年台のOVAように大胆なセクシー描写や、もう少し過激な描写があっても
良かったのではと感じる部分はあるものの、なんだかんだ言って面白かった作品だ。

ただ、原作ゲームをやっていると登場しないキャラや苦戦せずに戦う戦闘シーンばかりなので
物足りない部分や再現度で納得出来ない部分も出てくるかもしれないが、
90分という尺でまとめるため、90分という尺で
「ベヨネッタ」という作品を味わってもらうためと割り切れば楽しめるはずだ。

ある意味で出ていないキャラなどを考えると尺不足でもあるのだが、
モット見たいとは感じない不思議な作品だ(笑)
今からこの作品を見る方は「ギャグアニメ」を見る気持ちで見てほしい
見終わった後には私と同じように、この作品を嫌いになれない自分がいるはずだ

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